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リアル収益や広告単価もぽろり!人気アプリ開発者による暴露トークセッションin大阪-メタップス×アプリゲット勉強会

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昨年に大阪で開催された、メタップス&アプリゲットさん主催のセミナー『メタップス×アプリゲット勉強会in大阪!マーケットで戦うTOPデベロッパー達が語る集客と収益化を最大化する方法とは!?』のレポートです。

目次:
1、「人気アプリ開発者によるトークセッション」 by皆さん
2、「GooglePlay市場背景、カジュアルゲームデベロッパーの戦略解析」byメタップス
3、「個人デベロッパーのアプリをレビュー媒体に掲載する為には何が必要か?」byアプリゲット

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1、「人気アプリ開発者によるトークセッション」 アプリカ、ByeByeGame、マルジュ、サマータイムスタジオ、marnishi。(※敬称略)

ぶっちゃけトークだらけのトークセッション

以下の人気アプリ開発者さんによるトークセッションです。
osaka_talksession

■アプリカ森尾さん(「ホモォいじり」「タカプリシリーズ」など)
■ByeByeGame大杉さん(750万DLの「100万のタマゴ」)
■マルジュ肥塚さん(ライトゲームを数多くリリース、アイコン型広告「アスタ」運営)
■hamon弘中さん(「グルコサミン」「はんぷく!!」など累計200万DL)
■サマータイムスタジオさん(「AncientSurfer」など)
■marnishi高馬さん(「俺の校長」「俺のカートだろ!」など)

Q、どのくらいの頻度でアプリをだしていますか?チームの役割は?

marnishi:
個人同士でデザインとプログラミングで2人チームでやっている。
cocos2dxでiOSとAndroid両方で出している。

hamon:
夫婦で愛し合いながらつくっている。開発部屋は分けて作業も分業。個人事業者が2人いるような感じ。

マルジュ:
開発3人、デザイン2人。開発は1人1アプリつくっているイメージ。1アプリつくるのに3~4週間かけている。昔は1~2週間に1本だったがカジュアルゲームは凝ったものをつくらないとDLされにくくなってきているため。

アプリカ:
昔は2人とかでつくっていた。ホモオいじりは2人くらいで1~2週間でつくった。最近はそれでは全然当たらない。5人で1~2人月、数百万円くらいのコストをかけている。

Q、ゲームとゲーム以外での収益バランスは?

アプリカ:
70~80人の会社の収益をつくるにはソーシャルゲーム(つまりデッキとガチャがあるゲーム)じゃないとつくれない。

もし個人開発者だったらやろうと思うのは「記事系」「まとめ系」アプリ。「にゃんこ大戦争」の攻略アプリをつくったことがあるが意外にDAUが高い。ゲーム以外のほうがサクっとつくれて収益化できる。

サマータイムスタジオ:
社員数でいうと20名。2013年2月からはじめてiOSとAndroid併せて14本リリース。20名分の収益がようやくトントンになった感じ。

Q、売切型とアプリ内課金の収益バランスは?

サマータイムスタジオ:
1、2本目のアプリは有料3ドルでだして、値引きして1ドルで売る作戦でやったら1か月に100本くらいしか売れなかった。

フリーミアムのアプリが増えて逆に有料アプリの競争が少なくなると思ったがうまくいかない。今はその最初にだした2本もフリーミアムに変えて、無料DLからの広告収益モデルに切り替えた。

Q、ByeByeGameさんは2本アプリを出しているが売上はどのくらい?

ByeByeGame:
「100万のタマゴ」は750万DLされていて収益は3,000万円くらい。これは正直しょぼい。理由はすぐに辞めてしまう人が多いゲームだから。

100mantamago

Q、「ホモォいじり」はどうでしょうか?

アプリカ:
DL数でいうと約140万。ユーザーは日本がメイン。腐女子にとても愛されているので、恋愛ゲームなどとの広告の相性が良く、1クリックうん十円とかそういう世界。

Q、マルジュさん、marnishiさん、hamonさんはどうでしょうか?

マルジュ:
チームが5人いて会社として事業が継続できるレベル。
とても儲かっているというレベルではない。

marnishi:
なんとか2人で食べていけるレベル。広告は一通り使っていて、中でもアイコン広告はとてもよく使っている。売上比率はほぼアイコン広告が占めている。

hamon:
海外ではバナー広告が死んでいて全面広告でしか収益がとれない。バナーは自社広告につかって、全面広告は3回に1回などと言わず毎回出している。

海外は全面広告をガンガンだしてもレビューも荒れない。
ecpmは良いアプリで300円くらい。(※ecpmとは広告1000回表示あたりの収益額)

リアルな3Dキャラを使ったゲームだと、Chartboostなどの全面広告のクリック率がめちゃくちゃ良くて30%程度までいく。CV(コンバージョン)もとても良い。Chartboostの担当者に会ったら、おいしいお好み焼きをおごりたいレベル。

Q、DL数でいうと国内海外の比率は?

hamon:
売上の構成は60%が海外。日本はバナー広告がまだ生きているしアイコン広告も使えるし収益性は良いが海外はまともなアイコン広告がない。全面広告以外の広告は死んでしまっていてそもそも広告の種類がすくない。

海外では課金の代わりにリワードが収益を稼げる、タップジョイを入れている。動画広告も盛り上がってきていて、例えばカジュアルゲームだとゲームオーバーになったときに「もう1回やりたかったら動画みてね」というような使い方。

ユーザーが動画を1回再生して入ってくる収益は1セントくらいだけど、ゲームが面白ければいくらでもコンティニューを押すし、30秒の動画ならみんな見てくれる。DL数×1セント(1円)でも積みあがると大きい、動画広告は熱い。

Q、ByeByeGameさんはDL数でいうと国内海外の比率はどのくらい?

ByeByeGame:
1:9で海外が多い。地域はバラバラ。1位は韓国、2位はドイツときて、スペインとか欧州あたり。英語対応しかしてなくて韓国でも英語。広告はバナーだけしかやっていないのでそれがよくなかったかもしれない。admobだけつけてだしちゃった感じ。

Q、どの国が収益性高いですか?

サマータイムスタジオ:
今年の春に出した「The Legend of Holy Archer」という海外むけにつくったゲームがDL比率でいうと海外7:国内3。iPhoneとAndroidで変わらない。

課金単価に関しては海外は圧倒的に低い。
課金ユーザー自体は日本の3~4倍いるけど課金額は日本に満たない。

Ancient Surfer」というサーフィンのゲームは国内がDL数では多いが海外のほうが収益が大きい。収益源は広告。iOSはiAd、AndroidはメタップスとAdMobをつかっている。iAd、AdMobはバナー型のみ。

Q、hamonさん、ここだけの面白い話は何かありますか?

hamon:
絶対にこれをつくれば海外で10万DLされるという「超鉄板ジャンル」がある。それは「3Dのリアルな人間をつかった実在のスポーツゲーム」、中身がクソでも10万DLはされる。

ボクシングvs腕相撲」という実質もぐらたたきのようなゲームが30万DLいった。「スキージャンプ アルティメイタム」というゲームが10万DLくらい。マイナーなスポーツでもそのような結果なので、競技人口のベスト10のスポーツを調べてつくれば10万DLは固い。

普通につくるとコストがかかるが、UNITYでつくればストア上でモーションも売っているのでかなり稼げると思う。

Q、10万DLというと海外ではどのくらいの収益になる?例えば半年くらいだとして。

hamon:
1DLあたり5円はいく。個人だったら1か月以内に1本仕上げれば生活できると思う。「ボクシングvs腕相撲」は1DL5円、「スキージャンプ アルティメイタム」は1DL7~8円(スキー板をコレクションできる要素も入れているので。)

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Q、マルジュさんここだけの面白い話はありますか?

マルジュ:
過去出したアプリで結婚したユーザーがいる。マジカルメールという「メールを送ったらどこに届くかわからない」というアプリを2年前くらいにだした。ある日、サポート宛に「マジカルメールのおかげで結婚できました」とメールが届いた。

また別の話だが「卑猥な事件の発端がマジカルメールだった」という内容をニュースでとりあげられたことがある。そしたらアプリのDLがめちゃくちゃ伸びた。笑

Q、ミニゲームって儲かりますか?

ByeByeGame:
単価は低めです。「100万のタマゴ」は1DLあたり4円くらい。開発期間もたまごとボタンと数字くらいなので1日でつくれるレベル。

完成まで1週間程度だったのでそれならいいかなと思っている。稼いでも税金でほとんどもっていかれるので儲かりそうなとき、年間500~600万円ライン以上は法人化すべき。

Q、marnishiさんここだけの面白い話はありますか?

marnishi:
アイコンが最強。極端に上がることもないが下がることもない。
マルジュのアスタもすごい安定している。

imobileのアイコン広告は相性がよかった時に1クリック60円くらいでたことがあってびっくりした。ある会社のCPI型のアイコン広告はクリックはされるけどインストールされず、僕らのアプリとは相性が良くなかった。

Q、広告のCTRはどのくらい?

ByeByeGame:
「100万のたまご」のCTRは1%切っていると思います。

マルジュ:
1%くらい、多い時だと3~4%。

marnishi:
アイコン広告は1%切るくらいという感じ。
最近、全画面広告がCTR10%超えていて単価も良い(3回に1回くらいの頻度でだしている)。

Q、1クリック10円以上出ている会社さんはいる?

サマータイムスタジオ:
1クリックあたりの単価は10~15円(日本と海外含めトータル)。
使っているのはAdMobとiAd。

hamon:
国内15~20円、海外3~4円。
日本だとnend、iMobileをメインで使っている。

マルジュ:
10~13円くらい。
バナー広告はnend,iMobile,Adlantisを使っている。

アプリカ:
nendとGamefeatは良い。
メタップスもアイコン最適化の機能がついてからは良い。

聞いてみて感想:

ぶっちゃけすぎ。

2、「GooglePlay市場背景、今取り組むべき課題、カジュアルゲームデベロッパーの戦略解析」株式会社メタップス シニアコンサルタント 山田さん

Androidの最近の市場背景

今後5年で日本のスマホ契約者数は2倍になる。

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国内ではAndroidのシェアが拡大

契約者数が増えて、自然流入(DL数)も増える。
売上(課金/広告)も増えると、上位入りに必要なDL数も増える。

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Googleplayの新着カテゴリに入るには?

ここ最近、急激にAndroidユーザーが増えている。
2012年7月は35,000DLでGooglePlayのランキング10位以内に入れていたが、2013年11月現在は70,000~80,000DL必要。GooglePlayでは直近1週間のDL数を見ている。

「人気の新着」でトップ10に入るとデイリーの自然流入が3,000~5,000DL。ただアイコン・スクリーンショット・コンテンツ自体などによっても自然流入数は大きく変動する。1~5位の間を前後していて、1日の自然流入が15,000DLあったアプリもある。

Googleplayの「人気の新着(無料)」の上位に入るためのDL数をグラフにしたもの。
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上位ランキングに必要なDL数も増える

MM総研のデータ通りにスマホユーザーが増えていくとすると、
5年後にはGooglePlayの新着ランキング上位には15万DLくらい必要になる。

今後も上位ランクに必要なDL数は増えていく、また上位に入らないとユーザーがDLしにくいマーケットになってくる。

ランキング上位アプリ(会社)の傾向・特徴

GooglePlayのランキング上位には、複数のアプリをもっている中規模以上のアプリ開発者が多い、はじめて出したアプリがランキング上位にくることは少ない。

上位10社はブースト使用アプリ、それ以降は戦略的な取り組みでDLを集めているアプリも。ブーストやらずに上位にランクインしている会社は、アプリ起動時に新作宣伝をしたり自社広告を回して、旧作から新作にユーザーを移動させている。過去にヒット作をもっている開発者は、その後の展開が有利になる傾向。

無料で相互送客!Exchangerについて

Exchangerはメタップスが提供しているAnroid向け相互送客サービス。アプリ内で広告を表示した回数に応じて、他アプリで自分のアイコンが表示される仕組みのため無料で集客が可能。導入アプリ実績は累計3億2000万DL。エイチーム、バンダイナムコゲームスなども採用。

メリット1:トラフィック交換

アプリ内で広告を表示した回数に応じて、他アプリ内で宣伝が出来る。
自社アプリ間で使うこともできる。ユーザーがどのくらい誘導できたかの測定も可能。
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メリット2:アイコン最適化

複数のアイコンを設定して「どのアイコンの効果が良いのか?」を測定することも可能。
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メリット3:収益化/集客

任意のタイミングで呼び出せる広告で広告収益はCPI型。
アプリの起動時、ゲームクリアの時、アプリ終了時など。

アプリ終了時の広告表示からのCVR(コンバージョンレート)は高い、場合によってはCVR20~30%出ることも。つまり3~4回の広告表示で数百円単位での広告収益が発生するということもあり得る。

1クリックあたりの広告収益に換算すると日本だと17.35円。過去最高値は55円。SDKがユーザー端末のIPアドレス・言語設定を読みとって最適な広告を表示しているので、海外からのトラフィックもマネタイズできる。

聞いてみて感想:

Exchangerは海外(東アジアや北米)でも導入が伸びているらしいので、海外展開したいアプリも良いかも。

3、「個人デベロッパーのアプリをレビュー媒体に掲載する為には何が必要か?」 アプリゲット スマホゲームエバンジェリスト 阪森さん

アプリゲットについて

appget_icon

アプリゲット:http://appget.com/
アクセス:月間で約160万。

編集部は5名+外部ライター6名。365日毎日、1日必ず最低3本レビュー記事を書いている。アプリゲットのレビュー記事内に書いてある星評価は、ライターがゲームをプレイして実際に感じた評価を出している。

アプリゲット内のコンテンツで一番PVが高いのはランキング。(デイリーランキング、週間ランキング、月間ランキングのページ)

Androidのレビューサイトは今どんどん数が減ってしまっている。またレビューサイトは売上が順調なところがあまり多くないので、広告出稿の話をちらつかせると目の色が変わるところが多いのではないか。

アプリゲットでレビュー記事が出来るまで。

レビュー記事はどのように書いているか?

appget_review2
基本的にはマーケット、ニュースリリースと、各レビュアーが持っている情報網に基づいて新作アプリを探している。日本はもちろん海外アプリも、独自マーケットもチェックしている。

まだレビューしていない新作アプリ(もしくは見逃していたアプリ)を見つけたら、全て一通りダウンロードしてプレイをしている。(その際ウイルスチェックもしている。)面白いアプリはさらに時間をかけてやりこんだ上で、評価をデスクに提出。

デスクがその評価点を元に1日の上位3本を決めてレビュー記事化している。「1日3本」が決まりなので面白くても漏れてしまうということがあるが、その場合は翌日以降に繰り越されることも。

取り上げられるためのコツは?

「プレイする前に面白そうだと思ったゲーム」は有利。

アプリストア上では何よりもプレイ画像・プレイ動画を見ている、テキスト文は実はそこまで読んでいない。そのため、画面キャプチャは出来るだけ良い画像をマーケットに掲載しておくこと。

一番は「プレイ動画」がわかりやすい。二番目は「動きがわかるゲームのプレイ画面」(静止画)。その次は(だいぶ下がって)デザイナーさんが作った「ゲームのイメージ画像」。

グラフィックは「ものすごく作り込んだ物」か「全然作り込んでないもの」が目立つ。
中途半端なものは逆に印象が薄まってしまうので、苦手なら苦手で割り切ってしまった方が目立つと感じる。

レビューする時の評価の基準5項目

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1、グラフィック

キャラクター、アイテム、背景、BGM、効果音など。
豪華である必要はなく、ゲームの世界観に合っているか。この項目が低い点になる場合は多くない。

2、ボリューム

ステージ数やゲームモードの種類。低い評価になるゲームが割と多いのがこの項目。アプリゲットの記事でも、ある程度長く遊べそうなゲームは圧倒的にPVや誘導率が良い。「長く遊べる」というのは重要視している。

3、操作性

「ストレス無く遊べるか」がポイント。Androidについては苦労するところ。

4、ゲームバランス

ゲーム難易度、攻略要素の盛り込み。好き嫌いが分かれるため低い点数がつくことは少ない。

5、独創性

独創性が高いゲーム(発想の斬新さ、独自のルール)については高い点数をつける、マイナス評価では無くプラス評価。

レビュー記事の評価

5つの項目をそれぞれ5点満点で評価を出し「平均値を最終的な評価」にしている。低い点になりがちなのは「ボリューム」の部分だが、例えば「ループプレイが出来る」など見せ方で工夫できることも多い。「見たことあるな」と思うゲームは点が下がりがち。

リリースは積極的に送るべき

リリースはどんなものでも歓迎。

おやじ観察キット」というアプリはベースは「なめこ」に乗っかっているが、インパクトが勝ってレビュー記事での評価が高くなっている。

「おやじ観察キット」のリイカの広報の方は2週間に1回ぐらい編集部に来てゲームの情報を提供してくれる。(数多のゲーム会社のうち頻度としては一番高い)[リイカさんの広報テクニックは過去記事参照

実はこれは迷惑では無くて、逆にこまめに情報を提供してくれるのはとてもありがたい
ぜひリリースを送ってほしい。

ニュースリリース送付先
pressget@appget.com

リリース内容はどんな情報を送ればいいのか?

レビュー記事だけではなくてニュースのコーナーもある。以下のような情報はニュースとして価値があるし求めている。嬉しくないリリースはないので何でも送ってほしい。

・新作の事前情報
・新作のリリース情報
・アップデート情報(バージョン1.0から1.1になった等)
・イベント情報
・達成系の情報(○万ダウンロード達成等)
・キャンペーンの情報

リリースの送り方

アプリレビューサイトへのリリースの送り方、形式についてよく相談を受ける。広報本やネット記事に載っているリリースルールは、ウェブメディアの場合は一切気にしなくても大丈夫。

良くないのは「何を言いたいのか全くわからないリリース」
例えば、タイトル(件名)が「ニュースリリースをお送りします」のようなもの。

タイトル(件名)で欲しい情報

・新作なのかそれとも既存のゲームの更新情報なのか。
・どんなゲームなのかを端的に書く。(例えば「新感覚のRPG」などは不要、RPGならRPG)
・アプリ名は入れなくてもOK(アプリ名が面白いものであれば入っていたほうが良い)
・デベロッパー名を入れる(リリースを何度も受けていると名前を覚え、親密度が上がる)

メール本文

特に形式はない。「新作出しました、こう言うゲームです、マーケットのURLこれです」でも十分。アプリゲットの場合は、メールではなくTwitterで送っていただいても問題無い。

質問コーナー

Q、「ネタ重視の10秒で終わるようなゲーム」は(アプリゲットとして)記事で取り上げやすい?

記事になる確率は少し下がる。ライフタイムが長そうなゲームに押されてレビューされない可能性も大きい。ただ、エンドレスに遊べる仕組みがあれば「長く遊べるゲーム」になるので工夫次第

キャッチーなだけで出落ちのようなゲームはPV数も伸びずに終わってしまうことが多い。

Q、操作性は片手・両手はどちらがいい?

縦型が広まったのはパズドラの影響が大きいとは思うが、縦でも横でもあまり変わらないなと言う印象。縦も横もレビューはするがアプリゲット上での数字に差は無い。

Q、パズルゲームはどんなゲームが人気?

有名・無名はあまり数字でも肌感でも関係ない。傾向としては(LINEの影響が大きいと思うが)見た目がポップで女性受けしそうなパズルは人気が高い。

Q、カジュアルゲームはどんなゲームが面白い?

「振り切ってるゲーム」の方がやっぱり人気は出やすい。越えちゃいけない一線を越えるか越えないかというゲームの方がレビュアーも見つけやすいし、PVなども高い。ただ、度が過ぎると逆にレビューできなくなるため「良い塩梅」が大事。

Q、(前質問のつづき)例えばコンセプトが強いアプリであったり?

コンセプトが強いのはOKだが気にするのは著作権・肖像権。例えば暴力的な表現はあまり問題は無い。

Q、新作ではない古いアプリが注目され始めている場合、取り上げる場合もある?

大いにあり得る。見逃していたことを反省しつつ掲載することはよくある。

聞いてみて感想:

メディアへのリリースは積極的に送るべき、そのためにも話題づくりをどんどんするのが良いと思う。


中国で成功の秘密はナンパでローカライズ?世界100万ダウンロード間近の自撮りアプリ「セクシーミラー」インタビュー

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本日は、名古屋で活動されている「セクシーミラー」という自撮りアプリの開発者、
大塚さんへのインタビュー記事をお送りします。

「セクシーミラー」は日本の個人開発アプリでは珍しいグローバルを視野に入れていて、
なおかつ大きくダウンロードの結果を出されているアプリ。

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特にアジア・欧米での展開を考えられているアプリ開発者さんや、
女性向けのアプリを企画されている方にとって、貴重な情報を教えていただくことが出来ました。
普段聞けない話ばかりで、かなりおもしろい内容となっているのでぜひ参考にしてみてください。

以下インタビュー内容をお送りします。

セクシーミラーは「未来のカメラアプリ」をイメージして開発。

セクシーミラーとはどのようなアプリでしょうか?

セクシーミラー自撮りに特化したカメラアプリで、女子を綺麗に撮ることに特化したフィルターとリアルタイムエフェクトが売りです。従来の自撮りアプリとの違いとしては、リアルタイムに美肌やデカ目、フィルターを確認することが出来るところです。

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ダウンロード数はどのくらい?

ダウンロード数は約95万です。2013年の7月で50万DLを達成しましたが、そこからずっと一日2,000DL弱くらいのペースで増えていっています。

収益モデルはどのようになっていますか?

最初はアプリ内課金(In-App Purchase)でしか売上がなくて広告収益がなかったのですが、
今はアプリ内課金よりも広告収益のほうが多いという状況です。

広告に関しては、アイコン・バナー・テキスト・インタースティシャルを活用していて、
特に最新バージョンではインタースティシャル広告(全画面広告)を入れたりと、広告表示も積極的に行っています。

インタースティシャルはある程度ユーザーがアプリの虜になってきたタイミングで表示しています、例えば、アイテムを選択したタイミングだったり、スロットを回した後のタイミングにだしたりです。
アイコン型の広告も効果は良いですね。

課金と広告のバランスはどうでしょうか?

昔はAdMobでバナーを1つしか入れていなくて、
1ダウンロードあたりの収益は、広告0.8円:アプリ内課金1円でした。

今の1ダウンロードあたりの収益は、広告5円:アプリ内課金1.5円くらいにはなっています。
やり方次第でだいぶ収益性が変わりましたね。

広告の収益性が5倍以上になっていますが、どのように改善したのでしょうか?

例えばひとつは、スロットをつくってユーザーの導線をつくりました。

スロットを10回くらい回しているとインタースティシャル広告(全画面広告)が出てきて、ユーザーが必ず見るようにしています。「スロット回して、アイテム選んで、戻って」という流れにインタースティシャルを入れたんです。いまインタースティシャルが一番収益が高いですね。

スロットに関しては「アイテム課金にふれるきっかけをつくる」という意味もありますね、
実際に導入前後での課金アイテムの収益性が1円⇒1.5円くらいまで向上しています。

(補足:スロットを回すと数多くのアイテムがランダムに組み合わされて適用される。試着までは無料。)
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なぜスロット機能を実装したのでしょうか?

まず「ほとんどのユーザーは受動的」という理由が大きいです。
ほとんどの人は機械に言われるまま、指図されるままの方が動きやすい。

アナリティクスをみてアプリ内のユーザーの動きを分析してみても、上に置いてある数個のアイテムをみただけで終わるユーザーがほとんどで「あ、ユーザーって何も見ないんだ」ということがわかった。

そこで「ユーザーの導線」をつくるためにスロットを置きました。
なぜスロットにしたかというと、世界共通でわかるUIという理由もあります。

あと女の子はランダム要素、くじが好きだから。おもしろいと思ったらずっと回し続ける。
僕は元々パチンコ業界にいたので、それもよくわかっていた。

スロット機能もそうですが、セクシーミラーは非常にユニークで面白いですね。

そうですね、僕はほとんど他のアプリを参考にしないんです。

世の中のアプリはアート的にユニークに生まれてきたものと、シミュラークル[simulacre](誰かがつくった物の複製品)がほとんどを占めています。例えばカメラアプリでいうと、カメラで撮影してフィルター選んで…というインスタグラム形式になんだかんだ意識を受けていますよね。

僕は本当に自分がつくりたいもの、「未来にあるカメラアプリはなんだろう?」という意識でつくっています。そしたらこんな頭おかしいアプリができてしまった(笑)

自分がターゲットじゃないアプリつくるのって大変なことだと思うのですが。

僕はかわいい女の子が好きなので、かわいい女の子に喜んで使ってもらいたいという気持ちがあってそのへんのモチベーションはあります、趣味と実業を兼ねている。

女の子に試してもらってヒアリングはしますよ、何が欲しいのかとか聞いたり。ツイッターでアプリを使ってくれている子に声かけたりもします。すると「こんなのが欲しい」みたいなのを言ってくれる。

美肌は世界共通、グローバルと女性ニーズについて

最初にイギリスのAppStoreで11位になったそうですがその要因は?

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未だにわからないんです。Googleで検索して原因を探ったがテレビでも有名人でもないようでしたが、何かきっかけがあったんでしょうね。

急にセクシーミラーのページのアクセスが100倍くらいになって、なんじゃこりゃって。
その時はアプリの評価がめちゃ酷評だったんですけど(笑)

あとこれは狙っているのですが、セクシーミラー(Sexy Mirror)という名前はポルノチックなイメージがあります、アプリ名に「sex」って入っていますし。これはやはり男も反応するキーワードなので、新着欄に並んでいると目につきやすいというのはあると思います。

最初から海外は意識してつくられていましたか?

はい、最初から北米を意識したデザインにしていました。
例えば、ピンクといっても「北米のピンク」と「日本のピンク」は違うんです。

「北米のピンク」は海外のコスメサイトとか見ていても、LA SPLASH(コスメブランド)みたいなキラキラと派手な色が多くて。一方で「日本人のピンク」というとサクラっぽい薄いピンクですよね、やっぱり色の感覚が海外と日本人では違うんです。

あと文字は極力なくすようにしました、3歳~80歳までいかにつかえるか。
幼稚園児に使えるなら世界中の人が使えるだろうと。

いま(約100万DL)と50万DL時点での海外比率に変化はありましたか?

昔は日本が全然ダメでほぼ海外だったのですが、最近日本でのダウンロードが増えてきましたね。
日本の比率があがってきています。

日本でダウンロードが伸びたきっかけは実はNAVERまとめでした。
海外大人気カメラアプリ『セクシーミラー』の作者ツイートが泣ける」というNAVERまとめをきっかけにバイラルが発生したんです。ガジェット系のまとめをつくっている方が、まとめてくれたようなのですが・・・。

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それまで日本でまったくDLされなかったから、その時バイラルの力はすごいなとおもいましたね。
あと、たぶん日本人は「海外でウケた!」みたいなのが好きなんでしょうね、それは感じました。

自撮り系のキーワードニーズは日本では「自撮り」、世界では「Selfie(自撮り)」と非常に伸びています。

(日本は2010年~「自撮り」、世界では2013年~「selfie」の検索が急増 参照:Googleトレンド)
keyword_jidori_selfie

そうですね、これは知っていましたよ。

元嫁が香港人だったのですが、中華系の人のブログとかFacebookをみていると自撮りがめちゃくちゃ好きなんですね。アジア圏の人は日本人よりも自撮りをする、そこに潜在的なマーケットはあるとおもった。

だいぶ調査したのですが、補正系のアプリはやはりニーズが強い分、中国製のアプリが一番よくできているんです。日本のアプリはどれもいまいちだし、今の美肌・補正アプリはどれもめんどくさい。

それを見て「もっとおもしろいのがつくれるな」とおもったのが始まりですね。
「自撮りに特化したカメラアプリ」なら世界でも個人で勝負できるという読みもあった。

中国製の美肌アプリはあるけど、リアルタイムで美肌とかデカ目にできるアプリってなくて。魔法の鏡みたいなイメージで「ミラー」と言う名前にしてカメラアプリではなくてミラーアプリとして差別化をはかっています。

中国でもダウンロードされていますか?

はい、中国語のアプリ名は「性感魔鏡」にしたのですが、そのアプリ名がうまくいってDLされましたね。

中国語のローカライズはしっかりやっています。
中国マーケットが大きくなるのはわかっているので、中国語は1年くらい勉強しています。

「性感魔鏡」という名前はどのように決めたのですか?

これは何をやったかというとですね…!
中国語を勉強して、中国語のソーシャルメディアをはじめたんです。

そこで日本にいる日本語ペラペラの中国人のお姉ちゃんをナンパして友だちになって、その女の子の感覚にあわせて中国語を完璧にローカライズしてもらって、というところまで徹底的にやった結果です。僕は、ちょっと頭がおかしいのでそこまでやってますよ(笑)

中国ではセクシーミラーはiPadで10位以内のところにいて定番アプリになっています、「性感魔鏡」という名前じゃなかったらうまくいかなかったと思いますね。実際に中国人に聞くと「名前に惹かれる」と言われます。

その他のアジア圏ではどうでしょうか?

最初は欧米でヒットしましたが、総合的には中華圏でのダウンロードが多いんです。
中国語(簡体字)をつかう中国メインランドが一番多くて、次は台湾。

韓国は(iOSアプリでしかだしていないということもあり)全然ダメですね。
DL自体はされているけど、韓国はサムスン帝国なのでAndroidがメイン。

あと、意外にも韓国ユーザーの課金額は中国並みに低い結果だったので、今後はローカライズしない方針です。中国語に関しては、しっかりローカライズするべきだと考えています。

「自撮り」の文化は国ごとに違いますか?

「美肌」は世界共通なのですが「デカ目」は日本だけです。「日本のかわいい」はロリ文化というか、アニメキャラのような幼児性を強く含んでいます。「目がデカいのがかわいい」という日本人特有の思い込みはあるでしょうね。欧米系の人から見ると気持ち悪く感じるようです。

一方で美肌は世界共通で、美肌のニーズはおそろしいくらいに強烈です。
「キレイにとりたい、美しく見せたい」というのは女性の本能なのでしょうね。

日本人はやっぱり最強?課金やマネタイズについて

アプリ内課金で一番売れているのは?

アプリ内課金で一番売れているのはロゴを消すアイテム(300円)です。
最初からそれは狙っていました、欲望の通り道に貯金箱置いているくらいのイメージですよ。

無料ユーザーからも「ロゴ外させろ」とクレームがきます。ただ無料ユーザーには宣伝してもらわないといけないので。一方で「広告を課金してまでして外す」というニーズはそこまでないみたいです、広告なんてあっても別に構わないと。

売上的には、外カメラが使えるようになったりフィルターがセットのスペシャルパック(600円)がメインです。

(補足:課金なしだと写真の右下に「Sexy Mirror」のロゴが入る。やはりロゴを消したいというニーズは強いようだ。)

その他、日本と海外ユーザーで特徴が出ているところはありますか?

興味深いのは課金の仕方ですね。日本人は「お得なパックを1つ買って終わり」という堅実な買い方をする。中国人、アメリカ人、アラブ人の富裕層はお金を全然気にせず全部買う人がいる。

中国語の先生に「アイテムの値段どう思う?」と聞いたら、「一般的な中国人の女の子には高すぎる、でも富裕層には安すぎるからどうせなら2万円くらいにしろ」と言われた(笑)

それくらい金銭感覚は二極化が進んでいて、全部のアイテム買うと今2,000円くらいですが、全解除の5,000円パックとかあったほうが結果的には儲かるのかもしれません。2,000円というと中国人の子の1日のアルバイト代よりも高いくらいなので、ちょっと高すぎる。中国人は見栄っ張りなので高い物が売れるというのはあるみたい。

それよりも広告モデルの方が儲かるので、今後はリワード広告を入れて「動画広告をみたらフィルター1こあげる」みたいな感じにもっていこうと考えていて、それを見越して今はあえて課金アイテムをたくさん置いています。

結局広告のほうが儲かりますね、今は1ダウンロードあたりの収益が、アプリ内課金1.5円に対して広告収益は5円なのでそういう時代なのかなと。セクシーミラーのユーザー層が若い女の子というのもあるが、課金ユーザーの率がここまで低いとは思わなかったです。

海外ではアドネットワークは現地のサービスを使うと良い?

思ったより微妙。
CPMとかみるとAdMobでいいんじゃないという感じ。

課金額で言うと日本人はやっぱりお金を使いますか?

日本人と中国人を比べると中国人は10倍課金しないです、断トツで日本人は課金します。やはり課金アイテムを買うのは先進国です。意外に高いのがロシアとかメキシコとかの発展途上国、理由は「金持ちしかiPhoneを持っていない」から。

あと、意外にレビューの内容を見ても南米ユーザーのほうが知的レベルが高い。日本のレビューは「盛れる!盛れる!」みたいな知的レベルで、中国も「金持ちしかiPhone持たない」と言うけど意外に似たような感じ。あと日本人は悪口を言う人が多いのも特徴ですかね。

セクシーミラーはレビュー評価高いですね?

レビューの評価めちゃくちゃ良いでしょ。
ただ昔はすごいひどかったんです。

これに関しては「レビューを書いてくれたら100円のフィルターを1個あげる」という風にしたら、もうガラっと変わりましたね。結果的に、完璧にコントロールできるようになりました。

星1のレビューをつけてもアイテムはもらえる訳ですけど、良い評価ばかりつくようになった。これは、日本人だけじゃなくて世界共通でしたが、「たった100円で人間は態度が変わるんだな」というのがわかりました。それと、やっぱりユーザーは受動的なので自分からはレビュー書かないんですよね。

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ここまで情熱そそげるのは「好きだから」が大きいですか?

そうですね。最終的には勝ち残れるという確信と、アプリへの情熱や愛があれば勝てると思っているので、だから拡張も改良もし続けるし、過去のモノもあっさり壊す。

ある意味何かの分野で「究極」というもの、「究極にかんたん・使いやすいアプリ」が最後にのこるとおもう。死ぬ時に後悔ないように生きようと思っているので後悔ない作品というのをつくろうと、そういう勢いでやっています。

その他、いろいろ聞いてみた。

大塚さん(個人開発者の立場)から見て、今のアプリの業界の状況はどうですか?

数年くらい前ならもっと楽だったと思いますよね。いま正直クソみたいなコピーソーシャルゲームがたくさんあって、上位はリワードでお金の世界。ぼくはそれに未来はなくて、最終的には本物が勝つだろうと思っています。

そういうので成功している人もいるとおもうけど、
作品として愛せるアプリが最後は儲かるとおもっています。

アプリ開発をこれまでやってきて感じたことは?

昔は「良いものつくれば売れる」とおもってたんですけど、それはダメですね。プロモーションやマーケティングが分かっていないと、アプリを知られることさえないというのがつくづくわかった、そこが最大の山ですよね。ただ、最後に残るのは本物だと思うので、良いものをつくろうと。

広告マネタイズについても最初は何も知らなかったんです、マネタイズはゲームの開発者に話を聞いて勉強になりましたね、「どこのアドネットワークが良い」とかも。横のつながりって重要だなと思いました。

まったく0から「世界に向けてアプリで成功したい」という人がいたとしてアドバイスするとしたら?

「あきらめるな」ですかね、あきらめたら終わり。

やっぱり国ごとに傾向とか感覚が違うので、いろんな国にでかけて国を見て、人とつきあってというのはすごい重要だと思います、僕は旅行が好きでいろんな国にでかけていて、その経験がアプリにも活きている。

セクシーミラーも日本人がつくっているアプリと思われないですよ、アイコンも日本ぽくないですし。「さすが海外のアプリ」とか書かれることもあります(笑)

日本の市場だけしか頭に無い人が多いとおもうのですが、どう感じますか?

それに関してはそう思いますね。
ローカライズをちゃんとしてない人はいっぱいいる。

ただ、柵の中に居たらその外側を認識することは難しいですよ、世界をみたことがなければわからない。それはしょうがないこと。日本のアプリ市場は特殊で日本だけでも食っていける規模があるので、それはそれでいいと思いますけど、ぼくは日本だけというのは、最初から考えていないですね。

地球の裏側からレビューを書いてくれたり、
南米やアフリカの知らない国で使ってくれたら嬉しいじゃないですか。

その他、何か告知などがありましたらぜひ。

メガネやマスクを売りたい会社さんがいたらコラボしたいです。実は今、セクシーミラーでメガネをつけると、アプリ上で値段がでてきて買えるというようなことを意識して育てています。メガネ試着して「これ良い!」って思った時に買えるようにしたい。

iPhone6とかが出たらもっとヌルヌル動くはずだし、現実的に「自撮りアプリで物が売れる」というマーケティングが可能になると思う。物販はAppleのアカウント上では出来ないので、通販ページに飛ぶようにしないといけないけど、できるだけ最短な手順で買えるようにしたい。

未来のネットでの物販は、WEBよりもアプリになっていくとおもいますし、
アフィリエイトでの提携かメガネメーカーとコラボでみたいなことをやってみたいです。

(イメージ写真:メガネやマスクをつけてみて気に入ったら買える。)

今後は、次回作つくるよりもセクシーミラーを育てていく予定ですか?

セクシーミラーを育てつつも新しいアプリもつくりたいですね、
セクシーミラーにユーザーを誘導するための、機能特化のカメラアプリもつくりたいと考えています。

アイディアはたくさんあります、動画系も面白いですよね。顔認識を応用して、動画とると目線が指名手配みたいに隠れて犯罪ビデオ風な動画をつくれるみたいなアプリとかつくりたいですね。

取材協力:セクシーミラー 大塚崇さん

おわりに-編集後記-

貴重なお話ありがとうございました、
中国人の女性をナンパしてローカライズ実行など、良い意味でぶっ飛んでいる方でした。

日本語に翻訳されてはいるけれど日本人から見ると違和感の塊のようになっている海外製のアプリが多くあるように、ただ翻訳しただけでローカライズが完了するという認識は甘いのでしょうね。

家にひきこもりながらでもPC1台あればグローバル展開できるというのは、本当にアプリビジネスの特権だと感じますし、すごくチャレンジしがいのある世界だなとつくづく実感しました。

大塚さんはブログも書いていて、以下の記事などはとても面白いのでオススメです。
セクシーミラー50万ダウンロード達成!分析と開発秘話
アメリカのアプリビジネスの話

今後もおもしろい個人アプリ開発者さんがいらっしゃったら積極的にインタビューしていきたいです、
それではまた次回まで、さようなら!

半年で1,000件のレビュー獲得!エキサイトニュースアプリ施策の秘密は「ヘビーユーザーからの口コミ収集」-エキサイトインタビュー後編

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本日はエキサイトさんのインタビュー記事後編をお送りします。

インタビュー後編では、
主に以下の2つのアプリについてのお話を聞いてきました。

・WEBでもおなじみ「エキサイトニュース」のアプリの裏側
・実は50万ダウンロード突破しているヨガアプリ「寝たまんまヨガ」

「エキサイトニュース」がAppStoreのレビューを半年で1000件以上獲得した施策、ニッチなヨガアプリが継続的にダウンロードされている理由など、興味深い話が盛りだくさんです。

取材協力いただいた、エキサイトでアプリ事業を行っているメンバーのみなさん。
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(※左から池村さん、岡田さん、小島さん、永田さん)

それでは以下インタビュー内容をお送りします。

エキサイトニュースについて

エキサイトニュースのアプリは現在はどのような状況でしょうか?

池村:
ダウンロード数でいうとiOSだけで50万DLを超えています。(iOS/Android)
DAUは8~9万、MAUで18~19万という状況です。(iPadの比率は、14~15%)

現在はiOS中心なのですが、次回Android版をリニューアルするので、
同じような数字にもっていきたいと思っています。

エキサイトニュースは最初のバージョンを2011年11月にリリースして以降、
プロモーションをかけて伸ばしてきたわけではなく、

小さい改良を重ねていきつつiOS 6や7への対応をいち早く行ったり、iPhone 5のリリースにあわせて4インチ対応にアップデートして、App Storeにうまく取り上げられていくという形でユーザーを増やし続けて来ました。

excitenews_ss

特にタブレット版には力を入れていて、
iPadのニュースアプリでは一番使いやすいアプリにはなっていると思います。

去年末くらいからは、Facebook ADやiAdなどでユーザーを獲得しつつ、収益性を高めていく施策もはじめているという状況です。AdWordsへの出稿も2月から開始しています。

Facebook Adは30~50代で多く取れましたね、CPIも¥250程度でした。(詳細はブログ参照)

iAdに関しても、デベロッパーから直接出稿できるようになったので、かなり重宝しています。
iAdはCPIを低くユーザ獲得ができています、非常にパフォーマンスが良いです。

タブレットとスマホでの仕様の違いは?

池村:
基本、タブレットは画面が大きいので、
1記事1記事が見やすく、どこからでも記事にとべるようにしています。

腕を動かすというよりは指を動かして操作できるようにしていて、
親指や人差し指を使って片手で操作できるのが売り。

その他の特徴としては、オフラインでも読めることと、最初にアプリを立ち上げたときに数秒ローディングするのではなく、最初の画面をとりあえず見せて、次のリストを見る前にローディングしておくという仕組みにしています。(※但し、実験中なので一部のみ)

岡田:
App Storeの「Best of 2013 今年のベスト」(ニュースカテゴリ)にもiPhoneとiPad両方で選ばれました。端末やプラットフォーム側のバージョンアップ(4インチ対応とか、iOS 7とか)にはすぐに対応するように努力してます。

Best of 2013に選ばれたときはユーザーは伸びましたか?

池村:
期待していましたがそこまでではありませんでした。ただ、数あるニュースAppの中で選ばれたことは光栄に思います。(全社員に向けて、一斉メールで報告しました)

マネタイズはバナー広告のみでしょうか?

池村:
マネタイズはバナー広告と記事広告、基本その2つです。記事広告にも二種類あって、一つはエキサイトに直接出稿してもらう「純広告」型、もう一つは「CPI型」です。

CPI型の記事広告は8クロップスさんと連携していて、8クロップスさんのadcropsに出稿しているアプリの中から、エキサイトニュースと相性の良いアプリを選んでレビュー記事をかいています。(記事広告が入っている時は)エキサイトニュースアプリの「超注目」というカテゴリの3番目くらいにでます。

岡田:
最近ヒットした記事広告は1記事で4,000DLされたこともある。
当然アプリによって数百~数千DLと差はでてきますが。

アプリでニュースを読んでいるユーザー層なので、ゲームはそれほど相性は良くないですが、特にツール系アプリの広告効果が高いです。ユーザーにとって価値のある情報になっているかを意識して紹介するアプリを選んでます。

池村:
記事広告に関しては、
CTR(クリック率)やCVR(インストール率)もかなり高めになっている。

4,000DLあった記事はCVRで50%以上はでています。
記事広告だと40~60%くらいはCVRが出ている状況です。

つまり記事中のリンクをふんでApp Storeにとぶと40~60%の人がアプリをダウンロードしてくれるということです。

記事自体が読まれた数(PCでいうPV)でいうと記事によってマックス3万PV、平均で9000~1万PVくらい。CTRも30~40%くらいはでていますね。記事自体の掲載は基本24時間にしているので、これらは1日の数値です。

excitenews_kijikoukoku

記事広告を出したい場合は?

池村:
8クロップス(adcrops)にCPI広告を出稿するか、もしくはエキサイトで直接純広告をだすかですね。
ツール系アプリだったらかなり相性良いのでおすすめです。

バナー広告のほうの収益額はどうでしょうか?

岡田:
バナーはけっこう大きいですよ。YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)を入れているのですが、広告単価も高くて収益性は高いです。

ニュース系媒体との相性が良いということもあると思いますが、
普通のバナー広告と比べてCPMで2~3倍はでているとおもいます、YDNはオススメですね。

半年で1000件増加のレビュー獲得施策とは…。

その他、うまくいった施策などはありますか?

岡田:
レビューを増やすための施策でうまくいった施策があります。

App Storeのレビューが現在は全部で1500件くらいあるのですが、半年くらい前までは、当時デイリーで7~8万のユーザーが使っていたのに、レビューがたったの100件しかなくて、かつあんまり良い内容ではなかった。

何を行ったかというと、毎日使ってくれるユーザーの声をどうやって可視化できるかを考えて、
レビュー依頼ダイアログをヘビーユーザーにだけでるように調整しました。

すぐアンインストールする人の声よりは、
一定の利用頻度が有る人のレビューが欲しいですよね。

レビュー依頼ダイアログのパターンに関しても、何パターンも試して最適化したところ、
数ヶ月で1,000件以上のレビューを書いてもらうことに成功しました。

Googleアナリティクスで見ていたデータ上では、アプリを気に入ってくれているヘビーユーザーがいることは明確だったので、ヘビーユーザーをうまく狙ってダイアログを出したところ、レビューの評価もほとんど星4か5と、結果的に、満足して使ってくれているユーザーの声をレビューとして可視化することに成功しました。

レビューが良くなれば、App StoreやGoogle Playでの印象も良くなりますし、
良いサイクルに入り始めているように感じます。

レビュー依頼のポップアップのコツは?

池村:
いまは20回起動すると1回ダイアログが出る確率にしています。「レビューする」「あとで」「結構です」という3択にしていて、「あとで」を押すとまた10回に1回でてくる、「結構です」を押すともう出てこない。

文言も割とスタンダードなものに落ち着いていますよ、
「使い心地いかがですか?」みたいな感じです。

最新ver(2.4.0)では、20記事を読むと1回「お友達におススメしてくれませんか?」というダイアログを出しています。だいたい2週間に1回の頻度です。

ここまで使って頂けるということは、きっと満足度の高いユーザーですので、友達にもすすめやすくなると思い実装しています。これも、一度おススメして頂くと、もう出ないようになっています。※休眠ユーザー(ほとんどアプリを立ち上げないユーザー)に対しても「最新ニュースが届いてますよ」というプッシュ通知を出すようにもしています。

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そのほか、レビュー関連で工夫していることはありますか?

岡田:
App StoreやGoogle Playでついた新規レビューが、毎日チーム全員にメールで送られてくるという仕組み(自動ツール)を社内でつくっています。ユーザーの声をそれで常に拾っていますね。「ありがとう」という星5のレビューがつく時なんかは天にも昇る気持ちです。

これは守りの意味でも有効なんです。
例えば、星1レビューがつくケースは「落ちる」というのが多いですから、不具合が起きている時にすぐに気づくことができます。

最近はクラッシュした原因を分析できるツールもいれて、ユーザーがどういう理由でクラッシュしたかを分析してアップデートのときに改善するサイクルをつくっています。

通常のASOも大事ですけど、アプリ自体が安定していることも大事じゃないですか、
そこを徹底しているところですね。

アップデートをYouTube動画をつかって告知しているそうですね?

池村:
はい、既存ユーザー向けの動画をアップしています。設定のところに「お知らせ」があってそこにアップデート内容を通知していて、通知をすると、2,5000人くらいが気付いて見てくれています。

ネット回線も早くなってきていてYouTube動画の活用はもう当たり前になって来ていると思うので、
今後も、動画はうまくつかっていきたいですね。

チュートリアルを文章で読むのは煩わしいという人も多いとおもうので、
そうしたところでも、動画を活用していくのはアリかもしれません。

驚異的なクチコミ力!効果絶賛の声で広がり続ける音ヨガアプリ「寝たまんまヨガ」

「寝たまんまヨガ」とは、どのようなアプリですか?

岡田:
「スタジオ・ヨギー」というヨガスタジオさんとのコラボでつくったコンテンツで、元々CDとして発売していたものをアプリ化したものです。ダウンロード数はiOSとAndroid合わせて50万DLを突破しています。(iOS/Android)

yoga_ss

50万DLもいっているのですね、どのようにDLを増やしてきたのでしょうか?

岡田:
例えば、「寝たまんまヨガ」はAppStoreの「アフターワークにチェックしたいApp」という特集にはいっています、ライフスタイル系でずっとしつこくやっている会社は多くないので、そうした特集で選ばれやすいというのはあります。

池村:
メディアで取り上げられることも多いですね。
特にこのアプリは「雑誌でとりあげさせてください」という依頼が本当に多い。

スマホポリスという番組で芹那さんが紹介してくださっていたり、高橋あいさんがブログで愛用していますって書いてくださってたり、ムック本で知らないうちに紹介していただいていたり。

なので次期アップデートでは「友だちにすすめてみませんか?」ダイアログを実装する予定です。

岡田:
普通、アプリってリリースしたらどーんとDLが伸びて、
それでおしまいというものが多いじゃないですか。

このアプリはApp Storeのヘルスケアカテゴリで25位前後を2年間くらい継続していて、不思議なくらいずっと同じ場所に居ます。

毎月1万〜3万DLというのが22ヶ月継続しているんです。最近ダウンロード数がまた伸びていて、1月は2.5万DLを超えました。※ちなみに、ノンプロモーションです。

ユーザーのレビュー評価も非常に高いようですが。

岡田:
評価めちゃくちゃ良いんですよ。
全体の8割が星4と星5で、毎日3件くらいレビューが増えていっています。

池村:
面白いものだと「良く寝れて就活きまりました」というレビューもあります。
ヨガのおかげかどうかわからないですけど。笑

あと「うつ病がなおったような気がします」というレビューがあったり、
こちらで意図していないところで力を発揮している。

岡田:
「寝付きが良くなって朝起きた時にすっきりする」という声は多いですね。

あくまで「ヨガの呼吸なり瞑想なりでリラックスしてもらう」というメリットでうちだしているのですが、ユーザーがクチコミでそのようなことを書いてくれています。高い評価のレビューを見るとやっていて幸せだなと思いますね。

yoga_review

他にはこのアプリならではの情報などはありますか?

岡田:
他はユーザーの声をApp Storeの説明文にも活用しています。よくユーザーがレビューに書くキーワードで「寝落ちする」というワードがあって、逆にそれをキャッチコピーとして採用しました。

あとユーザーで意外と多いのが若い女の子で、ツイッターで検索すると友だちにつぶやいてくれている。「@xxxxx このアプリやってみ」みたいな。

アイコンがだいたいプリクラで、フォロワー数とフォロー数の関係が30前後くらいで
リアルな友だちとツイッターでコミュニケーションしている子たちの間で広まっているようです。

ビジネスモデルはフリーミアムモデルですよね?

池村:
はい、基本的には無料ダウンロードで追加コンテンツは有料になっています、
割合的には、無料ユーザーが70%、課金ユーザーは30%くらいです。

4つの課金アイテムがありますが、全部買う人もいる?

池村:
基本的に無料でつかって、
効果があって気に入れば100円だけ課金するという人が多いですね

課金アイテムを4つ(100円のものが1つ、400円が3つ)用意していて、
アプリ自体の無料ダウンロード数は50万ですが、有料アイテムの累計の販売数は35,000個を超えています。

yoga_menu

ヨガというとかなりニッチだと思っていましたが、ここまでDLが伸びているのはびっくりです。

岡田:
そうですね、我々も予想外の部分は多く有ります。
IT系の人が注目していないけど広がっているアプリって結構あると思いますね。

人間として根本的な欲求である「眠り」に関するアプリは、
年間でApp Storeのランキングみていても毎年定番で入ってきている、それも世界共通で。

そこを解決するアプリでヒットしているアプリは結構あると思いますね、
健康・睡眠アプリはニーズとしては根強いです。

アプリでビジネスを展開したい会社がエキサイトさんに相談するのはあり?

岡田:
ぜんぜん歓迎ですね、議論するだけでもいいですし声かけてもらえると嬉しいですね。基本的に情報もオープンにだしています。ビジネスのかたちとしては受託はやっていないので、協業モデルで取り組める形がベストです。

まだまだスマホ・タブレットはこれからだと思うので、
業界全体を盛り上げていきたいですね。

今後注目しているジャンルとかはありますか?

永田:
あんまりテキストに依存しないサービス、
例えば動画系サービスとかに挑戦してみたいですね。

岡田:
他社さんのアプリで注目しているのはツイキャスとかアンサーとかですね。
つかっているユーザーの世界がおもしろい。

アンサーだとQ&Aサービスとはいえ「いまひまー」みたいな質問がメインじゃないですか。
特に答えは見つかっていないけど、誰かと触れあうことを求めているみたいな。

不思議な世界でおもしろいなと、ツイキャスも深夜帯の時間になってくるほどほんとにおもしろい世界がありますね。今後「動画×何か」は大きいジャンルになってくるとおもいます。

エキサイトニュース(iOS/Android)
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寝たまんまヨガ(iOS/Android)
netamanmayoga_icon

取材協力:エキサイト株式会社

おわりに-編集後記

貴重なお話ありがとうございました。

エキサイトニュースのレビュー獲得施策は勉強になりました、
確かにヘビーユーザーからのレビューをうまく集められれば良質な声を中心に拾えそうです。
これは他のいろんなアプリでも応用ができるはずです。

また「寝たまんまヨガ」は派手さはないものの、
堅実にダウンロードを集め続けて50万DLというところで、非常に興味深いと感じました。

実は、お話を伺う前に「寝たまんまヨガ」のAppStoreのレビューを見たときは、失礼ながら「サクラじゃないの・・?」と思ったくらいで。笑
本当に見たことがないようなレベルでユーザー評価が高いアプリです。

実際にヤフーのリアルタイム検索でツイッターやFacebookの口コミを見ても、かなりの良クチコミが発生していることがわかります。こういう広がり方もあるんですね、、参考にしたいです。

あと一見「ヨガアプリ」というと興味がわかない人も多いと思います、
一方で「リラックスできて寝落ちが出来るアプリ」と聞くと興味を持つ人も多いと思うので、こういうところのキャッチコピー・価値の見せ方という部分も大事なのだろうなと思わされました。

インタビュー前篇はこちらからどうぞ。
アプリで配信しても紙の部数は減らない?「週刊Dモーニング」が挑戦するスマホ時代の漫画雑誌

ブーストの時代はおしまい?Google社員が教えるデータマーケティング -リマーケティングで休眠ユーザー復活の巻-

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アプリのマーケティングの課題のひとつに、
「優良顧客の獲得」という課題があります。

カバンを売っているお店があったとします。
Aさん)1,000円のカバンを年に1回しか買わないユーザー
Bさん)10,000円のカバンを年に3回買ってくれるユーザー

同じユーザーでも実はAとBのユーザーの価値は30倍違います。(あくまで数字上の話)

例えば、この場合Bのお客さんにだけ絞って、
新商品案内のチラシを送ることが出来れば効率が良いはずです。

アプリの世界でもたくさん課金してくれている良質なユーザーにこそ、
自社の新作アプリを積極的にアピールしたいところですが、これが難しい。

今回は、GoogleのAdWordsの新機能としてリリースされた、
コンバージョントラッキングとリマーケティングを組み合わせた、
効率的なプロモーション方法についてGoogleに取材を行いました。

GoogleAdWordsを使って、効率的なプロモーションが行えるようになったとのことですが概要を教えていただけますか?

AdWordsのコンバージョントラッキング(成果を測定する機能)がバージョンアップして、
アプリのダウンロード地点だけではなくて、例えばチュートリアル完了、課金などの地点での計測ができるようになりました。

つまり、最近あまりアプリを立ち上げていないユーザーのリストや課金ユーザーのリストを、
リマーケティングと組み合わせることで、効率の良いプロモーションが可能になる
ということです。

会社さんによっては、
「質の良いユーザーが獲得できれば、広告費はいくらかけても良い」というケースがありますが、
「それでは質の良いユーザーをどうやって獲得したらいいのか?」
ということが今までは分からなかった。

これまではわかりやすく「CPI」(1インストールあたりのコスト)という数字に落とし込むのが一般的でしたが、個人を特定しない形で、ユーザーがどのくらいの金額を使ったのかを、把握できるようになったことが最大の強みです。

どの広告クリエイティブからユーザーが獲得出来ているかや、
どの配信先アプリ面から流入しアイテム購入を行ったか等を管理画面上で確認することが出来ます。

たとえば、
「Aというアプリにだした広告からきているユーザーの課金額はこのくらいです。」
「Bというアプリにだした広告からきているユーザーの課金額はこのくらいです。」
というデータがたまっていくということです。

AdWordsの管理画面のデモ画像
inappconversion_demo

AdWordsを知らない方も多いと思うので、Google AdWordsについても簡単にご説明いただけますか?

AdWordsはGoogleが提供している広告サービスです。
AdWordsというと、Googleの検索連動型広告 (リスティング広告)を思い浮かべる方も多いと思いますが、

他にもディスプレイ型広告やYouTube の動画広告などがあります。
特にアプリのプロモーションにおいてはディスプレイ広告がメインの施策となる場合が多いです。

※補足:ディスプレイ広告とはよく知っているコレ
displayad_images

AdWordsはAdmob 枠と連携しているため、
Admobを導入している全メディアに広告を配信することができます。

そして例えば、

・端末(デバイス)
・OSのバージョン
・アプリの広告面単位
・年齢
・性別
・時間帯
・地域

など細かい条件でユーザーを絞って、
広告を出稿することもできます。

課金体系はクリック課金で、最低出稿金額等はありません。

(※補足:
AdWordsを使えば「iOSの30歳の東京の女性ユーザーに訴求したい!」というような、
細かい条件で広告が配信できるということですね。)

先ほど説明に出てきた「リマーケティング」とは何かをご説明お願いできますか?

リマーケティングとは、アプリの場合、アプリをインストールしてくれる「新規ユーザーの獲得」ではなくて、既存ユーザーや一度遊んでくれたけど今は離れてしまっているユーザーへのマーケティングです。

例えばゲームであれば「アプリを再度遊んでもらう」ことを訴求したり、
何かを販売するアプリであったら「別商品の購入を促す」、
このような形のマーケティングをリマーケティングと言います。

(※補足:リマーケティングって何?
アプリを1度DLしたけどその後起動していなユーザーや、アプリを1度DLしたけど別のゲームを遊び始んでいるユーザーに広告を訴求するなど。)
remarketing_image

今回のコンバージョントラッキングの機能を使うと、どのようなリマーケティング施策が可能になるのでしょうか?

例えばこんなリマーケティングの施策が可能になります。

『課金したユーザーにのみ、新作タイトルを優先して宣伝する。』

『ゲームアプリAをダウンロードしたが、その後7日間休眠してしまっているユーザーに、「ステージ追加」などバージョンアップのお知らせの広告を流す。』

などです。

実際に休眠ユーザーを効率的に復活させた、
リマーケティングの事例を紹介したいと思います。

ぜひお願いします、事例を詳しくおしえていただけますか?

シリコンスタジオさんの「MONSTER TAKT」というアプリの事例なのですが、
リマーケティング機能を活用しアプリから離れてしまったユーザー(休眠ユーザー)の呼び戻しに成功しました。

補足:「MONSTER TAKT」は主人公がモンスターを操り、敵と戦うシミュレーション RPG。
monstertact_ss

当初はアプリのリリース直後よりGoogle AdWordsを活用して、
新規ユーザーの獲得を進めていたのですが、

新規ユーザーの獲得には順調な一方で、
アプリから離れてしまうユーザー(休眠ユーザー)が増加してしまっていました。

そこで、リマーケティングを活用して施策を行ったのです。

まず「ユーザーが休眠してしまった理由」について、
以下の3つの可能性があるのではと仮説を立てました。

仮説1)ゲーム内通貨の配布が十分ではなかった。
仮説2)ゲームのステージ追加が遅かった。
仮説3)モンスターの追加が足りていなかった。

この3つの仮説にあわせて広告バナーを作成し、
休眠ユーザー向けにリマーケティング広告を実施しました。

monstertact_banner
(左上が仮説1に対するバナー[訴求内容:コインあげます!]、右上が仮説2に対するバナー[訴求内容:ステージ追加したよ!]、左下が仮説3に対するバナー[訴求内容:モンスター増やしたよ!])

この方法で、結果的に多くの休眠ユーザーを、
アプリへ復帰させることが出来ました。

結果的に、
新規ユーザーの獲得時に比べてクリック率は3~4倍、コンバージョン率は2~3倍となりました。

(※補足:この事例でのリマーケティング時のコンバージョン率の成果地点は、
アプリをアンインストールしたユーザー    ⇒アプリの再インストール)

つまりまったくの新規ユーザーを獲得するよりも、一度興味を持ってくれたユーザーに「もう一回遊んでみない?」という訴求をするほうが獲得効率が良かったということですよね。

はい、この事例では、
広告の内容については「コイン配布」を訴求するバナーが一番効果が高く、
特に休眠期間が2週間以内のユーザーは復帰率が高いということも確認できました。

「MONSTER TAKT」と同じ休眠顧客のリマーケティング施策を実施したい場合、実際の作業は何をやればいいのでしょうか?

Adowordsのアカウント開設(https://adwords.google.co.jp/‎)と、
広告出稿の手続きは必要です。

その上で技術的な作業としては、
・コンバージョン計測用のSDKの実装。(※設定次第でリマーケティングリストの作成も可能)
または
・リマーケティング単体のSDKの実装。
が必要です。

ヘルプページは以下に用意してあります。
Conversion Tracking for iOS(※英語のみ)
Conversion Tracking for Android(※英語のみ)
リマーケティングリストを作成する

AdWordsを試してみたいけどちょっと難しくてやり方がわからない・・・という場合はどうしたらいいですか?

まずはヘルプページを参考にしていただき、
もしわからなければサポートダイヤルまで連絡いただければ、サポート担当が電話で対応いたします。

AdWordsに出稿した時に効果が高いというか、相性の良いアプリのジャンルはありますか?

特にカジュアルゲームやツールといった、
広範囲のユーザーに利用されるアプリジャンルでの数字がすごく良いですね。

今後のアプリマーケティングのトレンドの予測があれば教えてください。

従来のアプリのプロモーションは、新規ユーザー獲得に非常に大きなウェイトが置かれていました。
これには色々な理由がありますが、大きなところでは技術的な問題があると考えています。

要するに、アプリのマーケティングで注力されてきた「新規ユーザー獲得」は、
ウェブマーケティングで置き換えると「サイトへの誘導」ですよね。

しかし、本来ならばその先のユーザーによる購買行動やどのポイントで脱落したか等の分析を行って始めてビジネス拡大に寄与すると思います。

アプリでは、ウェブほどには従来は分析が進んでいなかったので、
手探りのプロモーションになってしまっていたと。

リマーケティングもそうですが、
各ユーザー層に対して仮説ベースではなく、
データを元にしたマーケティングが増えてくると感じます。

今後はCPIからの脱却というか、
本質的なマーケティングをきっちりしていきましょうというのがメッセージです。

取材協力:Google株式会社

おわりに

いかがでしたでしょうか?
イメージがわきにくい部分もあったかもしれません。

でも単純に考えて、まったくそのゲームのことを知らない新規ユーザーの獲得よりも、
一度ダウンロードしたけど何かしら理由で離脱してしまったユーザーを呼び戻したほうが、
2~3倍獲得コスト効率が良かったというのは、納得できる話ですよね。

リマーケティングやコンバージョントラッキングというと難しく聞こえるかもしれませんが、
本当に自社にとって価値のあるユーザーを効率よく獲得していきましょうというのが今後大事になってくると。

けっこう通販サイトとかだと、リマーケティングつかっているところが多いのですが、
やっぱりコスト効率は新規獲得よりも数倍良いっていう事例は割と当たり前にあります。
(楽天で商品見てると、追跡されて広告めっちゃ出てきません?つまりアレです)

2014年以降は本質的なマーケティング施策がより重要になり、
マーケティングを行うインフラが整ってくることで、

ブーストドーンッッ!
ランキング上位で自然ユーザー、ガサーッッ!

が段々厳しくなっていって、
データを読み解く力、仮説をたてて検証を繰り返す力などが必要になってくる、
そういう力のある会社が、今後大きなアドバンテージを取っていくのだと感じました。

数1,000万円でアプリの売却に成功!アプリM&Aが成立するまでの半年間の記録。Adtickerアプリセミナー

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2/21に東京(初台)で開催された、サムライ・インターナショナル株式会社主催のセミナー「究極のマネタイズ!?アプリの事業売却方法とグロースハック!」の参加レポート(その1)をお送りします。

本記事では、サムライ・インターナショナルさんが、
実際にアプリを売却したときの方法・流れ・必要事項などをまとめています。

今後、おそらく増えてくるであろうアプリのM&A、
アプリの売却を考えている人は、全体の流れを見ておくと参考になると思います。

samurai_seminar201402

「究極のマネタイズ!自社アプリの事業売却事例」 サムライ・インターナショナル代表 岡田さん、ブルームキャピタル代表 宮崎さん

サムライインターナショナル株式会社について

岡田:
サムライインターナショナル株式会社の事業内容は3つ、
メディア事業は今アプリが累計400万ダウンロード以上。
あとはコンサル事業、アドネットワーク事業(アドティッカー)を提供しています。

アプリの事業売却の背景

岡田:
2013年12月にアプリ(複数まとめて)を売却しました。
価格は守秘義務があって言えませんが、マンションが買えるくらいの価格で売ることができました。だいたいVC(ベンチャーキャピタル)から資金調達するくらいの価格のイメージです。

アプリの売却事例はいくつかあって、3年ぐらい前に「ショッピッ!」というバーコードで価格を検索するアプリ、最近だと「写真袋」というアプリが売却されています。

売却のオファーの種類は2つ。※今回は営業型。
1、スカウト型「相手が御社の事業を買いたいんだけど」と言ってくるパターン。
2、営業型「こちらから当社の事業買いませんか」とオファーするパターン。

売却方法についても2つ。※今回は事業売却。
1、企業売却「会社の株を売って会社ごと売る」というパターン。
2、事業売却「会社は売らずに、会社内の1つの事業を売る」というパターン。

事業売却をした理由は、アドネットワーク事業(広告事業)をやりたくて、そのためにお金が必要だったため。ただ、資金調達はタイミング的に行いたくなかった。それは、既存のアプリを売却した資金で、アドネットワーク事業を大きく伸ばした後に資金調達をするという計画を立てていました。

アプリM&A、8つのステップ

岡田:
アプリM&Aの大まかな手順はこの8つのステップです。

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ステップ1:M&Aのアドバイザー契約

M&Aのアドバイザー契約を行いました。当社はノボットの小林さんからご紹介をいただき、株式会社ブルームキャピタルの宮崎さんに依頼しました。フィー(売却成約時の手数料)の条件交渉をして契約締結しました。

「誰が」このアドバイザーを担当してくれるかが成功を大きく左右するとおもいます。どの程度本気で仕事をしてくれるか、そして今回はアプリというIT事業の売却でしたので、その業界に強いか。その意味ではブルームキャピタルの宮崎さんにお願いして正解でした。フィーは決して安いものではありませんでしたが、それ以上の価値を得たという実感です。

ステップ2:売価の査定

「セルサイド・デューデリジェンス」と「価格算定」を行います。
要はアプリを売却するために、自社事業の理解を行った上で「売値を決める・査定をする」ということです。

査定にあたっては、
PL(損益)の推移と今後の収益予測、ユーザー数の推移の資料を作って、
「売却価格としてこのぐらいだったら妥当じゃないか」と算定しました。

価格を決めるポイントは主に3つ、
(※今回は1と2の方法で価格を決めました。)

1、ユーザー獲得単価。
要はユーザー獲得単価が例えば300円ぐらいだったら、
「300円×ユーザー数」という感じでそのアプリの価値が決まる。

2、買収額を数年で回収すると考えて、
「数年間の利益がどれくらいの利益額になるか」と算出し、それを売却希望額決定の材料にする。
回収期間はサービスによって変わるかと思います。

3、人材獲得単価。
例えばグーグルとかFacebookは結構会社を買収していますが、
それは「その会社にいる技術者が欲しかったから」という意味合いもある。

ステップ3:資料の作成

主に2つの資料を作成しました。
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1つがティザー・メモランダムという5ページ程度の資料です。
これは買収先を探すときの営業時に使う資料で、ざっくり事業概要を書いて、総ユーザー数、DAU数、PL(損益)がこれぐらい、こういう風に推移しています、ということを書いている資料。会社名、サービス名、アプリ名は伏せてあります。

2つ目が、補足資料(10ページくらい)。
細かくエクセルに、ユーザー数、DAU数、PL(損益)推移、事業の課題とその解決策なども書かれた資料です。事業の魅力や、買い手が気にするであろうポイントを可能な限り入れ込んでいきます。

ステップ4:売却先探し。

「ここは買ってくれる可能性がありそうだ」と思った会社を、我々でもリストアップし当たってもらいました。ブルームキャピタルさんで保有している、IT業界以外の企業でIT事業をM&Aしたいと考えている会社のデータベースにもアプローチしてもらいました。

最終的には、ブルームキャピタルさんが見つけてきた、IT業界ではない会社が最終的な買い手になりました。

ステップ5:面談。

ステップ4で興味を示した会社と面談します。
だいたい、社長、M&A担当者、事業部長などが複数人出てきます。

事前に、M&Aアドバイザーと買い手候補の企業間で秘密保持契約を結んで、
「この会社がアプリを売却しようとしているぞ」という情報が外部に漏れないようにします。
ステップ3で作った補足資料を使ってプレゼンして、買い手に判断してもらう。

どれぐらいの確率で買収検討までいくかというと、
だいたい40社に打診して、面談が20社ぐらい決まって、検討2みたいなイメージです。

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ステップ6:条件提示。

買収候補先と自社で、価格や条件をすり合わせる、詰めの段階になります。
「このぐらいの価格でいきましょうか」と決まったら次のステップに進んで、
デューデリジェンスと面談を実施します。

ステップ7:デューデリジェンス

デューデリジェンスには3種類あります。

1つ目がビジネスデューデリジェンス、
事業の将来性を先方が分析する。先方で事業計画をつくる作業を含みます。

2つ目、財務のデューデリジェンス、
過去の収益や財務状態を調査されます。

3つ目、法務のデューデリジェンス、
契約の妥当性・正当性を見られます。

当社の場合は、1のビジネスデューデリジェンスで、さらに細かいアクティブユーザー数字、ダウンロード推移、広告収益がどこのアドネットワークでどれぐらいあがってるかという情報開示をして、チェックしていただきました。あとは、先方の弁護士と面談をして、必要書類を提出したり、質問に回答したり。

ステップ8:契約・クロージング

デューデリが終わって、
「確かにこの価格でOKです、問題ありません」となったら、最後に契約とクロージングに入ります。

契約書については、双方で弁護士をたてて譲渡契約書を作成する、
まずこちらから契約書のひな形を渡して、お互いの弁護士間ですり合わせををする。
この契約書はずっと生きるものなのでお互い慎重に作成を行います。

契約書が出来たらサインをしないといけないので、自社で臨時株主総会を開きます。通常の株式譲渡であれば取締役会決議で問題ございませんが、当社の場合「事業譲渡」でしたので、株主総会決議が必要でした。

うちは投資を受けているので、株主がNOと言ったら進められない。
事前にしっかり根回しをした上で、株主総会を行いました。

iPhoneアプリの場合、譲渡実行については、iTunesコネクトに「Transfer App」という機能があるので、これを使います。
実行すると、瞬時にそのアプリが譲渡先のアカウントに紐付きます。

そしてサーバーの譲渡も行い、
アドネットワークの広告枠についてはそのまま渡すことができないため、
先方にアドネットワークのアカウントをつくってもらう。

今回はAdmobメディエーションを使っていたので、譲渡先に新規で広告枠を取得してもらいメディエーションに登録していた広告枠IDを先方のIDに変えて、売上が先方のアカウントにつくようにしました。

これでアプリの所有権、売上も先方につくようになり、
実質的に譲渡実行がなされるといったことになります。
譲渡実行がされると売却金額が入金されます。

クロージングまでの期間については、当社の場合6ヶ月間かかりました。
実は一番最初のディールで決まりかけたのですが結局ダメになって、6ヶ月かかりました。

宮崎:
だいたい、平均で3ヶ月~半年ぐらいが売却までの相場です。
その事業がすごく有名で、かつ強い買い手がみつかった場合はすぐ決まりますし、
場合によっては2~3年かかることもある。

アプリ売却を終えてみて。

岡田:
アプリの売却を終えてみての感想的としては、
まず1つ目は売り先見つけるのが大変でした。

時間を取るのが大変だし、売却先を見つけるだけの人脈もない、自社だけだと正直無理でした。
ここはアドバイザーに頼って一番良かった部分。アドバイザーによっては、労を惜しんで多数の買い手に打診してくれないこともあるようですが、積極的に打診をいただき、大幅な時間の節約にもなりました。

あとは、売却額の妥当性のところ。「自分のアプリがいくらで売れるのか?」という値付けをするときに、「本当にその金額が妥当性なのか」が判断できなかった。

最初に、自社で「これぐらいの金額が妥当だろうな」というのをつくって宮崎さんに相談したのですが、
きちんと査定(デューデリ)した結果、当初想定していた価格を大幅に超える金額が「妥当な金額」となりました。

なので、自分たちだけで売却に成功していたとしても、今回の実際の売却金額より大幅に安い金額で売却していたかもしれません。

宮崎:
M&A交渉のシーンにおいて、
買い手と売り手が両方共プロっていうケースはほとんどなくて、
本当は折り合うはずの交渉がうまくいかない場合が多い。

例えば、姉と妹がオレンジの取り合いをしている、
お姉ちゃんはケーキ作りでオレンジの皮が欲しい、妹はそのまま食べたいからオレンジの中身が欲しい。

それにお互い気づかずにオレンジの取り合いをしてしまうけれど、
実際はうまく分ければお互いが欲しいところを手に入れられる、というケースが多い。

結局のところM&Aというのは商品取引と一緒、このものに対してこの人がいくらの価値をつけるか。

岡田:
あと独断ですが、いろんな面談を繰り返してきて、
こういった事業(会社)が売却しやすいんじゃないかというのが3つあります。

1つ目が、ゲームのヒット作を連発できるような会社を、
たぶん買いたいんだろうなという候補先がありました。

2つ目は、アクティブユーザー数の多いコミュニティは、
どんなコミュニティかにもよるんですけど、売却しやすいと感じました。

あと、ゲームの攻略系メディアとかアプリは、おそらく売却しやすい。
CtoCのeコマースとかも最近は売却しやすそうだとも思いました。

Adticker(アドティッカー)について。

岡田:
最後にAdticker(アドティッカー)の紹介です、
バナーと併用できる、アイコン+テキスト形式のアドネットワークです。

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実はアプリを売却しようとしている交渉中に、AppStoreのアルゴリズムの変動があって、
順位が下がってしまって、当初の収益状況よりも悪化してしまったタイミングがありまして、

その時に、売却しようとしていたアプリに実装していた、アドティッカーの収益が伸びていた分がカバーすることで、なんとか売却成功したという背景もあります。

通常、320×50バナーを2本つなげると広告だらけのアプリっぽくなるのですが、
アドティッカーの場合はテキストなので、そこまで広告広告しないのが特徴です。

バナーと併用してもクリック数の食い合いもなく、在庫切れもないように保証しています。
収益の実装例としては、とあるアプリの場合はだいたい1.8倍ぐらいになった実績もあります。

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取材協力:株式会社サムライインターナショナル、株式会社ブルームキャピタル

聞いてみて感想:
貴重なお話でした。自社でも出来なくはなさそうですが、人脈持ってるエージェントに依頼したほうが手間が減って良さそうです。マッチする売却先の会社を見つけられるかが結構すべてな気がします。アプリのM&Aのサイトはいくつかありますが、思いのほか売却希望のアプリ自体が少ない。そもそも売却の選択肢がまだ皆の頭にないか、それとも表に出てこないけどアプリの売却って結構あったりするのでしょうか。

2,000万円稼いだ!「49人目の少女」のNagisaが教える、本当に効果がある6大アプリ集客術。Adtickerアプリセミナー

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2/26に東京(初台)で開催された、サムライ・インターナショナル株式会社主催のセミナー「究極のマネタイズ!?アプリの事業売却方法とグロースハック!」の参加レポート(その2)をお送りします。

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本記事では株式会社Nagisaさんの講演をまとめています。
バグレポート、プッシュ通知などに使える、海外のお役立ちツール、また「49人目の少女」はどこの広告サービスからいくらくらい収益があがっているのか、具体的なeCPMなどの収益額、貴重な情報がたくさん公開されました。

「アプリグロースハックとマネタイズ!〜40万DLで2,000万円稼いだカジュアルゲームの全貌〜」 株式会社Nagisa 代表 横山佳幸さん

Nagisaについて

株式会社Nagisa(http://nagisa-inc.jp/)という会社で、
設立は3年ほど前で、今15名くらいでやっております。

一番最初に出したのはメッセージアプリのBaloonというアプリで、それは失敗に終わってしまったのですが、そこからいくつかアプリを出していて、今累計300万ダウンロードという状況です。

​​日記アプリのリブリ、写真から動画をつくるアプリのSLIDE MOVIESなどがメインで、
月間で50〜60万ダウンロード増え続けています。

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プロジェクトの役割

プロジェクトの役割としては、基本的にはディレクターは全部担当して進めていく、
デザイナーはUI/UXとマーケティング(グロースハック)を担当、
プログラマーは開発、運用、マーケティング(グロースハック)を担当しています。

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企画~デザイン・運用の進め方

企画の進め方としては、
まず1つのテーマを必ず決めて徹底的に調査とアイデア出しをしています。
国内の事例を調べたり、国内外の総合ダウンロード数規模、UI/UXの調査をしていたり。

デザインから開発運用まで、どんなツールを使って開発してるのかというと、
UI、UXについてはペーパープロトで紙に書いてつくっています。

ユーザーテストの配布はiPhoneではTest Flight、AndoroidではDeploy Gate
今はこの2つを使ってユーザーさんにテストしてもらったり社内のデバッグを行っています。

あと、Crashlyticsという公開しているアプリのバグレポートを送ってくれるサービスがありまして、
弊社の場合、一日に全アプリで数10件〜100件くらいレポートが送られてきます。

Crashlyticsのレポートが本当に便利で、プログラマーがこのレポートを見るだけで、
どんなバグで落ちているなどが分かる
ので、それを基に改善しています。

(※Crashlytics:クラッシュレポート報告サービス、無料で利用可能。square、paypalなども導入)
crashlytics

運用面ではGoogle AnalyticsとPush Wooshというサービスを使っています、
Google Analyticsはご存じのとおりアクセス・ユーザー分析で、Push Wooshは海外のプッシュ通知サービスです、プッシュ通知は眠ってしまっているユーザーをゆすり起こすという目的で使っています。

(※Push Woosh:30000以上の導入があるプッシュ通知サービス。月39ドル~)
push_woosh

Push Wooshは毎月3000円でプッシュ通知が打ち放題だし、国内外のセグメントでプッシュ通知を出し分けたり、プッシュ通知の音を変えられたり、かなり融通がきくのでオススメです。

弊社のアプリは約300万ダウンロードくらいの規模ですが、全アプリに入れて使っています。

例えば、プッシュ通知は日本国内だと10~20万円かかるサービスが多いですが、
海外に行けば本当に安いサービスがあったりと、ツールは安くて良いものを積極的に使った方がいいと感じます。

6つのマーケティング手法

最後にマーケティング、やれることは妥協せずに徹底的に全部やるみたいなところで、
本当に地べたを這うようなことをやっています。

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1、アプリのストア最適化。

これはアプリのネーミングキーワード、ディスクリプションのところ。

レビューの星の数とかそういうところも気にしながら最適化をしていて、
一見アプリに関係ないワードでも、検索すると2〜3位にくるようなワードは取り入れていたり。

1日2,000ダウンロードされているアプリでも、
ASO対策をちゃんとやらないと例えば2分の1とか3分の1にダウンロード数が減ってしまいます、

特にiPhoneでアプリを開発していて、
1日500ダウンロードくらいあるけどASO対策やってないという場合は、
ASOで2~3倍まで自然に数字が伸びるはずなので必ずやったほうがいいと思います。

2、メディアやレビューサイトへのPR。

アプリに特化したレビューサイトに掲載してもらうと数1,000ダウンロード伸びる場合もあるので、ここもお願いするような形でメールを送るのは良いと思います。

3、ユーザーがユーザーを呼ぶ仕組み。

アプリをやる中でユーザーがストレスを感じるところを逆にうまく利用しながら、
ソーシャルメディアを介した、ユーザーがユーザーを呼ぶ仕組みを用意しています。

4・5、自社リワード、自社間送客。

自社リワードというのは「このアプリダウンロードしてくれたらアイテムを無料であげるよ」
という感じで自社アプリ間でユーザーを送客しています、

自社間送客はこれもアプリの設定画面に「その他のおすすめアプリ」というボタンを押すと
自社のアプリが全部一覧で見れるようにしていたりということです。

6、他社アプリと相互送客。

他社アプリとバーターで相互送客をしています、
世界700万ダウンロードされているFatorというカメラアプリと、自社のSLIDE MOVIESというアプリでクリックを交換して海外プロモーションを行っています。

SLIDE MOVIES⇒Fator 30,000クリック
Fator⇒SLIDE MOVIES 60,000クリック

国内でも相互送客については、お金をかけずにプロモーションをするという意味で、
ランキングを上げてさらに人数を増やせる便利な手法なので積極的にやっています。

この6つを徹底的にやるということをうちは心がけていて、
ここがちゃんと出来れば10万ダウンロードぐらいはあっという間です。

ケーススタディ(ゲーム):49人目の少女

49人目の少女っていうアプリ、田舎から来た少女がアイドルになるために、秋葉原のオタクのファンたちに投資をしてもらって、どんどんきれいになっていくみたいな放置ゲームです。

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リリースから50日間でダウンロード数が約40万、
DAUは1.5万となっていますが、シリーズ全部含めるとDAUは10万くらい。

PVはメインの1画面で100~200万PVくらい、
全画面での累計PVでいくと1億PVは超えていると思います、

収益としてはリリース50日で1500万円くらい、
今の段階の収益は累計2000~3000万円という状況です。

ソーシャルメディア上で、リリース50日で12万6000回シェアされています。
シェアの割合は、高校生や大学生ユーザーが多かったのでTwitterが90%くらいです。
ここが結構ポイントで、先ほどお話した「ユーザーがユーザーを呼ぶ仕組み」を入れていることでたくさんの人にシェアされています。

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アプリの中でファン(オタク)が9秒に1回発生するのですが、
ユーザーにその9秒という時間的拘束を与えて、ストレスポイントを意図的に盛り込んでいます。

そして、アイドルが進化したあとにシェアをしてくれたら、
ファン(オタク)が自動的にボーナスでもらえるという仕組みにしています。

ゲームをクリアするのに大体9時間かかるのですが、
Twitterなどでシェアをすることで、2~3時間クリアまでの時間が短縮できるようになっています。

ケーススタディ(ゲーム以外):SLIDE MOVIES

SLIDE MOVIESという写真に好きな音楽を追加して動画を作成するアプリ。
12月12日にリリース(iPhoneのみ)して、現在累計70万ダウンロードくらい。

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1日10,000~1,5000ダウンロードされていて、
動画の作成数が100万動画以上、シェア数が30万回以上されています。
シェアされている割合はLINEが多くて65%くらい、残りはそれぞれ10%程度です。

このアプリは写真を10枚選択してそれを動画に変換する。
動画に変換した際に音楽を選択するのですが、最初は選べる音楽が5個しかない。

ユーザーは5個でも満足はするのですけど、「音楽がもっと欲しい」という心理を利用して、
シェアをすることで選べる音楽が倍に増えるという仕組みを入れています。

1日数100回は、Twitter、LINE、Facebook上がメインでシェアされていて、
そこでシェアされていることでダウンロード数も安定的に伸びています。

プロモーションは基本やっていないのですが(1回だけ1万ダウンロードほどブーストをうった)、
AppStoreのカメラカテゴリのトップ10以内、良い時は2~3位をキープしていて、かなりシェアの施策が効果的だと感じています。

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(参照:AppAnnie)

マネタイズ:49人目の少女

最後マネタイズの話です、
「49人目の少女」はマネタイズポイントをもりもりに入れています。

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まず一番右上の「ゲームをしながらオタクを待つ」というボタンは、
AppliPromotionという広告サービスで、ボタンがクリックされると29円入るみたいな感じです。

画面上部の真ん中にあるアイコン型の広告はGAMEFEATを入れていて、
アプリが1インストールされると220円くらい収益が入ります。
我々はカジュアルゲームを提供してるのでゲーム広告との相性が良くて、高い収益性になっています。

一番下のバナーがAmoAdNendを、eCPM(広告1000回表示したときの収益額)の高い方を優先して最適化をして出しています。大体eCPMが350〜500円くらいです。

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他は自社でつくった、テキストポップアップ型の広告、CPI型(インストール課金型)の広告案件を回していて大体1インストール150円~500円くらいの収益になります。

ユーザーがアプリを5回開いたときに1回だけ広告を出すとか、
どこかの画面から戻ってきたタイミングで広告を出すとか、ユーザー行動を意識して広告を表示しています。

「49人目の少女」では課金アイテムも入れています。
ここまで広告がたくさんあると、課金は全然されないんじゃないかと半信半疑だったのですが、
2〜3000万円の全体収益のうち300万円くらいは課金収益という結果だったので、課金も入れてよかったという感想です。

収益経路別のデータとしては以下です。
(※12月末までの数字なので全体収益が1500万円になっている)

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AmoAdとNendのバナーが一番大きく、
アプリ内課金+自社広告(テキストポップアップ広告)も貢献しています。

特徴としてはAmoAdとNendのバナーの部分、放置ゲームのためユーザーの滞在時間が長くなるので、CTR(クリック率)が高く、その先でのCVRも高いのでeCPMが350〜500円も出ている。(※効果が良いメディアは良い単価がもらえる)

多分ここまで収益性が高くでるアプリってあまりないと思いますが、本当に育成(放置)ゲームはユーザーに受けられるものをつくることができれば、大きくマネタイズができると思っています。

ゲームエンジン

「49人目の少女」のゲームエンジンを無償で提供して、
IP(コンテンツ権利)を持っている人たちと組んでアプリをつくる取り組みを行っています。

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有名なIPじゃなくても全然大丈夫で、イラストやコンテンツを持っていれば無料でアプリがだせる。
コンテンツを持っている人と、おもしろい企画のアプリを一緒にやろうというスタンスで取り組んでいます。

ポイントは5つ、
1、イラストだけ提供いただければ大体1週間で完成します。
2、広告の申請・運用は全部Nagisaで代行します。
3、プロフィットシェアは6:4。(Nagisa6:コンテンツ提供者4)
4、Nagisaの300万ダウンロードのアプリ群から送客します。
5、Nagisaのアプリからリワードで送客します。

ゲームエンジンの問い合わせについては以下のメールアドレスまでご連絡ください、
またエンジニアの採用も積極的に行っていますので、もし興味がある方がいたらお気軽にメールいただけたらと思います。

Nagisa問い合わせ先:
info@nagisa-inc.jp

取材協力:株式会社Nagisa、サムライ・インターナショナル株式会社

聞いてみて感想:
海外の良ツールの情報など参考になった方が多いのではないでしょうか。それにしても放置ゲーム1本で2~3000万円稼ぐことが出来るという世界はすごいですね。最近も放置ゲームつくってAppStoreでブーストかけるというようなアプリもちらほら見る気がします。海外でも放置ゲームのジャンルが流行り始めたら、すごいことになりそうです。

別のパートも以下からご覧いただけます。
レポート1:数1,000万円でアプリの売却に成功!アプリM&Aが成立するまでの半年間の記録。

高額アイテムが課金売上の8割!19万ダウンロードの放置ゲーアプリ「王国の道具屋さん2」収益化成功の理由。Appbank勉強会

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3/30に東京(新宿)で開催された、AppBank Fello主催のセミナー「DL数の少ないアプリで収益を増やす方法を学ぶ」の参加レポートをお送りします。

目次:
1、「100万DLと同じ収益を1/6のDL数で稼ぐ!放置ゲーム収益化のコツ」byCome-Come Cat
2、「複数アプリをリリースしていることによるシナジー効果」 byMarnishi
3、「AppbankFelloを導入するメリット」byユニコン
4、お悩み解決コーナー

1、「100万DLと同じ収益を1/6のDL数で稼ぐ!放置ゲームで収益をだす3つのコツ」 Come-Come Cat 中尾さん

Come-Come Catについて

Come-Come Catでは2人で開発をおこなっている。「脳力+ 支払い技術検定」(2011年)が100万DL、放置型営業シミュレーションゲームの「王国の道具屋さん2」は19万DL(iPhone、Android合計)

comecomecat_app

実は「王国の道具屋さん2」は「脳力+ 支払い技術検定」の1/6のダウンロード数だが、
収益額としては同じくらい稼ぐことができた。

1ダウンロードあたりの収益性の単価目安としては、
Come-Come Catの放置ゲームでは一番高くて50円/1ダウンロード程度。
放置ゲーム以外のアプリは平均して5円/1ダウンロード程度。

放置ゲーム最大の敵は「飽き」

放置ゲームの敵は「飽き」、ほんとうに放置されっぱなしになってはいけない。
ユーザーが飽きないように4つのキーワードを意識している。

1、つかみで楽しいと思ってもらう。

つかみの時点では、ユーザーが「気持ちいい、楽しい」と感じる点に徹底的に焦点をあてる。「王国の道具屋さん」ではお金をスワイプでチャリンチャリンと回収するのが気持ちいい。

放置ゲームは息が長いゲームなので、
ゲーム開始直後のはテンポを良くして最初にガッチリユーザーの気持ちを掴むのが重要。

放置ゲームアプリの起動率としては2日目で約70%。以前出したアクションゲームの2日目の起動率は約40%、放置ゲームの方が継続率がずっと高い。

2、アチーブメントで「小さな目標」を

ユーザーがゲームを遊ぶ中での「小さな目標」を用意する。
「王国の道具屋さん」の場合は、10万ゴールドを稼ぐと「ベテラン経営者になりました」など、アチーブメントを「称号」という形で実装している。

アチーブメントは少ない工数で実装可能なので、放置ゲームでは特におすすめ。
iOSのGameCenterにもアチーブメント設定機能があるが、自前で実装するのが良い。
理由は5割のユーザーはGameCenterをつかっていないため。(Come-Come Catのアプリの場合)

oukoku_achievement

3、機能解放は少しずつ

放置ゲームに限らず、機能解放は徐々に行う方が良い。

まずはアプリの中でも一番コアな部分に絞って、慣れてきた頃に新しい機能を提供する。
いっぺんに機能を提供してしまうとユーザーが混乱してしまったり、「このゲームはなんだか難しい、消しちゃおう」とアプリを削除する原因にもなりやすい。

4、ストーリー要素を入れる

放置ゲームは単純作業ばかりだとあきてしまう。
ただ「薬草を10個あつめる」じゃなくて、薬草を10個あつめてお客さんに売ると、
そのお客さんが「娘の病気がなおりました」とお礼を言ってくれるなど。

単純作業に、意味やストーリーをもたせることで、
ユーザーに楽しく遊んでもらうことが出来る。

oukoku_story

ローカル通知でアクティブ率を上げる。

「何かができました」「何かが集まりました」、
というときにローカル通知(プッシュ通知)をおくっている。

また、気をつけているのは、アプリ内でプッシュ通知のON/OFFをすぐ切り替えられるようにしている、一般のユーザーにとってiPhoneの設定画面から通知をOFFにするのはハードルが高い作業。

デフォルト設定ではONにしているが、
「アプリ内から簡単にON/OFFできます」とアナウンスをいれている。
(「通知がたくさんくる」⇒「通知の消し方がわからない」⇒「アプリ削除」とならないように。)

また通知をした時には、気になるようにアイコンバッジをつけている。

oukoku_push

アプリ内課金のコツ

アプリ内課金の種類

アプリ内課金は、消費型と非消費型の2種類ある。

・非消費型
1度だけ購入が可能なもの。「主人公の経験値が2倍になる」など。
購入履歴がのこり、トラブルがあった際にもリスクは少ないため、
はじめて課金を入れる人は、非消費型の課金を実装すると良い。

・消費型
「アプリ内通貨」や「スタミナ」など。不具合が起きた場合は、Appleからの返金対応に3~4日かかってしまうので、ユーザーを待たせてしまうリスクがある。

アプリ内課金の内訳

「王国の道具やさん2」は収入の4割はアプリ内課金、
広告+アプリ内課金は、収益性が上がるのでおすすめ。

【収益の内訳】広告6割:アプリ内課金4割 ※iPhone版
【アプリ内課金の内訳】アプリ内通貨9.5割:広告解除0.5割 ※iPhone版

高価なアイテムは意外に売れる。

実は、一番売れているのは一番高価なアイテム。
「再建!ボロボロ神社」でも「王国の道具屋さん」でもアプリ内通貨はセット売りをしていて、どちらも一番高価なメニューが売れている。

100円のメニューひとつではなくて、
複数の値段を用意して、まとめ買いをするほどお得にすると良い。

「王国の道具屋さん1」のほうでは100円のメニューしか用意していなかったが、
2で複数メニューにした結果、収益全体に対するアプリ内課金の売上が約6%上昇。
「王国の道具やさん2」では、一番高い課金アイテムの売上がアプリ内課金の約8割を占めている。

douguyasan_kakin

まとめ

・ユーザーを飽きさせない。
・プッシュ通知で頻繁に起動させることで広告収入を増やすことができる。
・広告+課金で収益の向上が可能。

2、「複数アプリをリリースしていることによるシナジー効果」 Marnishi 中西さん

Marnishiについて

Marnishi(マーニシ)として2人でアプリ開発チームを運営している。
俺の校長」「俺のカートだろ!」など、カジュアルゲームを多くリリースしている。マーニシの累計は、現在120万ダウンロードです。個人で携わったアプリ含めると累計160万ダウンロード。

marnishi_orenoapp

かつて「棒人間ゲーム」をだせば売れた時代もあったが、2012年10月くらいから流れが変わってきた。お金がない個人開発者にとってはランキングを伸ばしづらくなっている。

今は人気ゲームジャンルの主流も変化していたり、例えば「脱出ゲーム」は突出して人気で、特に攻略サイトが力を入れているため、過剰にブームとなっているよう。

2012年に比べて、ブーストを使っているアプリもかなり増えた。
ブーストアプリが多くなるのはAppStore上でユーザーが活発になるタイミング、
週末・月末・期末(3・9月末)・連休・学生休み(春休みなど)、個人開発者はこの時期は避けてリリースをするのが賢明。

アクティブユーザーのベースが伸びているか?

アプリのアクティブユーザー数は山あり谷ありだが、谷の部分を意識すること。
良いアプリをだしても毎回ヒットする訳ではない。

会社経営で自社の顧客や資産が積み上がっていくことが重要なように、自分たちのアプリのアクティブユーザーのベースを徐々につみあげていくことが重要。

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(※画像はスライド資料を元に、編集部で作成したイメージ)

特にカジュアルゲームの場合、寿命も短いので、
リリースして少したつと、アクティブユーザーはかなり減ってしまう。
そうなる前に、すぐに次のアプリをだしていくスピード感は必要。

マーニシで出しているカジュアルゲーム「俺の○○」シリーズだと、寿命の短いアプリは2週間でアクティブ率が20%くらいまで落ちる。一旦落ちたアプリは自力で復活は困難、落ちて行くのみ。それまでに新作が出せたら、相乗効果で一瞬10%くらいは回復します。

自社広告による送客

トップ画面よりゲーム結果画面に配置

自社広告の設置場所としては、トップ画面よりもゲームの得点などが表示される結果画面(リザルト画面)に配置したほうがクリック率は高い。

実際にMarnishiのアプリで検証ところ、
CTRが0.2%⇒0.5%と送客効果が2.5倍にあがった事例も。
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(画像:iPhonePLUSより)

ジャンルはピンポイントで揃えること。

例えば、アクションゲーム⇒放置ゲームへの自社アプリからの送客はほとんど効果がない。
「ジャンルの違い」というのは想像以上に高い壁があるので、同じゲームとはいえジャンルはピンポイントで揃えるのが吉。

これは今まで多くの周りの開発者にも聞いてみたが、間違いないはず。

新作アプリは目立たせて誘導する。

新作アプリなど、特に送客したいアプリについては目立たせて広告を配置することで、
ユーザーをより多く送ることが出来る。

“NEW”とつけて広告を目立つ位置にピックアップして置くことで、
CTR0.3%⇒0.6%に向上。
marnishi_appbank02
(画像:iPhonePLUSより)

特に新規リリース時は、初期のAppStoreのカテゴリランキングを伸ばすことが重要なので、できるだけユーザーを送り込んだほうがいい。

カテゴリーランキングに入るだけでも知られる機会は極端に増え、逆に入らないと伸びません。
ランキングが伸びた分だけ集客効果があり、次のアプリへの集客にも影響します。

質問コーナー

Q、Marnishiのアプリは自社広告からの送客の割合はどのくらい?

全体の5%くらいのユーザーが自社アプリの広告経由からです。

Q、放置ゲームのDAUはどのくらい?

最近だした放置ゲームでいうと、ダウンロードが10,000程度で、DAUが8,000ほど。
カジュアルアクションなどに比べて放置ゲームはかなりアクティブ率が高いジャンル。

Q、放置ゲームのeCPMはどのくらい?

うちの放置ゲームの場合、eCPMは100〜200円、
インターステシャル広告に限ると、eCPM2000~3000円。

Q、カジュアルゲームで個人で生きていくには、最低で月に何本ペースで平均ダウンロード数あればいい?

カジュアルでも1万ダウンロードはほしいですね、それで月2本以上。
リリース後のタイミングだけでも、カテゴリーランキングに常に入れるようになるとかなり変わってきます。

Q、1年前にだしたカジュアルゲームとかはどうしているか、アップデートすることある?

基本的には放置していますが、反応の良いものだけをメンテナンスしますね。
基本的には、新しい発想で作り直す方が良いと思います。

Q、開発時間や企画の時間は一日のスケジュールでいうとどのくらい?

基本的に、寝ている以外は企画を考えたり開発業務を行っています。
売れてないのにゴロゴロしていて儲かるわけが無いんですね、当たり前ですが。

新作アプリを出す事が最高のプロモーションと考えていますので、ユーザー数のベースを上げる為にはスピードが大事。

また開発を繰り返す事でノウハウを身につけ、次に次にと投映していきます。
プロモーションや広告最適化も含め、全て同時進行で改善する毎日です。

3、「AppbankFelloを導入するメリット」 ユニコン 船木さん

Appbank felloとは

開発者支援ツール+全画面インタースティシャル型の広告ネットワーク。Appbankでアプリが紹介されるAppbankプラスや、プッシュ通知などの開発サポートツールを無料で使用可能。

appbank_fello

AppBankプラス

Appbank上でアプリが紹介されるサービス。
Appbank felloのSDKを導入して、リリースしたアプリに関しては適用される。

【iPhoneアプリの場合】
・お昼のアプリ無料セール情報に掲載
・AppBankのアプリ内の「ただいま無料[PR]」に掲載
・最もつかわれている無料アプリランキング50に掲載

【Androidアプリの場合】
・Androidアプリ「最も使われている無料アプリランキング50 」内の「注目の無料アプリ」に掲載。

平均500-1000DLくらいのダウンロードにつながる。
(アプリによって数値はばらつきあり)

プッシュ通知

SDKの設置だけでプッシュ通知を実装可能。10日間起動していないユーザーだけにプッシュ通知を送信したり、何人が開いてくれたかの開封率も管理画面から見れる。

プッシュ通知の開封率が10%以上になっていた時間帯を収益したグラフ。朝8時、昼14時、夜の10時がプッシュ通知の効率が良い。90%以上のプッシュ通知は開封率が10%未満である。
appbankfello_push
(※補足:アプリ、プッシュ通知の文言や種類はバラバラの統計とのことなので参考値。)

ゲームによってアクティブ率・継続率は様々

たったの14日で継続率が10%以下になってしまうゲームもある一方で、継続率が20%を超えているゲームも存在している。ゲーム自体が面白いということが大前提だが、プッシュ通知などの仕組みで、こちらからアプリの起動を促すことも大事。

appbankfello_keizokuritu

広告ネットワーク

(AppbankFello利用ユーザーで)eCPMの平均値が高いジャンルはカジュアルゲーム。
カジュアルの平均eCPMは309円、ツールは172円、コミックも243円と高め。
カジュアルの中でも細分化するとパズルが398円、アクションが329円。

appbankfello_ecpm
(※補足:インタースティシャルと通常バナーのeCPMは単純に比較できないのは注意。)

メディアA:カジュアルゲーム
メディアB:攻略系アプリ※
メディアC:脱出ゲーム
メディアD:パズルゲーム

※攻略系アプリのユーザーはゲームマニアが多く、
ゲーム広告効果が低くなるためeCPMが低くなるよう。

ABテスト機能

広告を表示するユーザーと表示しないユーザーの比率を設定ができる。一部のユーザーだけに広告表示のテストをしてみて、アクティブ率やアンインストール率が上がらないかを検証することができるようになっている。

appbankfello_abtest

AppbankFelloはこちらから⇒https://appbank.fello.net/

4、お悩み解決!質問コーナー

Q1、お金のない個人開発者ができるプロモーション。

Marnishi中西:
アプリレビューサイトへのレビュー依頼が一番効果がある。
横のつながりをつくってTwitterでシェアしてもらうのも意外にバカにならない。
初期のランキングにも影響与える。

comecomecat中尾:
ゲーム内でユーザーの満足度が高いタイミングでユーザーレビューをお願いする。
クリアしたとき、レベルアップしたとき、もっとレビューしませんか?とか、
Android版の「王国の道具屋さん2」ではクリア時にユーザーレビューの依頼をつけるだけでレビュー数が5倍になった。

最近だした新作では、ツイートをすると課金アイテムと同じ効果がもらえる仕様にしたところ、
今までだしたどのアプリよりもツイート数が伸びた。

Q2、ちゃんとしたアプリをつくるのは個人だと厳しい、少ない資金でアプリをつくるとしたらどんなアプリで勝てますか?

Marnishi中西:
特に資金をかける必要はないとおもう。
今だと脱出ゲームはランキングが伸びやすい。(前提としてクオリティは必要)
ただ、脱出ゲームは誤クリックもでやすく、広告収益の単価はそれほど高くない。

comecomecat中尾:
ひとつのジャンルに特化したほうがいい。
「このジャンルといえばこの開発者」となったほうが、
ノウハウも蓄積されるし、ファンもつきやすくブランディングしやすい。

Q3、最初からアプリを完全につくったほうがいい?アップデートで追加していったほうがいい?

Marnishi中西:
うちはリリース時のクオリティは徹底して上げるようにしている。

最初にくじけると、うまくいかないパターンが多いため、
納得いかない部分があるなら、セルフリジェクトしてでもつくりなおすべき。
反応が良かったらアップデートをかけていくのはもちろん良いこと。

comecomecat赤羽:
100万DLの「脳力+支払い技術検定」は一気にヒットしたわけではなくて、
実は、最初の1ヶ月は鳴かず飛ばずだった。

ちょうどリリース1ヶ月後にアップデートして急に伸びていった。
理由はアイコンを変えたというのが大きい。
アップデートした結果ランキングが伸びることも十分ありえる。

mao(Appbank):
リリース時には、納得いくものをだしている。
Appbankのアプリは、見た目を特に大事にしている。
リリース時に記事などで告知するときに、「このアプリの見た目が好き、使ってみたい」と思わせたい。

アップデートに関しては、大幅な見た目の変更は行わず、
「こんな機能がプラスであったらいいな」というコアな機能を補足するものを入れる。

rakuishi(Appbank):
プライベートでユーティリティアプリを7本くらいだしている。
アップデート後にランキングが伸びることもある。

ユーザーから要望にあった機能を追加すると、
「この機能追加してくれてありがとう」とツイートしてくれたり、
ブログで書いてくれることがある。

Q4、アプリ開発にどのくらいの時間をかけていますか?

中西:
2週間くらい。簡単なカジュアルアクションは3日でつくることもある。
(企画を考えている時間もあるので、あくまで開発に手をつけてからという意味。)

時間を短縮するためにやっていることとしては、
まず基礎のテンプレートをつくって、後から使い回せるようにしている。

mao(Appbank):
ゲーム攻略系アプリは1ヶ月半。
マックスむらいのアプリは1ヶ月くらい(iPhoneとAndroidで開発者一人ずつ)。

Q5、Appbankの「もっとも使われている無料アプリランキング」にランクインしたい、どのくらいのPVが必要なの?

Appbank:
PVだけではなく指標はいろいろあって、(Appbank networkの)広告表示数もそうだが、広告のクリック数、CTR(誤クリックが多いなどはだめ)など。

なので、単純に広告のリロード間隔を短くするだけで、
広告の表示数を伸ばせば有利になるということはない。

ひとつお伝えできることとしては、
新しく「Appbankネットワーク」に参加してくれた開発者のアプリに関しては、
初回だけ、係数をかけてランキングに載りやすいよう、多少優遇している。

取材協力:Appbank株式会社、ユニコン株式会社、Marnishi、Come-Come Cat

聞いてみて感想:
放置ゲームが1ダウンロードmax50円も出ることに驚き。あと放置ゲームつくるときは、課金メニューを入れるのと階段式メニューにするノウハウは「49人目の少女」でも同様だったし鉄板みたい。Marnishi中西さんはストイックだった。Appbankさんって攻略アプリとかも結構つくっているのね。

「儲かるからやっている訳ではない」NewsPicksが有料課金モデルを追求する理由と未来のWEBメディアの話。

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昨年あたりから、ニュースアプリが大きく盛り上がってきていますが、
そんな中、NewsPicksという「経済」に特化したニュースアプリがコアユーザーを獲得しています。

特に気になったのは、使っているユーザーの評判がかなり良いことと、
それと何よりスゴイのが、多くの著名人がこのアプリをつかって情報発信をしているということ。

躍進の秘密を探るべく、今回はNewsPicksを運営する、
株式会社ユーザベースの代表の梅田さんと広報の羽田さんにアプリのお話を伺ってきました。
userbase_umeda
(※写真はユーザーベース代表の梅田さん)

NewsPicksについて

どうしてNewsPicksをつくったのでしょうか?

梅田:
我々ユーザーベースでは「世界一の経済メディアをつくりあげよう」というミッションを掲げています。

これまでは、SPEEDAという法人向けのプラットフォームをつくってきたのですが、
より一般のビジネスパーソンが日々の情報収集で役立つプラットフォームもつくりたいと考えました。

なぜ、あえて今”経済メディア”なのでしょうか?

梅田:
僕たちは経済ニュースに対しては2つの欲求があると思っています。
それは「発見の欲求」と「理解の欲求」です。

「発見の欲求」は自分の興味があるニュースにこそ出会いたいというニーズ、
「理解の欲求」は経済ニュースに対して自分なりの理解を深めたいというニーズ、

この2つの欲求を満たしている経済ニュースメディアはまだ世の中にないと実感していたので、
そこに、僕たちが手掛ける意義があると感じます。

「発見の欲求」に対しては、編集者が重要なニュースを選ぶのではなくユーザーがニュースを選ぶ、
そして「理解の欲求」に対しては、専門家のコメントや他のユーザーの反応をニュースと並べて読むことができる、という形で実現しました。

newspicks_comment

きっかけは何だったのでしょうか?

梅田:
原体験としては、わたしが証券会社にいたとき、
手がけていた会社が、たまたま新聞の記事に大きくとりあげられたことがあったんです。

その記事の取り上げ方が、一部正しくないところがあって。
やはり経済って専門領域なので、記者を介して情報をだしていくよりも
専門家たちが直接コメントできることが重要なんじゃないかと感じた。

もうひとつは、例えば何か大きなM&Aのニュースがでると、
デスクの周りとかで「このM&Aすごいよね」とか「大したこと無い」とか感想をいいあったりしますよね。

その時に人それぞれニュースの捉え方って違っていて、
自分は「これすごい!」と思っていたのに、周りの反応は「実はこれはすごくない」みたいなことがある。

こういう人の反応も含めて、ネット上で再現できないかなと、
一方的にニュースを流すのではなく、双方向なメディアをつくりたいとおもったのがきっかけです。

NewsPicksがインフルエンサーに使われている理由。

NewsPicksは0からはじめて、インフルエンサー(影響力の高い人)がこれだけつかっているのはすごい、どのようなアプローチをしたのですか?

梅田:
最初は一人一人インフルエンサーの方にお会いして、お願いにいっています。

当然、いま参加してくれている方々の何倍の人に会っていて、
もちろん断られたり、そんな時間ないよと言われたりも、めちゃくちゃありますよ。

ただ、我々の場合は、SPEEDAが既にある程度、経済の領域では認知されている実績があったので、話を聞いてもらえやすいというのはあったかもしれません。

(※トップランキングには堀江さんや、ドワンゴの夏野さん、GLOBISの堀さんなど著名人が並ぶ。
スタートから約半年のアプリで、これほど著名人がアクティブにつかっている状況は驚異的。)
newspicks_top_user

まったく面識ない人には、真正面からメールおくったりということ?

梅田:
はい、堀江さんもそうですし、竹中平蔵さんもそうです。
堀江さんはTwitterにメールアドレスがのっていて、そこから最初はメールしましたし、
竹中平蔵さんも竹中平蔵事務所っていうホームページがあって、そこから連絡しました。

やっぱり最初は、会わないと始まらないので、
「どんな短い時間でもいいので、おれがやろうとしていることを見てください」と、
ほんとそれだけのシンプルなこと。

それで、おもしろそうだから、
一回話を聞いてみようかと返答いただけたりという形です。

良いプロダクトと情熱があれば、無名のサービスやアプリでもインフルエンサーの方々につかってもらえる可能性はある?

梅田:
ぼくはそう思います、それはすごく信じていて。

もちろん人にもよりますけど、
あきらめずにいったら、共感してくれる人は必ず現れる、

何か、世の中の非合理を変えようとしている挑戦者に対して、
みんながおもっている以上に彼らはポジティブに向き合ってくれます。

まったくうまくいかない場合は、
それをやっていないだけなんじゃないかと思います。

マネタイズ・ビジネスモデルについて

NewsPicksのマネタイズとして月額1,500円で経済誌の記事が読める有料課金プランを販売されています、なかなか厳しいモデルにも見えますが、これから大きく伸ばせるイメージはあるのでしょうか?

梅田:
有料課金に関しては「儲かるからやろう」という発想からではなくて、
課金モデルを追求していかなくてはいけないという使命感に似たものから来ています。

というのも、まずユーザーにとって邪魔なものはできるだけ排除したいから。
例えばバナー広告って邪魔ですよね、自分たちのほしくないものはつくりたくないんです。
そしてNewsPicksのようなユーザーが限られるメディアでは、純粋な広告モデルでは必ずすぐに限界が来る事は明白です。

まずはユーザーが「これにお金払っても良い」と思える、
有料課金モデルを時間をかけてでも追求していきたいと考えています。

(※東洋経済、ダイヤモンドなど8誌の記事が月額1500円で読める有料プラン。)
newspicks_paid_plan

どのようにしたら、ユーザーがニュースコンテンツに毎月1,500円払ってくれるのでしょうか?

梅田:
今は有料プランに関しては、
ダイヤモンドさんなど経済誌8誌と提携して記事を配信していますが、

キーになるのがオリジナルコンテンツだとおもっていて、
NewsPicksでも編集チームの体制をつくって少しずつオリジナルコンテンツを配信していく予定です。

「1,500円払ってでもこのコンテンツ読みたい」という良質な記事をつくっていく
ここにできる限り挑戦しようと。

他に考えているマネタイズはありますか?

梅田:
もうひとつ、ネイティブアドに可能性を感じています。
広告であってもユーザーが読んでおもしろいものであれば意義があると考えています。
(※補足:ネイティブアドというのは、より読み物に近い広告記事のこと。もちろん「広告」ということを明記する。シルシルミシルの工場見学とかはイメージに近いかも。)

ネイティブアドと、オリジナルコンテンツの有料課金、
この2つが収益化の鍵になるのではと思っています。

世界一の経済メディアになるには、
プラットフォームをつくるテクノロジーの力、コンテンツをつくる人の企画力や分析力、
この2つを組み合わせることが重要だと考えています。

まずはプラットフォームにフォーカスしているんですけど、
徐々に編集と企画、コンテンツをつくるほうに力を入れていきたい。

これからは、紙ではなくスマホとタブレットの時代。

今後、新聞や雑誌は読まれなくなってくるのでしょうか?

梅田:
それは間違いないと思います。。
スマホ、タブレットの2つが主流というのが将来の姿だとおもいます。

ただ、どうしても紙に勝てないことがある、
それは、読む時の快適さだったり、美しさもそう。
そこに対しての解がでてくると、完全にスマホ・タブレットの時代になるのではと。

例えば、新しいデバイスがこれから開発される可能性もある。
この前、ある会社さんが、紙により近い電子ペーパーを開発していた。

ぼくは、それは新聞にあっているなとおもっていて、
家ではバッと広げて読んで、電車の中ではスマホで読むみたいな。

iPhoneでも、iPadでもない、もうひとつのデバイス、
明らかに紙に負けている部分を補うデバイスがでてくる可能性がある。
そうなると紙は決定的に厳しくなってくるのでは。

(※電子ペーパーデバイスが今後出てくるかも?画像はイメージ、engadgetより。)
e-newspaper

私は長文は本でよむほうが快適に感じます、紙のほうがはやく読めるので。

梅田:
そうですね、ぼくたちは紙の本を知っているので、快適さも理解していますが、
ただ、いまの大学生たちを見ていると、紙を知らずに育っているようなところがある、

スマホネイティブの彼らにとっては、
紙から離れた生活に、ストレスを感じない可能性があるんじゃないかなとも思います。

アプリの運営について

プロモーションは何か行われていますか?

羽田:
プロモーションで大きく行ったのは、
東洋経済さんのブランドコンテンツ(※タイアップの記事広告のこと)に出稿したくらいです。

東洋経済とNewsPicksはユーザー層が近いんですよね。
若手の感度の高いビジネスマンにアプローチできるのが良かった。

東洋経済に出したあとに、AppbankだったりNHKとかにも取り上げられたという意味では、
他のメディアの目にとまりやすい
という副次的な効果もあったのかなと。

(↓東洋経済のブランドコンテンツ)
newspicks_toyokeizai

NewsPicksはKPI(重要視している数値)はあるのでしょうか?

梅田:
ゴールとしてはDAU(デイリーのアクティブユーザー)であることは間違いないですが、
その前の段階として、どれだけ深くつかってくれるか、滞在時間、ピックしてくれる率は見ています。
(※ピックとはNewsPicks内に記事を投稿するアクションのこと)

グロースハックというか、プロダクトの改善で成功した事例はありますか?

梅田:
うち独自の事例でいうと、
タイムラインにひとつコメントをだすようにしたら、アクティブユーザー率が上昇しました。

昔はタイムラインにコメント載せてなかったんですよ、
顔(アイコン)だけでて、とんだらはじめてコメントがでてくる。
これを途中でコメントが中心のUIに変更しました。

何を価値に置くか、より明確にしたことが良かったのかなと。

newspicks_timeline

今年3月にリリースしたAndroid版のほうは調子はどうですか?

梅田:
まずまずだと思います。
毎日新規で入ってくるユーザーはiPhoneとAndroidで2:1くらいですかね。

最初はiPhoneアプリからだしたんですね。

梅田:
実は、僕たちも最初何もわかっていなかったので、
タブレット、iPhone、WEB、3つ同時にだそうとした。

その時に友だちのSumally(サマリー)の代表の山本くんに、
「そんなことあり得ないよ、すぐにユーザーの反応なんて変わるんだから絶対1つに絞りなよ」と助言されて。それで、まずはiPhoneからだしました、

たしかに、当初のインターフェースともガラっと変える結果になりましたし、
そのアドバイスは聞いておいて良かったなと。

徹底的に機能を改善して、
インターフェースが固まった後にAndroidにも横展開すると、
もうすぐWEB版もでるのですが、そういう形でやっています。

WEBメディアの未来は有料課金モデルにある。

いま提携されている東洋経済とかダイヤモンド、そういうところがネットメディア単体でマネタイズしていくにはどうしたらいいのでしょうか?

梅田:
それは、ほんと難しいところですよね、

ひとつNewsPicksとして考えていることとしては、
SPEEDAも財務データや統計データなど、多くのサプライヤーからデータを配信頂いています。
その方々にもちゃんと収益をバックできたからこそ永続的なモデルが今できているという成功体験がある。

NewsPicksも同じように、メディアとのwin-winの生態系がつくれなければ、
永続的なメディアに絶対ならないとおもっているので、そこを追求しないといけない。

集客をするプラットフォーマー側と、コンテンツをつくるメディア側が役割分担をして、
きれいに収益を分配できるモデルをつくれるか
が、間違いなくデジタルメディアの未来にかかっています。

(※イメージ図、良質なコンテンツをつくる側に収益が循環するようにしないといけない)
media_future

広告ではなくて有料課金がカギになってくるということですね?

梅田:
広告モデルの限界も証明されてしまっていると感じるので、
そのために追求していかないといけないのは、やはり有料課金モデル。

「有料課金が世の中でどこまで受け入れられるのか」という実験を誰かが絶対しなければいけないとおもっていて、われわれが早めに有料課金をはじめたのはそうした意図があります。

新聞は毎月4,000円という、高額なお金をユーザーからもらえていて、
それがコンテンツをつくる側にきれいに回ってくるおかげで、

例えば、記者が張り込みをしてスクープをとることができたりと、
良質なコンテンツをつくっていけている。という世界が100年も続いてきた。

今はメディアの100年の大転換期であって、
その転換期にあたって、かなり遅れているのがマネタイズ。

雑誌社や新聞社は、これまでは紙の収益でなんとかなっている中で、
「WEB版も対応しなきゃ」と形だけは対応しているけど、マネタイズの仕組みができていない。

これだと永続性はないとおもっています、
マネタイズの仕組みを、誰かが発明しなくてはいけない。

アプリのプロダクトづくりで重要なこと。

アプリをつくりたい人にアドバイスとして言えることは?

梅田:
NewsPicksもまだ成功していないので、
大それたことは言えないですけど、「軸」はすごく重要です。

アプリをつくっているときって迷うことがめちゃくちゃ多い、
やってみて数値が全然違うとか、ユーザーの声が思っていたのと違うとか、

迷いながらも判断していかないといけない時に必要なのが「軸」です。
我々は、最初は「自分たちが欲しいものをつくる」というところに軸を置きました。

やっぱり、自分たちの欲しいものつくってると楽しいですしね、
楽しくないとプロダクトもよくならないと思いますし。

1⇒100の部分はグロースハック的に数値をよくみる必要がありますし、
ユーザーの声を聞いて、細かい改善をしていくことも重要ですが、

0⇒1のフェーズは軸があったほうがいい、たとえ受け入れてくれるユーザーがニッチだったとしても。
思想や世界観がない、何をやりたいのかわからないプロダクトではいけない。

市場をみて「これが受け入れられるはず」じゃなくて「おれはこれつくりたい!」のほうが良い?

梅田:
どちらが正しいという訳ではなくて、僕たちはそれが好きだし、
その方法でしかサービスを開発できない、ただ不器用なだけなんだと思います。

例えば、nanapiのけんすうは、
「アンサー」という女子高生とかが頻繁に使っているようなサービスをつくっているけど、
残念ながらああいう才能は僕達にはない。

女子高生に何が受け入れられるなんか想像すらできないですから。
だから「自分達が欲しいもの」から始める必要があるんです。

ユーザーの声を聞いていると正反対の声もたくさんでてくる、
例えば、タイムライン形式がいいという声もあれば、
いまどきタイムライン形式はやめてほしい、スマートニュース的なUIが良いという声もある。

そのときに「じゃあスマートニュース形式にやってみよう」とすぐなる前に必ず、
そもそもプロダクトの思想って何なんだというところに立ち返らないといけない。

そこがしっかりしているほどぶれないし、
ちゃんとそうなっている理由を、ユーザーに説明できないといけない。

NewsPicksの今後、世界展開について。

世界展開は考えている?

梅田:
はい、SPEEDAは既に世界展開しているんですね、香港と上海とシンガポールにオフィスをかまえて。
経済のプラットフォームとしては、国境を越えないと意味がないですので。

NewsPicksのニュースの領域もまったく一緒で、
国境を越えた情報収集を実現していかないといけない。

NewsPicksの場合、国ごとにつくらないといけないと思うので大変そうですね。

梅田:
そうなんです、SPEEDAは1つのプロダクトで共通でいけるんですけど
NewsPicksの場合は、ニュースソースが国ごとに違いますので、
型は共通でつかえるとおもうが、ニュースソースは各国で提携していかないといけない。

あと最初の立ち上げ時にエンジンを回していくところ、
インフルエンサーにつかってもらうのも、日本のように当然うまくいかないだろうし課題は多いとはおもいますね。

もちろん海外も視野に入れているのは間違いないですが、
まずは日本でナンバー1になることを考えています。

NewsPicks(iOS/Android)
newspicks_icon

取材協力:株式会社ユーザベース

編集後記

「メディアがユーザーに有料課金してもらう仕組みを、誰かが実験して発明しなくてはいけない。」
というところが印象的でした。

ほんとにWEBメディア単体で収益化するのって難しいですよね、特に組織としてという意味で。

アニメとかは莫大な先行投資をして、無料でテレビで公開して、
グッズやDVDで収益を回収するモデルだと思うので、もっと厳しい世界なのかなとかも思います。

ちょうどNewsPicksを見ていたら、梅田さんがこんなコメントを残されていました。
こういうFacebookとかTwitterでは若干かきづらい、
コアな情報が見れるのがNewsPicksの醍醐味なのかもしれません。

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スマホ時代に乗り遅れるな!TwitterとFacebookから学ぶ、必ず知っておくべき米国モバイル広告トレンド。

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サイバーエージェント主催の「AES(アドエンジニアリングサミット)」というイベントから、
本記事ではWiLの琴(こと)さんの講演をお届けします。
アメリカのモバイル広告市場について理解を深めることができる内容です。

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「米国モバイルトレンドとスタートアップ」 米国WiL LLC 琴 章憲さん

WiL(World Innovation Lab)について

“ベンチャーへの支援や、起業家精神の普及を通じて日本を元気にしたい”
米国シリコンバレー在住で活動している(WEBサイト)。SONY、NTT、日産、ベネッセなどの企業から約300億円の出資をうけ、ベンチャー企業の活性化のファンド事業などをおこなっている。

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米国のモバイル市場について

米国のモバイル契約者の割合

モバイル契約者の最新データ(2014.1Q)、Android52%、iOS42%
ここに関しては、あまり日本と違いはない。

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端末のメーカー比率

アメリカでは、AndroidはSAMSUNG(サムスン)一人勝ちの状況が顕著。

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モバイルトラフィックと売上

2013年のQ4(10-12月)と、2014年のQ1(1-3月)の、
モバイルのトラフィックと売上のパーセンテージを比較したグラフ。

iPhoneのトラフィックは25%だが、売上は全体の40%を占める。
Androidのトラフィックは42%あるが、売上は全体の33%。
つまり、iPhoneユーザーのほうがちゃんとお金を払うということ。

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モバイル広告は今後何が伸びる?

2012年と2017年のデータを比較。
モバイルの広告に関しては、今後ビデオ(動画広告)が伸びていく。

検索広告:2012年 51%⇒ 2017年 49%(微減)
バナー広告:2012年 19%⇒ 2017年 20%(横ばい)
ビデオ(動画広告):2012年 5%⇒ 2017年 10%(2倍)

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モバイル広告の売上比較

2012年と2013年の、主要企業のモバイル広告の売上比較。

Facebook:+191%(前年比291%)
Twitter:+97%(前年比197%)
Google:+82%(前年比182%)
Apple:+71%(前年比171%)
PANDORA:+57%(前年比157%)

Facebookは約3倍、Twitterもほぼ2倍、2社のモバイル広告の伸び率は異常。
Apple(iAD)も意外に頑張っている。

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※PANDORAはラジオのストリーミングサービス。

Facebookについて

Facebookのアクティブユーザー

モバイルMAU(月間のアクティブユーザー数)=9億4,500万人
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モバイルDAU(デイリーのアクティブユーザー数)=5億5,600万
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つまり62%(DAU÷MAU)のユーザーがFacebookに毎日アクセスしているということ。
この数字はめちゃくちゃ高い、ソーシャルゲームのDAUは20~30%。

Facebookの広告売上

青い部分はFacebookの全体の広告売上、
赤い部分がモバイル広告による売上。

2011年の時点ではモバイルの売上は0円だったが、
2012年に391億円、2013年に1,100億円と急成長、今やモバイル広告の売上が60%を占めている。

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Facebookのモバイル広告商品

簡単にまとめると大体5種類。

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1、アプリのインストール広告(リンク)
2、アプリのインストール広告(リンク+ビデオ)
3、アプリエンゲージメント
※既にアプリをダウンロードしたユーザーに「アプリつかってください!」と訴求する広告。
4、Facebookページポスト
※Facebookページの投稿を広める広告
5、外部ページポスト
※外部サイトに誘導する広告

5種類の広告の売上比率

アプリのインストール広告が73%をも占める。2番目は外部ページポストの18%。
ビデオ広告はまだ2%だが、タイムライン上での自動再生ビデオ広告がスタートしたら大きく伸びるはず。

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なぜここまでモバイル広告が伸びたのか?

理由として一番大きいのが、
デスクトップ広告とモバイル広告の垣根をなくした点。

まったく別の料金体系や表示形式にはせずに、
同じクリエイティブ、料金体系でPCとモバイルの広告を提供した。
広告主からしたら、効果測定の指標も一緒でいいし、バナーも2種類用意しなくていい。

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Facebookのアドネットワークがスタート

先日、F8で発表されたFacebookのアドネットワーク、いままでは全部Facebook内の広告だったが、
Facebook外でFacebookログインを使っているユーザーに対して、ターゲティング属性を使って広告できるようになる。

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Googleは2009年にアドモブを買収しアドネットワークを獲得
Twitterは昨年モーパブを買収、Facebookは自分でつくるという戦略をとった。

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Twitterについて

Twitterのアクティブユーザー

MAU(PC+モバイル)=2億5500万人
米国ユーザーの比率=22%(Facebookは15%)

モバイルのMAU率=78%(Facebookは79%)
※つまりFacebookもTwitterも8割はモバイルユーザーということ。
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DAU(毎日つかうユーザー)=約46%
※IPO時にDAU約1億人と発表。
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Twitterの売上

モバイル広告の売上が80%を占める(Facebookは60%)
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Twitterの広告商品

1、プロモアカウント(フォロワー増やす)
2、プロモツイート(ツイート拡散)
3、プロモトレンド(キーワードでの話題拡散)

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先ほどFacebookのアプリインストール広告が非常に好調という話があったが、
Twitterもそれを見て、タイムラインにアプリインストール広告を発表(4月より米国でテスト中)
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FacebooとTwitterのまとめ

簡単にまとめると、Facebook対Twitterの特徴としては、
Facebookはターゲティングが強い、Twitterはリアルタイム性が強い。

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米国では、各社CPI広告に続々参入

YahooもCPI広告開始

Yahooもアプリのインストール広告(CPI広告)を開始。
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Google&YoutubeもCPI広告開始

Googleも2014年4月「CPIやります」と発表。左側は検索連動の広告の例、モバイルのGoogleで「hotel app」と検索した場合に「Hotel Tonight」というホテル予約アプリのインストール広告が出る。右側はYouTube検索した場合にでるCPI広告。

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Googleはどんなキーワードで、アプリがダウンロードされるのかというデータも全て持っている、
そのデータをいかして広告主にキーワードをレコメンド・入札競争させていくはず。

米国のCPIネットワーク広告のプレイヤー

昔はタップジョイが有名だったが、すごく増えて激戦になっている。
僕の周りで「良いよ」と聞く名前はこの3社、appiaChart boostMdotM

アプリのインストール広告に出稿しているジャンルはゲームがやはり多い。
日本と違うのは、宅配アプリや、ホテル予約アプリなどEコマース系アプリも多い点。

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最後に。シリコンバレーに挑戦しよう!

エンジニアに限らずシリコンバレーにどんどんチャレンジしてほしい。

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まず必要なのは、ビザについてちゃんと調べること。
何も調べずにきて、日本に帰らなくてはならない人もけっこう多い。

それと、Githubなどの世界のオープンソースで活躍すると、
TwitterやFacebookなどに入りたい時でも「お前あのアカウントのあいつか」となり採用されやすい。

最後は英語をやること。
僕は6年アメリカにいるが、英語はそんなに苦労しなかった。
なぜかというと、ずっとNHKのラジオ講座聞いていたから。月432円なのでおすすめ。

アメリカにいかなかったとしても、英語さえ分かればYouTubeなどでも濃い情報がみれたりする。
英語ができないだけで良質な情報が一切取れないのは、ほんとにもったいないこと。
ぜひ英語にはチャレンジしてみて欲しい。

取材協力:株式会社サイバーエージェント、WiL, Inc.

まとめ-編集後記

ありがとうございました。いろいろな具体的な数字などありましたが、
少なくとも、以下の点だけ抑えてればOKかなと感じます。

・とにかくモバイル(スマホ・タブレット)の時代。
・動画広告がモバイルを主戦場に今後伸びていく。
・モバイルのアプリインストール広告が熱い。
・FacebookもTwitterもモバイルユーザーが8割近くに。

「ガラケー、トイレ、正露丸」メタップス海外担当者に聞く、日本のスゴさとグローバルアプリ市場

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本日はメタップスさんの取材記事をお送りします。シンガポール、中国、シリコンバレー、台湾などグローバルで、アプリ開発者向けビジネスを展開しているメタップスに、海外のアプリ市場に対する疑問をぶつけてきました。

割と雑談の延長っぽい内容なのですが、参考になればとおもいます。

metaps_dan_yamada_choi
(左:ダンさん、中央:山田さん:右:チョイさん) 
※チョイさんは海外拠点の統括をされている方とのこと。

グローバルのアプリ市場の最近について。

海外からの日本のアプリ市場への興味はどうですか?

山田:
海外と日本のアプリ同士をつないだりすることもあるのですが、
中国企業は日本のアプリにすごく興味がある。

日本で事前登録がはじまったタイミングから、
「このアプリ紹介して、中国展開したい!」というくらい熱量がある。

ダン:
最近は、欧米系や中華圏のアプリも、日本市場に配信したいというケースが増えている。
アジアは欧米より熱いですね、市場としても熱量としても。

ロビオ(Angry Birds)やKing(キャンディクラッシュ)みたいに日本支社をつくるところも、これから増えてくる?

チョイ:
日本法人をつくるところも増えてくるとおもう、
kingの日本支社がうまくいったら、もっと広まるかもしれない。

ダン:
去年の9月に開催したメタップスのカンファレンスで、ロビオのベッカーさんが、
「アメリカなどではアングリーバードの知名度が90%以上だが、日本に関しては5割弱」と話していた。

日本は特殊なので、やはり拠点をおかないと攻略がむずかしい。

ロビオは来年にハリウッドで、アニメ映画を予定しているらしく、
それを見込んで、日本での準備をするという狙いもあるよう。

ディズニーみたいに映画の宣伝と絡めてアプリをだすケースは増えてきますか?

山田:
「アナと雪の女王」のゲームは、世界で1,000万ユーザーいるみたいですね。

スマホがこれだけ普及すると、映画のプロモーションも兼ねて、アプリ単体でマネタイズもできますし、
リアルビジネスの企業が、どんどんアプリを出してくるとおもいますね。

アナと雪の女王: Free Fall
anayuki_ss
※GooglePlayだけでも1,000万DL以上だったので、おそらく数千万DL規模。

ドコモからiPhoneがでて、日本のiOSとAndroidの状況はどうですか。

山田:
ドコモからiPhoneがでたが、思ったより伸びなかった印象。

iPhoneのトラフィックが伸びるのって新機種がでて1-2ヶ月で、
3-4ヶ月くらいたつと、次の新iPhoneまで待つので落ち着くのですが。

肌感覚ではiPhoneがシェア逆転とまではいかなくて、
国内はAndroidのほうが市場としても伸び率は堅調。

チョイ:
世界で見ても、アジア(ベトナム以外)はAndroid市場。
アメリカとヨーロッパはiPhoneが強いですが。

韓国は9割以上がサムソンとLG。インドネシアは元々ブラックベリーの世界だったけど、今はAndroidが半分以上。

ダン:
海外では、iPhoneは「高すぎて買えない」という国が多い。

Androidのほうが機種が安いのと、あとクレジットカードがネック。
東南アジアだとクレジットカードが無い人がおおくて、iTunesが使えない。

アジアの人たちも、どんどん課金するようになってきている?

チョイ:
そうですね、GooglePlayの世界の収益トップ10の国のなかでも、既に4つの国(日本、韓国、台湾、香港)がアジアになっている、タイとかも伸びています。

山田:
ただ、やはり所得の問題はある。

ぼくら日本人の100円が、インドネシアだと1000-3000円の価値なので、
課金意欲はあるものの、回復アイテム1つで3000円と考えると、簡単には買わない。

なので、アプリ内課金ではなくてリワード広告など、
アジアでは広告収益でマネタイズするほうが現実的だったりする。

ダン:
日本はフィーチャーフォン時代からコンテンツに課金することに慣れている、
韓国もPCのオンラインゲームが盛んなので課金意欲が高い、そういう文化的な違いは大きい

仮に日本の市場がすごく小さかったら、日本人はもっとグローバル思考になっていた?「日本人がグローバル思考じゃない」ということではなくて、恵まれすぎていることの代償な気がする。

山田:
それはあるかも、ランキング1位をとっても100万円しか稼げない市場だったら、
グローバルをターゲットにしたアプリを、みんなつくっていたかもしれない。

例えば、タイのデベロッパーは、国内でのアプリ内課金が成り立たない
まだまだ広告主も少なくて、広告も盛り上がっていない。

チョイ:
タイの「Unblock Me」というアプリは、
タイ人の開発者ですが、主なトラフィックはアメリカです。

デバイスのユーザー特性に合わせていて、
iPhoneアプリは有料、Androidは無料でだしている。

Androidはバナー広告やメタップスのExcangerでマネタイズしているが、
収益はグローバルで数千万円の規模にはなっていますよ。

Unblock Me
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日本の開発者が海外展開するには。

日本の開発者で世界で活躍されているのは?

チョイ:
日本のコンテンツでトップクラスに成功しているのがブレイブフロンティア。
アメリカ、東南アジアでも非常に調子がいい。

山田:
gumiの国光さんがスペイン大使館の講演で話していたのだが、
ブレイブフロンティアは、売上の構成比率が、日本と海外で半々になってきているらしい。

日本のコンテンツでも海外で売上をあげていける可能性はある。

※gumi国光さんのFacebookより。
ブレイブフロンティアの海外版は開発がエイリム、パブリッシュがgumi。

日本のアプリが世界にでるとき、パートナーと組むのと拠点を置くの、どっちがオススメ?

チョイ:
最初はパートナーと組んで、市場の温度感を試してみて、
いけそうなら法人をつくるのがいい。

山田:
たとえばブレイブフロンティアの場合、
日本でのリリースの2ヶ月後には、中国でコピーアプリが出てしまった。

コピーゲームの人気がでて、コピーが「本家」のようになってしまうと厳しい、
それであれば、すぐに現地の企業に任せてしまって、レベニューシェア展開するという判断もあり。

ダン:
ある意味ハイリスク・ハイリターン。
自社ですべてやれば成功した時にリターンが多いですし。

ロビオは60タイトルだして、ようやくグローバルでAngry Birdsがヒットしたし、
クラッシュ・オブ・クランとパズドラは本来なら敵ですが、連携することでwin-winになっている。

日本のカジュアルゲームが台湾でヒットすることがあるのはなぜ?

山田:
台湾は親日国なのでそのまま遊んでくれる。
日本のテイストになれているのもある。

台湾は中国語(繁体字)のマーケットなのですが、
実は、ストアを開くと英語のアプリばかりで、日本の3年前の市場に似ている。

なぜかというと、去年の3月まではGooglePlayの課金もスタートしていなかったので、
中国の企業は、台湾を狙わずにグローバルに向けてアプリをだしていたから。

ようやく去年から台湾市場が盛り上がって、中国や台湾の人たちが国内向けにコンテンツを作りはじめている。今後は、日本のアプリが何もしなくても、台湾でヒットするのは難しくなるとは思う。

日本の開発者がアジア展開したい時、まず何をしたらいいか、ローカライズ?

山田:
中途半端なローカライズなら、そのままで良いかもしれない。

台湾でシナリオのあるゲーム(RPGや恋愛シミュレーション)で繁体字にローカライズしてだすと、
「こんな低いクオリティのローカライズだったら、日本語のままだしてくれ」と言われたことがある。

メタップスのリワード広告ってどうなの?

メタップスのリワード広告でうまくいった事例はある?

山田:
日本の個人開発者のRPGアプリ(Android)で、
50,000ダウンロードくらいで、単月200-300万円の収益がでたことがある。

課金は入れてなくて、「アプリをダウンロードしてくれたらゲーム内でつかえる石をあげるよ」と、
メタップスのリワード広告(オファーウォール型)を入れてもらっていました。

5万ダウンロードで、200~300万円てあり得るんですか?

山田:
実は1ダウンロードあたり100円以上の収益性というのは、あり得ない話ではない。
ただ、ゲームが面白くないとインセンティブが機能しないので、そこ次第ですが。

よく1ダウンロードあたり10円前後の収益って言うじゃないですか。萌え系アプリは広告単価が高くて50円とか。それが、リワードだとユーザーが広告に出ているアプリを1個DLしてくれたら、開発者に60-70円の収益がはいってくる。

メタップスのリワードのデータだと、1ユーザーが平均5-6個アプリをダウンロードしたりする。
(もちろん、全ユーザーがリワードをつかうわけではない)

カジュアルゲームだったら「ゲームオーバーから復活するには、リワードでアプリをダウンロードしてね」とか?

山田:
そう、あえて体力制にして、「体力回復アイテムをリワードと引き換え」にするとか。
脱出ゲームも「リワードで1ヒントあげる」とやったほうが稼げるかもしれない。

カジュアルゲームもやりようがあるとおもう、
事例が少ないのでなかなか広まっていないのかなと。

リワードで「このぐらい収益があがる」っていう指標はありますか?

山田:
ソーシャルゲームの場合の指標ですが、
アプリ内課金であがる収益に対して「10-30%がリワード広告の収益になる」というバランス感。

アプリ内課金で1,000万円の収益がでているアプリであれば、
オファーウォール型のリワード広告を導入して得られる収益は100-300万円。
CTR・CVRでいうと70-80%くらいが平均です。

あと、メリットとしてはユーザーが仮想通過(パズドラでいう魔法石とか)を手に入れやすくなるので、
ゲームを長く遊んでくれる傾向にある。ポイント持っているとやっぱりアプリを消しにくい。

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※メタップスのリワードはAndroid(GooglePlay)のみ。

日本人が知らない、日本のすごいところ。

海外と日本の開発者の違いってありますか?

ダン:
コンテンツに一番こだわっているのは日本の開発者だとおもいますよ。
最近は韓国のコンテンツのクオリティも高くなっている。台湾とかと比較すると、日本や韓国のほうがレベルが高い。

日本のコンテンツのレベルが高いのはなぜ?アニメやマンガもクオリティ高いけど。

山田:
スーパーファミコンのゲームとか、クリエイターが数年かけてつくったものを見て育っているので、
それが基準になっているのは、ひとつあるでしょうね。

チョイ:
日本ではガラケー時代から、ワンセグやカメラがついたりしていたが、
海外だと白黒の携帯から、いきなりスマホがでてきて「なにこれ?」という感じだった。

ダン:
昔アメリカに帰った時は、日本のガラケーをみんなに自慢していたんですよ。
「えー、ワンセグでテレビみれるんだー!」とみんな驚いていた。

それがiPhoneがでてきて、ぜんぶ逆転されてしまったのは残念ですよね、日本が先を行っていたのに。未だに「ワンセグはすごいなあ」とおもうくらいですよ。

海外から見て、日本のすごいところは?

ダン:
とにかく日本人は「ユーザーのことを考えてつくっている」と感じる。

例えば、「日本のトイレ」はとんでもないレベルですよ。
あとホカロンと正露丸、日本のブランドは信頼度がたかい。

私もアメリカに帰るときは、ホカロンたくさん持って帰ります。
正露丸は「これは腹痛がなおる、奇跡の薬なんだ」ってアメリカ人に紹介してます。

チョイ:
冬にカイロを使っているのは日本だけじゃないですかね。
日本人はエンドユーザーのことを深く考えている、そこは本当にすごいですよ。

それと、食べ物がおいしい。日本人の舌は世界一繊細ですね。
和食のおいしさは「素材の味・新鮮さ」ですが、インド料理やタイ料理だと「スパイス」ですから。

「素材の味・新鮮さ」にこだわるのって日本特有なんですね。

ダン:
日本語って「味」を説明できる言葉が、英語の3倍くらいあるのがスゴイ。
英語だとデリシャス、ベリーグッドくらいしかない。

チョイ:
日本語は「コクがある」「麺にコシがある」「ご飯のつやがでる」とかいうけど、
英語では全部「おいしい」にしかならない。

スマホのコンテンツでも、日本人にはそういう強みがあるとおもうので、
それを、いかにグローバルで活かして勝負できるかじゃないですかね。

取材協力:株式会社メタップス

おわりに-編集後記

「日本人が気づいてない日本のスゴさ」ってたくさんあるんだろうなと思った。
正露丸、ワンセグ、トイレを褒められるとか予想できないよね。

5万ダウンロードでリワードで月200-300万円のRPGアプリの事例も驚いた、
(しかもグラフィック等も決して綺麗なアプリでもないとのこと)

リワード(インセンティブ)を駆使してすごい稼いでいるアプリがあったら、話聞いてみたいですね。
ゲームバランスとか、ゲームの中毒性などが重要なのだろうか。

バナー広告の時代は終わり?収益2-5倍の事例も続々、インモビジャパンに聞く「アプリのネイティブ広告」

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世界165カ国で、CPM、CPC(クリック課金型)のアドネットワークを提供している、インモビ(InMobi)さんがネイティブ広告をリリースしたとのことで、

「ネイティブ広告ってなんだ?」というところから収益事例も含めて、インモビの篠原さん(ビジネスデベロップメント担当)と加治さん(マーケティング担当)にお話を聞いてきました。
※本記事はインモビ ジャパンより依頼をうけて執筆したPR記事になります。

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(左:インモビ加治さん、右:インモビ篠原さん)

インモビについて

インモビさんは初めて来たのですが、何カ国くらいで展開してるんですか?

篠原:
インモビの広告のネットワークとしては今165カ国です、オフィスがあるのは17箇所で、東京、北京、シンガポール、パリ、ニューヨークなど主要な都市で活動しています。

例えば、「海外でプロモーションしたいんだけどインモビの人に相談したい」とかってできるんですか?なんとなく冷たそうなイメージが。ww

篠原:
あー冷たそうなイメージありますよね、外資系ですし。笑

もちろんできます。例えば、今年は特にアジアに海外展開したい日本のアプリも増えてきていて、ローカライズについて韓国や中国はこういうクリエイティブがいいですよ、というような相談にのることもあったり。

あとはインモビで統計をとっているグローバルのデータをお渡しするとかも。
例えばですが、以下は中国とアメリカのユーザーの「ダウンロードの意思決定」の比較、中国のユーザーにとってはApp storeのレビューが重要というデータが出ていたりする。

inmobi_us-china

加治:
「インモビは大企業様しか使えないんじゃないか」って思っている人もいるのですが、そんなことなくて。実際、個人開発者さんや中小デベロッパーさんのアカウントも非常に多いんです。

なるほど、なんとなく気軽に声かけてはいけないイメージでした。

篠原:
マネタイズや広告関連で何かあれば、気軽にホームページからお問い合わせいただければ。正直言うと、当然インモビを優先で使っていただくのがベストなんですけど、地域によってネットワークの強み/弱みがあるのですね。

デベロッパーさんにとって最も収益性が高くなるように、
例えばアメリカであれば「インモビ以外に、ミレニアルメディアさん・iAdさんを入れるのがベストですよ」とか。

あとは「この地域はAdmobさんが一番収益性が高いのでAdmobさんをオススメします」みたいな感じで、トータルでマネタイズのご支援をしたいなと考えているんです。

ネイティブ広告について

今回、「ネイティブ広告」をリリースされたとのことで、この言葉が聞き慣れない人も多いと思うのですけど、一体なんなんですか?

篠原:
ネイティブ広告は、自然にコンテンツになじませて置くような広告です。もちろん「ユーザーを騙す」という意味ではなく、広告という表記はいれます。イメージとしては、Facebookのタイムライン上の広告のような感じですね。

tango_textme_nativead
※インモビのネイティブ広告実装例、左は世界で2億近いユーザーのいるメッセージアプリ「tango」、右は「textme」というメッセージアプリ。どちらもタイムラインに流す形で広告を入れている。

広告とコンテンツで切り離さずに、うまくなじませるということですよね。これはどういう風に実装するんですか?

篠原:
簡単につくれるツールを用意しています。こんな風にサイズやデザインを選んでいくだけで、ソースが生成されるようなイメージです。

広告のレイアウトタイプを選んで、
inmobi_nativead_editor01

サイズやデザインをプレビューを見ながら調整。
inmobi_nativead_editor02

https://www.inmobi.com/portal/go-native?locale=ja_JP#properties/try-native
(※このエディターみたいなのはたしかに簡単でした、上記リンクから実際にさわれます)

やっぱり気になるのって「収益性」だと思うんですけど、ネイティブ広告の収益性はどうなんでしょう?

篠原:
具体的なアプリ名は出せないのですが、海外では「ネイティブ広告を導入した結果、収益性(eCPM)が上がりました」というデータも既に多く存在します、けっこう有名なアプリもあります。

▼ネイティブ広告におけるパフォーマンス向上比 (eCPM)、
コミュニケーション系アプリ:約3倍
エンターテイメント系アプリ:約2倍
ゲーム系アプリ:約5.8倍

これまで通常バナーで収益化してきた日本のデベロッパーが、数ヶ月前にNative adsを導入した。現在パフォーマンスを精査中だが、ネイティブ広告一本に切り替える検討をしている。

理由としては、ユーザービリティを意識した時にバナーは無い方がいいから。
そして、同等以上の収益性であればネイティブ広告にしない手はない。

バナー広告って感覚的に「広告」と認識するので、やっぱり自分たちも無意識に無視してるじゃないですか、その点ではネイティブ広告は優秀ですよね。

デメリットや不安要素的なところも気になります。

加治:
元々広告をいれてなかったアプリだと「広告が入って邪魔」「紛らわしいからやめてくれ」と抵抗するユーザーさんも、当然0ではないはず。TwitterやFacebookでもそうでしたよね。

逆にバナー広告をベタベタはりまくっていたところが、ネイティブ広告に移行すると、よりユーザーフレンドリーになるのかなと。

bannerad_nativead
(※編集部作成、バナー広告とネイティブ広告イメージ)

ネイティブ広告ってわかりやすくいうと、例えば街でチラシ配られるとウザいじゃないですか、でも暑い日にウチワ配ってたらもらうし広告も自然に見る。そういう感じの広告の形の進化というイメージですか?

篠原:
イメージとしては、そうですね。

加治:
やっぱりコンテンツに自然になじむのがベターなので、FaceboookやTwitterがやっているように、タイムラインにだす広告とかが、一番ネイティブ広告が合いやすいタイプかなと。

なんでネイティブ広告が今流行ってきてるのでしょうか、スマホの画面が小さいから?

篠原:
スマホの小さい画面で、ユーザーが不快にならない形で、
どう広告を入れていくべきかという課題があって。

ユーザーにとって広告は出来るだけ少ないほうがいいけど、
開発者は収益をあげないと続けていけない。

やっぱりバナー広告って画面の小さいスマホだと限界があって、インモビでもデータをとっていますが、バナー広告は年々CTRも効果も下がってきている状況なんです、そこでスマホなどの小さい画面と相性の良い広告として、ネイティブ広告が去年くらいから流行ってきた。

【補足】ネイティブ広告の高い効果が海外を中心に実証されつつある。
米サイト、Buzzfeed(バズフィード)のネイティブ広告のeCPM。ちなみに2013年にはネイティブ広告で60億円売り上げている。海外ではこうした情報がちらほら。
wil-nativead
(※資料:米国モバイル広告トレンドとスタートアップ2014より)

インモビのネイティブ広告は、海外ではどのくらいのアプリが導入しているんですか?

篠原:
導入例は、一応グローバルでは100以上あります。
日本に関しては数社、いま実装して頂いていて。有名なアプリでも近々でてくると思います。

タイムライン以外だとどうなんですか、ゲームとかでもいけるんでしょうか?

篠原:
そうですね…実例が少ないのでイメージが湧きづらいと思うのですけど、例えば、ゲームアプリなら、装備やモンスターの変更画面の枠を、1つネイティブ広告枠にしてみるとか。やりようによってなんでもできるんですよ、アイコン形式もできますし。

脱出ゲームだったら、ヒントページに入れたりとか、放置ゲームだったら図鑑ページに入れたりも出来る、そういうのもアリ?

篠原:
ですね、さっき紹介したツールでサイズやデザインが割と自由に組めるので、割となんでもいける。設定画面が英語なんですけど、いま日本語にローカライズしています。

加治:
後は、ネイティブ広告のABテストも簡単にできる機能がある。
つまり、「こっちのデザインのほうが効果あるよ」みたいなのがわかる分析機能もついているので、入れてみて数字を見ながらですかね。

開発者側が、「PR」とか「広告」っていう文言をちゃんといれたいっていう場合は入れられるんですか?

inmobi_member02

篠原:
あ、それは逆にメディアさん側で入れて頂くように徹底していて。
「広告、PR、スポンサードというワードは必ず入れて下さい」とアナウンスしています。

自社広告は流せるんですか?

篠原:
今はできないんですよね。ただ、当然自社広告も配信したいし、配信できるアドサーバ機能もつけてくれっていうご要望は頂いているので、そこは開発側と調整しているところです。

加治:
自社広告の配信は、確かにある方がいいね。

最後にメッセージなどあればどうぞ。

篠原:
今、インモビでは1400億くらい月間のバナーのインプレッションがあるのですが、この半分くらいは今年~来年にはネイティブ広告に切り替えていきたい、それくらい大きな流れだと考えています。

加治:
もちろんバナー広告もなくならないとは思うんですけど、ネイティブ広告の導入が進んで、
ユーザーもアプリが使いやすくなって、開発者側の収益も上がってと、みんながハッピーになるようなネットワークを作っていきたいです。

もしわからないところがあれば気軽に、問い合わせください!

インモビ、ネイティブ広告「InMobi Native Ads」:
http://japan.inmobi.com/ad-formats/native-ads/

取材協力:インモビ ジャパン
広告企画:アプリマーケティング研究所

編集後記

公開できない海外の事例なども見せてもらったのだが、やっぱりタイムライン系やコミュニケーションアプリは一番相性は良いっぽいね、あとは同じロジックで考えると「2chまとめリーダー」とかも良さそう。

Facebookのアプリインストール広告が収益化成功していたりという事実もあるし、ジャンルや実装方法にもよるだろうけど、この流れは少なからず加速するのでは。

「ボケがおもしろくないと広告効果0」それでもボケてのコラボ広告への依頼が絶えない理由。

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本日はボケてのインタビュー記事をお送りします。
「実はメンバーが集まることは少ない」という運営の裏側、ユニークなコラボ広告でのマネタイズ、など興味深い話が聞けました。

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(ボケてコラボ委員会の皆さん。左から、イセさん、ボケイヌ、新甚さん、平山さん)

それでは以下よりインタビューです。

ボケてについて

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ボケてはどのくらいのユーザーが使っている?

イセ:
いま、アプリのダウンロード数は350万DLです。
お題が月3万件、ボケの数で言うと月120万件くらい投稿されています。

PVでいうと、アプリとWEBあわせて月間2億PV以上で、
実はアプリからの利用が9割という状況です。

男女比は6:4で、意外に女性ユーザーも多い。2chまとめって女の子も普通にみるじゃないですか、それと同じでアプリが出てから「見るだけ」という女性ユーザーが増えてきた。

ソーシャルでのシェアで広がることも多い?

イセ:
そうですね、特にLINEでのシェアが過半数と多いです。グループに投稿している人が多いのかも。
昨年のデータですが、デイリーのシェア数でTwitter2,500、Facebook2,500、LINE5,000くらい。

ただ、どのソーシャルでシェアされやすいかはサービスによりますね。
30代以上が使うサービスだったら、Facebookのほうが多くなると思うし。

最初はWEBサービスだったんですよね?

イセ:
はい、2008年からPCではじめたサービスですが、
2012年の5月くらいに、NAVERまとめでまとめられたりしてブレイクしました。

そこからアプリが出来て、yahooやグノシーに記事を提供したり、
文化庁のメディア芸術祭でエンタメ部門を受賞させてもらったり。

ボケてで「ヒット作を生み出す人」って割ときまっているんですか?

イセ:
ヘビーユーザーは有利ということもなく、
平等に評価をしあえるシステムにしていますので、そこまで偏りはないです。

ボケの生存率でいうと実は1%以下ですね。
一日40,000ボケあって「注目」に入るのが200~300くらい、なかなか厳しい世界です。

ソーシャル連携もつけてないので「フォロワーが多い」などもないですし平等。
あと、TwitterとかFacebookのアカウントと連携させたりすると、
会社の上司のつまらないボケにお世辞で”いいね”つけたりとか、つまらないですよね。

マネタイズ・コラボ広告について

ビジネスモデルは、バナー広告と企業コラボでの収益ですか?

イセ:
そうですね、課金は入れてないので、収益源はバナー広告と企業コラボでの収入です。

笑いのサービスですし、まずユーザーが楽しめるというところを大切にして、
マネタイズはゆるめにやっています。

このコラボ広告って見ている限りは、ユーザーが嫌がっている感じがないですよね。

新甚:
ボケが人気にならないとコラボ広告がタイムラインに流れてこないのと、広告が出過ぎないように割合調整しているからというのもあるかもしれません。

「ユーザーメリットとマネタイズの両立」がコラボ委員会のテーマでもあるので、楽しんでやってもらえていると嬉しいです。広告主様にとってはシビアな環境ですが(笑)

bokecolabo
(※企業コラボのボケ画像のしたにはバナー広告がでる。ヒットボケがでるとバナーの露出がUPするので、「広告効果はユーザーのセンス次第」というユニークな仕組み)

企業コラボはどんなところとやっているの?

新甚:
アドビさん、中古車のガリバーさん、キリンさん、リクルートさん、日清さんなど、
いろんなお客さんとやらせていただいています。

ボケてコラボ委員会のホームページに直接、お問い合わせをいただくこともありますが、
過去のコラボ事例を見て「ああいうことがやれないか」と紹介などで興味をもってくれる方も多い。

ボケてらしい笑いを絡めたり、ボケ職人(ユーザー)の創造性を生かせるタイアップにならないと意味がないと思うので、獲得コストの数字ばかり見られるケース等は、お断りすることも頻繁にあります。

イセ:
クライアントには恵まれていますね、やっぱり、自然に問い合わせが来るっていうのが理想です。
営業を頑張らないといけないということは、あんまり商品がよくない可能性がありますから。

boketeufo

コラボはどのくらいの値段で出来るの、固定料金?

新甚:
これまでは一件一件カスタマイズ対応してきたのですが、6月からタイアップメニュー化してリリースしています。コラボの料金目安は、ざっくり500万円~ですね。

それとは別に、例えば漫画家さん、キャラクターの版元、テレビ局など、
権利を持っている人とのコラボは積極的にやっていきたいです。

コラボ広告って珍しいと思うけど、企業はどういうことを考えて広告だそうと思っているの?

新甚:
やっぱりボケてのコラボの場合は、
ユーザーが参加して新しい広告コンテンツが生まれるという特徴があるので、

例えば、消費者に「あ、こういう面白いことやる会社なんだ」と親近感をもってもらうためだったり、あとはボケ作品が創作物として残るので、それをソーシャルメディア等で利用できるのも特徴。

メディアへのプレスリリースなど、広報と絡めてもおもしろいです、
パチンコのサンヨーさんの「アタックナンバー1でボケて」は、業界内でかなり話題になっていたみたい、アドビさんの企画もけっこうメディアに取り上げられていたり。

宮崎の日南市のコラボ企画もおもしろいですね。

新甚:
ありがとうございます、市役所のマーケティング推進室からお声掛けいただいて実現しました。
市のPRで、観光と物産のアピールをされたいと。

日南市は理解があって、ボケての新しいチャレンジとして取り組めました。
市長さんに表敬訪問したのですが「僕の写真の素材をお題に使っていいよ」と言ってくれたり。

広告というか、一緒にコンテンツをつくるのに近いとおもうんですね。
ボケが1-2万あつまったりするので、それをクライアントがFacebookページでつかったり。

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行政がこれやるのすごいですね、どんなテンションでやっているんだろう。

新甚:
あ、日南市の方からのコメント見ますか?
結構、喜んでいただけたみたいですよ。

▼﨑田恭平 日南市長 談
今回の企画を通じ「何かやってる日南」「おもしろい日南」のイメージを発信することができ、日南市民はもちろんのこと、全国の方々から反響をいただくことができました。ご支援いただきましたボケて実行委員会の皆さまをはじめユーザーの方々に心から感謝申し上げます。

▼宮崎県日南市役所 産業経済部 商工観光課 マーケティング専門官 田鹿倫基 談
ボケてさんと日南市のコラボページに日南市公式ECサイト「みやざき日南物屋」へのリンクを貼っていたのですが、ボケに☆が着いたときは、アクセス数は10倍、売上は3倍まで伸びました。

表向きにはTwitterやFacebookで話題になった、という見られ方をしているのですが、
実際、地域の特産品の販売促進にもつながり、非常に良かったです。

bokete_nichinan_hyoukei

こういう「コラボ広告でのマネタイズ」って他のアプリでも出来ると思いますか?

新甚:
出来るサービスと、そうじゃないサービスがありますからね、
アイディアとサービスの対象によってでしょうか。

「消費者のファン化」という意味だとどのアプリでも共通してできることですよね、
ユーザーが欲しがって、自分が参加したいから来てくれるという風にしようと。

「参加型の愛される広告」をつくっていくことは、
もっといろんなサービスで、努力して追求すべきところなのかもしれないです。

イセ:
せっかく広告やるなら、おもしろいことやりたいですね、
ぼくは広告業界にいたので、コンテンツと広告の距離をもうちょっと近づけたいです。

アプリの運営についてどうやっている?

bokete_member02
※とりあえず、ボケての皆さんはすごい楽しそうにやっているなと感じた。

顔文字アプリの「カオコレ」では渋谷センター街で女子高生にアンケートやったらしいですが、ボケてでもやってる?

イセ:
ユーザーアンケートは、サービスにより使い分けていますね。カオコレの場合は、女子高生のことがわからないのでリサーチしなきゃいけないんですけど、ボケてに関しては、僕ら自身がユーザーなのであまりやらなくてすんでいる。

マーケティングで考えるというよりは思想ベースで判断しています、
ぼくらが「こっちのほうが良い」とおもっているからこうする、みたいな。

その話でいうと、ユーザーインタビューって下手したら「すごい薄まったもの」ができるじゃないですか、みんなが良いと思っているもの。それ、やっちゃだめなんですよ。

LINEくらいユーザーがいるサービスだったらいいけど、
100万ユーザーくらいで、それやっちゃうとつまんないものができる。

そういう意味では、僕らが意識しているのは「疑ってかかる」ということですね、世に言われている正攻法を「ほんとにそうなのか?」と疑ってみる。そうでないとおもしろいものは出来ないと感じる。

新しい企画などを判断するときは、どのように決めている?

イセ:
オモロキでは2人体制できめています、メンバー6人のうち2人がGOならいく、
みんなで決めると時間がかかるしエッジがなくなるので。

ボケてって3社で共同運営しているんですけど、
チームが完全フラットなおかげで、良い感じにスピードが出るというのはあるかな。

今日は取材なので集まっていますが、
実は、なかなかこのチームが1個の会社に集まることはなかったりします。

ほかのアプリとか見ていて、足りないと思うことありますか?

イセ:
もっと自分のやりたいことを出しても良いんじゃないか、と思ったりはしますね。
お利口すぎるのかな、しっかりスクールで勉強したことをやっている感じ、それだと同じものが出来るだけかなあと。

それから、ぼくが新卒のとき習ったのが「気ちがいを大事にしろ」笑
気ちがいの友達がいたら、そいつがすごいことやるかもしれないからやさしくしろと。

逆に、自分が気ちがいの人は自信をもってOK、やっぱりエッジをたたせないとだめ。

ソーシャル拡散の仕方とか上手だと思いますが、何か参考にしているサービスはありますか?

イセ:
けっこう参考にすることありますよ、海外のサービスが多いですかね。
例えば、ドロップボックスとかインスタグラムとかすごいうまい。

ただ参考にするのって、意外とアプリじゃなくてもいいんですよね。
クックパッドやiQONなどのグロースハックしている人たちは、スーパー優秀ですよね。

アプリを立ち上げる時「これが大事だよ」ということありますか?

イセ:
タイミングかな、みんなが考えていることってそんな変わらないはずなんですよ。
タイミングだけは人によるセンスの差がある気がしていて、

僕は2008年に起業したんですけど、
その頃ってiPhoneがでたばかりだったので絶対アプリで食えなかったんですね。

「チャンスが来たときに準備しておく」ってサッカーの本田圭佑がよくいうじゃないですか、
それと同じでまずは準備しておくことですかね。それで迷ったら「リトル本田」に聞くっていう。笑

ソフトバンクの孫さんはゴール・目標を決めてがーっと向かうじゃないですか、
あれが出来る人って超少ないですよね、普通の人にはキツすぎるとおもうんです。

ボケては0からのサービスで今は結果もだしていますが、これからアプリのサービスで成功したいですって人がいたらどんなアドバイスをしますか?

イセ:
成功したいというのはあくまで結果なので、
大事なのは「どういうものをつくりたいか」だと思いますね、

ボケてをやってみて学んだことでもあるんですけど、
結果的にそっちのほうがうまくいくと思う。

最初にぼくが6年前に会社つくったときには「3年で会社を上場させよう」と意気込んでいたのですが、そういうモチベーションだけだと、あんまり人って動かないんですよね。

例えば、ボケてだったら「みんなが心から笑って楽しめるサービスつくりたい」とか、
つくりたいものがあるやつは強いと思いますよ。

今後は海外も挑戦する予定ですか?

平山:
海外もやろうと思っていますよ。もちろん、事業として成功させたいというのもあるが、「各国での笑い」がどういうものなのか知りたいという好奇心が強い。

「エジプトでなぜかボケてが大ヒット」とかあるかもしれない、今も海外サイトで翻訳されたりすることもあるので、日本のボケがそのままウケるケースもあるんでしょうね。いろいろ実験しながらやっていきたいとおもいます。

最後に告知などがあればお願いします。

イセ:
メンバーも募集していますので、ボケての運営も含めてスマホのメディア、アプリづくりがおもしろそうだなと思った方はぜひ見てみてください。
http://www.halo-web.com/recruit/

ボケてのコラボに興味もった企業さんがいらっしゃいましたら、こちらからお問い合わせくださいませ。
http://omoroki.com/bokete-collabo/

取材協力:ボケてコラボ委員会(株式会社キャッチボール、株式会社ハロ、株式会社オモロキ)

ボケて(iOSAndroid
bokete_icon

編集後記

ボケてのコラボ広告はやはりユニークだった。というか、日南市(行政)がやっているのがうける。
「おもしろいボケが生まれないと、まったくPRにならない」っていうシステムも良いとおもう。

ボケてに限らず、ソーシャルの時代だから、おもしろい話題をつくってくのは大事だよね。ユーザーに「クソワロタwww」って言わせると。モバゲーの和田アキ子×進撃の巨人コラボの「現実の巨人」とかおもしろいよなあ、ああいうのやってみたい。

「動画広告は15秒がベスト」AdcolonyのCEOが語る、アメリカで急成長中のモバイル動画広告市場。

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サイバーエージェント主催の「AES(アドエンジニアリングサミット)」から、
本記事では世界規模のアドネットワークAdcolonyのCEOウィル・カッソイさんの講演をお届けします。
動画広告の市場について理解を深めることができる内容です。

「米国事例に学ぶ動画広告の可能性と日本の課題」 Adcolony CEO ウィル・カッソイさん


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Adcolonyについて&会場からの質問

Adcolony(アドコロニー)について

2011年に創業した動画広告のアドネットワーク、0.1秒で動画広告の再生をスタートさせるなども強み。
(Adcolony調査では、モバイル動画の再生までの読み込み時間は、世界中で6.5年以上(20億秒以上)の時間が毎日浪費されているとのこと)

アメリカのトップ100の75%のアプリで導入されている。
Hasoffersの発表では、アドネットワーク375社中3位、
動画アドネットワークでは1位にランク付けされた。(規模だけでなく収益性なども指標になっている)

adcolony_advertiser
※日本やアジアの広告主もたくさんいるとのこと。

アドコロニーの動画広告は、広告主は1再生あたり平均いくらぐらい払うのか?アプリ開発者に還元されるのはいくら?

例えば、仮にコカ・コーラが広告主だったとしましょう、
この場合コカコーラは1回の動画再生あたり2-7セント(約2-7円)の広告費を支払います。
CPM(広告1000回表示あたりのコスト)でいうと20~70ドルですね。

それで、その広告予算の平均60%がアプリ開発者に還元されます、
アドコロニーとアプリ開発者で40:60で収益を分けるということです。条件によって多少前後はしますけど。

アドコロニーの場合、ユーザーが動画を最後まで見終わってはじめて課金していまして、
これをCost Per Completed Videoview(動画視聴完了あたりのコスト)と呼んでいますが、動画広告をユーザーが最後まで試聴する率は95%にも及びます。

一般的な単価感(相場)でいうと1回の動画視聴あたりのコストとしては、
スマホの場合は2-4セント(約2-7円)、タブレットの場合3-6セント(約3-6円)くらいでしょうか、ターゲティングを絞るともう少し高くなったりもします。

adcolony_adfee
※編集部作成、お金の流れイメージ図。

アドコロニーの動画広告でつかう動画素材というのは、お客さんがそれぞれつくっているんでしょうか?それともアドコロニーがつくっている?

ケースバイケースです。
ソニー、ホンダ、コカ・コーラのような大きなブランドは自社でつくった動画をもっている場合が多い。

アプリの広告主の場合は、我々が動画を制作することも多い、
1日1本くらいはうちでつくっているかな。

動画広告の長さは15秒程度がベスト

動画広告の長さについて、我々のネットワーク上の全てのビデオの長さについて分析を行ったところ、
11~20秒が最も高い視聴率を得られる動画広告の長さということが判明した。

なので我々は動画をつくるときには、
最高の結果を得られるように15秒程度の長さで動画をつくっている。

adcolony04

最近キャンディークラッシュのキングが日本に拠点を置いたが、アメリカのアプリパブリッシャーたちは日本市場に興味をもっている?

もちろん。スーパーセルも興味を持っているように、
日本での成功に強い関心をもっているパブリッシャーはたくさん見てきているし、
実際日本はゲームに関して多くの遺産があるパワフルな市場だ。

中には、「アメリカ市場(英語圏)のみにお金をつぎこむべきだ」という人もいるが、それは怠慢だ。
賢い開発者はグローバルに目を向けて計画を立てて動いている。

我々アドコロニーも、日本・韓国・タイなど、クオリティの高いコンテンツを求めるユーザーがいる世界の各地域で、開発者を成功させられるようにチャレンジしていたい。

アメリカの動画広告マーケット

モバイルデバイスの普及率

アメリカではタブレットは47%、スマホは51%の普及率で、
スマホやタブレットで動画をみるユーザーは2億人以上いる、
54-77%のモバイルユーザーは最低月1で動画を視聴している。

ユーザーはスマホをいじっている時間の80%もの時間をアプリに費やしていることからもわかるように、アプリは非常に重要なポジションにある。

動画広告市場は世界100億円規模に。

アメリカのモバイル動画広告市場は急速に成長中。
市場規模は2013⇒2014年で2倍に伸びていて、広告分野では一番ハイスピードな成長。

2014年の時点で市場規模は1400万ドル(約14億円)、さらに今後4年で5000万ドル(約50億円)に成長し、世界規模では1億ドル(約100億円)まで成長すると言われている。

adcolony01

経営者やマーケターからの注目度も高い。

アドコロニーのパートナーや広告主に「2014年に最も注目するユーザー獲得チャネルはどれ?」とアンケートをとったところ、1位は動画(39%)で、2位はソーシャルメディア(31%)だった。
アメリカではモバイル動画とソーシャルメディア分野が非常に注目を集めている。

adcolony02

動画広告に移行するアプリ開発者も。

最近アプリパブリッシャーを見ていて感じるトレンドは、オファーウォール型広告のマネタイズの調子が落ちてきていること、理由は効果が薄いから。

私が知っているパブリッシャーの中にはユーザーエクスペリエンスを良くするために、
バナー広告ではなく動画広告のみでマネタイズした結果、バナー広告と同様以上の収益額を稼いでいる人もいる。

日本でも動画はホットになる。

日本でのスマホの浸透率はアメリカより高く、2014年で普及率59%と予想されている。
つまり日本には6400万人のスマホユーザーがいて、日々数百万人もの人たちが動画を見ているということ。

アメリカではテレビのようなコンテンツがネイティブアプリ上でもたらされている。HuluやNetFlixなどもそうだが、TV番組をモバイルで視聴するようになっている。ますます動画にはチャンスがあるし、日本においてもそうなってくるはず。

adcolony03

取材協力:株式会社サイバーエージェント、Adcolony

編集後記

Adcolonyの動画広告がVIMEOにあったので張っておきます。
テレビCMっぽい感じで流れて、最後にDLなり、サイトへのアクセスなりに誘導できる。

上記の動画広告の結果がAdcolonyのサイトで公開されていた。
84万再生で8900人が「アプリDL」か「DVDを買う」のボタンをクリックしたとのこと。
adcolony_adresult

ひとつ気になる点としては、Adcolonyの動画広告ってユーザーにアプリ内通貨をあげて、
動画広告を再生してもらう形だと思うけれど(そうではない形式もあるようだが)

いま各所で話題になっているように、
「Appleがユーザーインセンティブ渡すような仕組み(リワード)はリジェクト」という部分は問題ないのだろうか。

一応アメリカのTwitterなどで検索しても、
そういったクチコミや記事は出てこなかったのですが。

「スマホ動画は昼休みに見る人が多い」LINE田端氏がおしえるスマホ時代のゴールデンタイム。

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サイバーエージェント社のセミナー(「IPM~時代をリードするマーケターのための実践型セミナー」)よりLINEの田端さんの講演をお届けします。

LINEメディアの特徴や、動画広告市場の話などの理解を深めることができる内容です。

「国内約5,100万人のユーザーを抱えるLINEを活用した新たなマーケティング手法」LINE株式会社 上級執行役員 田端 信太郎さん


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(※写真はLINEマーケティングセミナーで撮影したもの)

LINEの全体状況

今4億3,000万人までユーザー増えている、涼しくなる前ぐらいうちには5億人いけるかなと思っている。

そして、ほとんどが海外ユーザーになってきている。このグラフを作った時は海外比率85%だったが、今は国内12%、海外88%。日本国内のユーザー数は5,100万人。

台湾は人口3,000万人に対しLINEユーザー1,700万人、タイは人口6,000万に対し2,400万人という状況。アジアパシフィックに非常に強いメディアになってきている。

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スマートフォン×動画について

アメリカでは2017年には1兆円の史上規模に

Eマーケットがだしたデータでは、今アメリカではTVCM全体の予算規模の1割まで、WEBの動画の方が伸びてきている。完全にスマホ含めたネット動画が、メジャーになっている。

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日本の動画広告はまだまだだが成長市場。

アメリカと比較すると日本はまだまだ。TVCM全体を占めてるネット比率は2017年でも3.6%と低い。

ただ、あと3年で600億円規模(今の倍)ぐらいまでいくはず。スマートフォンの動画広告市場は、成長マーケット。

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実はスマホはセカンドスクリーンではない。

「スマホで動画を見る」ということが当たり前になってきている。

スマホで動画を見てるユーザーの比率は全体で平均32%、スマホユーザーのみに特化した集計では6割近い人が動画を見ている、タブレットと比べてもスマホの方がはるかに高く、PCと比べても変わらないレベル。

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アジアはスマホ先進国。

アジアではスマホの普及率も非常に高い、香港、シンガポール、マレーシアなどでは、若者にとってスマホこそがメインで動画コンテンツを見るデバイス、TVのような感じになっている。

よく、「スマホはセカンドスクリーン」と言うのですけど、実態としてはTVの方がセカンドで、スマートフォンの方がファーストなんじゃないか。

所得の関係もあり、各個人の部屋にTVがないようなアジア圏ではより傾向が強まっているはず。スマホ×動画というところは世界でも非常に重要な領域になっている。

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「TV・PC・スマホ」どれかではなく3つを行き来している。

「動画の見られ方」の特徴も調査会社を利用してリサーチしている。

スマホの広告営業をしていると「今の人はTVは見ません」と言いたくなるけど、そういう人はあまりいなくて、TV・PC・スマホ、3つをマルチスクリーンで行き来しているのが実態。

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昼休みにスマホで動画を見る人が多い。

場所・時間もスマホの特徴、例えば「昼休みにスマートフォンで動画を見る人」が非常に増えているのは面白いデータ。

ファーストフードの「14時以降にはじまるカフェメニュー」みたいな広告を、TVで朝の時間帯に見ても忘れちゃうが、昼休みにスマホの動画広告で見てもらえれば、買ってもらいやすいはず。

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スマホ時代のゴールデンタイムは「電車の中」

スマホは通勤中・隙間時間に見てもらったり、リビングじゃなくてオフィスで見てもらいやすいという、TVやPCと違った特徴がある。

今、ゴールデンタイムはリビングルームじゃなくて、電車の中などの隙間時間がゴールデンタイムなのかもしれない。

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LINE「フリーコインVideo」について

LINEの動画広告「フリーコインVideo」

LINEでは、「フリーコインVideo」という動画広告を今年の春から導入している。

ニールセンさんの調査によると、今日本の総ネット利用時間の20%がLINE占めているそうで、そのLINEの中に動画広告を流せるというメニュー。

ユーザーに動画を見てもらうためのインセンティブとして、視聴を完了したユーザーにはLINEのスタンプとかが買えるバーチャルなコインを2コイン(2円相当)プレゼントしている。

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「暇だから動画広告を見る」という人が多い。

よく「バーゲンハンター的な人が多いんじゃないですか?」と懸念をいただくが、スタンプ1個買うために100コインいるので「内職感覚でコインが欲しい」というのは効率が良くない。

逆に「暇だからなんとなく面白いものないかな」というユーザーが実際の視聴ターゲットではほとんど。動画を無理に見せつけるようなウザさはないかなと思っている。

提供できているのはAndroid版のみ、LINEのAndroid版は、日本国内でも今2,500万人以上(LINE全体6割近く)。

linetabata11
(※LINEのAndroid版のDAUは58%とのこと。へー!)

LINEフリーコインは10-20代女性に強い。

LINEのメディア特性を、(1)LINEユーザー全体、(2)スマホユーザー全体、(3)LINEの中でフリーコイン見に来てる人、という3つのセグメントで見てみたところ、フリーコインユーザーは若い女性が多い。

フリーコインは59%の方が女性と多く、一番注目すべきなのは12-19歳のゾーンの比率の多さ。

(1)LINEユーザーでは15%、(2)スマホユーザー全体では約10%ですが、(3)フリーコインでは32%をも占めている。

20代まで含めると6割近く。大多数が20代、あるいは10代若いユーザーに対してリーチできることがメディア特性。

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15秒・30秒(最長120秒)などの時間でCMを見ることができるが、見終わらないとコインがもらえないので、7割の人が視聴を完了する。

特殊なのは、動画を見終わった画面に企業さんのサイトやアプリのダウンロードページへのリンクを埋めることもできるが、リンクのCTR(クリック率)が非常に高い。実際のCTRを見ると30-50%が多く、最高60~70%までいく。

1視聴の単価は基本20円、100万ビュー以上の場合は1視聴10円。基本的には動画の視聴数(ビュー)で課金だが、クリック保証型の動画メニューもある。

取材協力:LINE株式会社、株式会社サイバーエージェント

編集後記

海外のアプリを見ていると特に、動画広告は増えているように感じる、あと全画面のインタースティシャル広告も日本よりかなり多い。

あと、昼休みにスマホで動画を見ているっていうのもおもしろいね。

ちなみにYoutubeのトラフィックって公開されていて(ここ参照)、日本に絞って見てみると、たしかにお昼(12-13時)にアクセス伸びている日が多い。

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※スマホもPCもタブレットもまぜこぜなので、スマホに絞ったらもっと顕著に12-13時が伸びているのかもしれない。

ブースト広告費も大きく回収、1,000万円稼いだ放置系アプリ「小学生あるある」の裏側。

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本日はコワーキングスペースで活動しているアプリ開発チーム「株式会社grape(グレープ)」のみなさんにお話を伺いました。放置系ゲームの高収益性、ブースト広告の実例など興味深いお話も。

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(※写真は左からgrapeの白川さん、黒澤さん、イカさん)

謎のゲームアプリ「精子vs卵子」について

このアプリ開発チームは、何の集まりですか?

白川:
「タネマキ」という横浜のコワーキングスペースに入っている3人で、去年の11月にチームを組んでアプリ開発をはじめました。いまは株式会社grapeとして活動しています。

企画、イラストデザイナー、開発と、それぞれ役割分担している感じです。

最初にうまくいったアプリは?

白川:
ダウンロード数で言うと「精子vs卵子」ですね。
ダウンロード数は70万強くらい、AppStore総合10位、カテゴリでは1位までいけました。

「精子vs卵子」はどういう風に企画ができたんですか?

白川:
まず真ん中に主人公がいて、敵が四方八方からやってくるっていうゲームシステムだけあって、そのまま出しても流行らないだろうということで、後付けで「精子vs卵子」の設定にしました。

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※敵をよけながらアイテムを回収するゲーム。「アプリ開発の練習も兼ねて出した」とのこと。

際どい気もしますが、審査は問題なくとおったんですね。

白川:
通りましたね・・・内心ドキドキしていたのですけどね。
ゲーム性は問題ないですし、ちゃんと中を見て判断してくれたということかと思います。

1ダウンロードあたりの収益性ってどのくらいなんですか?

白川:
「精子vs卵子」は1ダウンロードあたり1-2円の収益です。リリースして2か月で100万円以上の収益にはなっていました。(※課金はないので広告収益のみ)

ダウンロードを伸ばすためにやったことは?

白川:
特にやっていなくて、知り合いに「アプリ出したよ」って言ったくらいですね。

アプリメディアへのプレスリリースは送りましたが反応はなかったです、やばいアプリだと思われたのかもしれません。笑

seishiranshi02
(※「ツイートでモード解放」などソーシャルシェアの機能は盛り込まれていた。)

何がきっかけでランキングが伸びたんですか?

イカ:
最初は、ネイバーで誰かがまとめてくれたのをキッカケにTwitterでバズったんです。それでAppStoreランキングが上がって、後からメディアが取り上げてくれるという流れでした。

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(※NAVERまとめは82万ビューもあって、Twitterでめちゃバズった形跡がある。)

ランキングの推移みるとブーストやってるっぽいですね?

白川:
「精子vs卵子」はネットでバズった後に一回ブーストしたんですよね。約100万円の予算で、数万ダウンロードをブーストしましたが回収できませんでした、ほろにがい思い出です。

イカ:
全然回収できませんでした、他のアクションゲームでやってもたぶんダメなんでしょうね。実はブーストやってみたのは「小学生あるある」で収益がでたので、それで試しにやってみようという感じだったんです。

(※補足:「1ダウンロード1円の収益性で回収できるわけないだろ!」というツッコミもあると思うが、それは承知の上で「カジュアルゲームはホントにブーストで広告費のペイはできないのか?」を一回実証してみたかったとのこと。)

「小学生あるある」について

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※小学生時代のなつかしいあるあるネタをアプリ化したもの。

「小学生あるある」が出たのはいつでしたっけ。

白川:
今年の3月ですね。「放置系ゲームは収益性がいい」という話があったのでそれでつくってみようとなりました、

ツイッターで流行っていた「くそ女のあるあるネタ」からヒントを得ました。それでちょうど僕が「あるあるネタのユーザー投稿サイト」を運営していて、その中で一番人気のスレが「小学生あるある」だったんですね。その中から人気のネタを全部で90こイラスト化してアプリをつくりました。

↓ヒントになったという「くそ女あるある」
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クソ女処刑botより。

リリース当初は調子はどうでしたか?

白川:
今の「小学生あるある」のダウンロード数は26万を超えたところですが、初速はよくなかったんです。

ただ「間違ってるのかな?」ってくらい異様に収益性が良かった。なので「これブーストすれば、絶対元取れるでしょ」ということでブーストしたんですよ。

ブーストしてランキングが上がるといろんな人の目に触れたのか、ねとらぼやロケットニュースなどでも取り上げてくれてネットでバズりました。

ブーストにどのくらい予算かけたんですか?

白川:
GAMEFEATさんの1ダウンロード20円のブーストをつかいました。20-30万円の予算で1万ダウンロード分くらい、AppStoreの総合50位を目指してブースト実施して。

結果としては余裕で広告費の20-30万円分は回収できましたね、なので今度2回目もやります。

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「小学生あるある」は1ダウンロードあたりの収益は公開できますか?

白川:
「小学生あるある」の収益性は1ダウンロード40円ぐらいです、累計で約1,000万円の収益がでました。(※26万ダウンロード×40円=1040万円)

広告収益のバランスは?

白川:
CPIのアイコン広告はGAMEFEAT、CPCのバナー広告はAdmobです。なぜか他より1.5倍くらい収益性がよかったのでAdmobつかっています。バランス的にはCPI60%:CPC40%という感じです。アプリ内課金はいれていません。

(※CPI=広告経由でアプリがインストールされると収益が入ってくる広告、CPC=クリックされると収益が入ってくる広告)

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放置系アプリをつくった人がブースト広告をやる時にアドバイスできることは?

白川:
うーん、そのアプリが流行るかによって全然結果が違うので、まずはアプリ次第だとおもいます。あとはアイコンと名前を工夫してからやるべきですかね。ブーストでランキングが上昇した時に、どのくらいユーザーを取り込めるかの勝負なので。

僕らはアイコンとアプリ名が目立つようにするのはスゴくこだわっていて、仮想AppStoreのビューアーアプリを作って、そこにアイコンとアプリ名をはめこんで目立つかチェックしています。

「小学生あるある」はユーザーがツイートする時の文章も工夫していますね。ツイート文章はサーバー側からいつでも変えられるようにしていて、バズり具合を見て随時変更しています。

↓「仮想AppStoreアプリ」のスクリーンショット。
これをつかって事前にアイコンとアプリ名を並べてみると。
kasou_appstore

他にこだわったところありますか?

白川:
放置のレベルアップのバランスは何度も調節しました、他の放置ゲームも結構さわってみたりして。

でも正直「小学生あるある」を出す前は「これ大丈夫かな、ダメかもな」って思ってましたね。放置系って自分の中ではネタばれしてる状態でテストプレイをしなきゃいけないし、つくってるときは面白く感じなかったんですよね。

出してみたらレビューも★5ばかりついていて、やっぱり大丈夫だったんだって。自分のつくってるものを客観的に見るのは難しいですね。

告知したいことなどあればどうぞ。

白川:
今後はもっと工数をかけて「本当の面白いゲーム」をつくろうと考えています、もし一緒に手伝ってくれる(社員ではなくて)プロジェクトに参加してくれる仲間がいたら、声かけてもらえたらうれしいです。デザインでも開発でも歓迎です。(連絡先はこちら

取材協力:株式会社grape

小学生あるある(iOS
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編集後記

割と外部要因でヒットにつながっているので、「精子vs卵子」も「小学生あるある」もまったくヒットしませんでした、という結果であってもおかしくないとおもう。(もちろん「ネタ選びの勝利である」ともいえる)

つまり「放置系ゲームをつくったらなんでも儲かるか?」というとそうではないし運もあると思う。(実際「放置系ゲームの死骸」はAppStoreにはゴロゴロ転がっている)

ブーストの踏み切り方とかは、割と行き当たりばったり感もあって「思い切ったなー」という感じですが、結果だしたのはすごいw つぎにつくる予定の「本当の面白いゲーム」でどんなゲームがでてくるかで、周りの評価が変わりそうな開発者さんです。

「コワーキングスペースでアプリ開発チームつくる」⇒「うまくいって法人化」っていう流れはおもしろいですよね、頑張って欲しい!


「サクラっているの?」月1,000万円広告で稼ぐメッセ交換アプリ「メッセージバード」成長秘話と運営の裏側にせまる。

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本日は知らない人とメッセージ交換するコミュニケーションアプリ「メッセージバード」のインタビュー記事をお送りします。業界での知名度は高くはないと思うのですが、広告収益やダウンロード数・意外な運営の裏側など、とても興味深いお話が聞けました。

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※「メッセージバード」運営のBTD STUDIO 取締役の神初(かみはつ)さん

メッセージバードについて

「メッセージバード」はどんなアプリですか?

神初:
メッセージバードは知らない誰かと簡単にメッセージ交換ができるアプリです。

リリース当初(2011年)は、ゲーム以外のアプリ企画を検討する中で、ボトルメールのように1日1~2通の返信がくるような、ゆるいメッセージサービスとして開発しました。

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※アプリ上でチャットが出来る、10代ユーザーが多い印象。

当初のコンセプトは「ボトルメール」のようなサービスだったんですね。

神初:
はい、ランダムメッセージサービスは20年前からあるものですし、どんなプラットフォームでもニーズはあるかなと。

ただサービス開始当初と違い、いまはチャットのようなスピードのメッセージサービスになっています。現在ではメッセージバード内で1日1,000万通以上のメールが送られていますね。

リリースした2011年8月は、ちょうどLINEが出始めた頃でしたが、やっぱり今の若者って「今でしょ世代」なんですよ。

当時10代のユーザーが半分以上だったのですが、1分遅れるだけで「遅延してるぞ」とクレームが入るような状態でした。

「そんなこと言われてもコンセプトが違うんだけど(泣)」と思いながらも、ユーザーの声に順応していった結果、いまの状態(リアルタイムに近いメッセージサービス)になりました。

いま、運営はどのくらいの人数でやっているんですか?

神初:
5名で運営しています。私は広告と全体を見ています。開発はサーバー含めてすべて内製です。

ダウンロード数はどのくらいですか?

神初:
2014年7月で200万ダウンロードを突破したところです。iOSとAndroidの割合でいうと、iOSが3割ぐらい多いですね。

月間アクティブユーザー(MAU)は現在15万人ほどですが、時期によって増減がかなりあります。

特徴としては、デイリーアクティブユーザー(DAU)のうち、翌日もアプリを利用するユーザーが70%以上いるんです。コアなユーザーがとてもアクティブに使っているアプリということですね。

ユーザーの年齢層はどんな感じですか?

神初:
年齢層は20代が50%、10代が35%、残りの15%くらいが30代ですね。

サービス1年目は10代が多く30代以上が離れてしまっていたのですが、少しずつ30代以上のユーザーも戻ってきています。

男女比率はほぼ半々です。男性5割、女性4割ちょい、あとは「その他」。「その他」というのは、女性が出会い厨が面倒くさいから、そのように設定したりという感じでしょうか。

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※図は編集部作成、ざっくりのユーザーグラフ。

マネタイズ・ビジネスモデルについて

メッセージバードは、どこで収益をあげているんですか?

神初:
メッセージバードは、広告収入がほぼ100%に近いアプリなんです。課金収入(バードポイント)は1割もいかないですね。

月間の広告収益はだいたい1,000万円くらいで、一番売上が多い月には2,000万円近くになったこともあります。

実はリリースして3年近くこの数値をキープしています、このレベルで広告収益が出続けているアプリって、なかなか珍しいのかなと感じます。

え、そうなんですか。課金(バードポイント)はあまり収益になってないんですか?

神初:
うちは課金しなくても誰かのメッセージに返信するとポイントがもらえるので、ポイントを買う必要がないんですね。

なので逆に「ユーザーにどうポイントを消化してもらうか」に頭を悩ませています。

messagebird_bp
※メッセージを送るとバードポイントを消費、購入も可能。しかし、届いたメッセージに返信するとポイントが増えるのであまりなくならない。

広告枠でいうと、どれが収益額的に稼いでいますか。

神初:
フッターの広告が圧倒的に一番ですね。これは単純にインプレッションの差なので、フッターが一番ボリュームがあるという話です。

インタースティシャル(全画面広告)は1impあたりの収益性は高いのですが、画像拡大を行った時の1アクションに対して1回広告が出る形なので、そこまで表示回数が多くないのです。

ユーザーがうまく伸びた施策などはありますか?

神初:
Facebookのアプリインストール広告がはじまった当初、2ヶ月間くらいはとんでもなく安い値段で大量にユーザーが獲得できました。すぐ皆さん気づいて競争が激しくなってしまったのですが・・・。

ユーザーのおもしろい使い方

若いユーザーの使い方で「おもしろいな」と感じる使い方はありますか?

神初:
このアプリをやっていると「若者のコミュニケーションとは何か」ってすごく考えるのですが、若い人ってすごく短文なんですよね。

例えば「暇」「かまって」「かまちょ」みたいな。あと「164cm、54kg」みたいな感じで、自分の身長と体重だけつぶやく人もいます。

これで会話が成り立つのが不思議なんですけど、楽だからでしょうね、考えなくていいから。

「受け身の押しつけ」とでもいうんですかね?誰かが反応してくれることでコミュニケーションがはじまると。なのである意味、Twitter感覚でつかってくれているユーザーも多い。

messagebird_tanbunmail
※最初はこんな感じの短文メッセージが飛び交う。

基本「暇だからメッセージバードやってる」という感じなのですかね。

神初:
そう。それと、今の高校生とかってTwitterでリアル友達とつながっているので、Twitter上では変なことをつぶやけないわけですね。

そうなってくると、メッセージバードみたいなところで悩みを吐き出したりする。

中でも(トップレベルの)ヘビーユーザーは全員女性で、1日23時間もメッセージバードを使っている人もいる。データ上では1時間しか寝てないことになるんですけど、もう中毒ですよね。

特に女性の場合、「なんか眠い」ってつぶやくだけで、1分で相当な数の返信がくることも多いので、どんどん依存してしまうのかなあと。かまってちゃん御用達のアプリだと思いますよ。

「予想外のユーザーの使い方」は何かありますか?

神初:
ありますあります。今年スナップチャット的な、一定時間で消える画像の投稿機能を入れたんですね。

面白かったのが、数学の問題を写真で撮って「この問題わからないから教えてくれ」という使い方がめちゃくちゃ多くて(笑)

そして、その画像に赤ペン先生みたいに、誰かが赤ペンを入れて回答を返すという使い方が、一番驚きがありました。

サクラは存在するのか。

btdstudio_kamihatsu02
※とても良い人で快くいろいろ教えてくれた。(メッセージ系アプリというとアングラな感じを想像していたが)

男女のユーザー数のバランスを取るのが難しそうですが、工夫していることってありますか?

神初:
集客に関しては、女性ターゲットの広告を多くだしています。

あとは、やっぱりコミュニティの質にこだわっています。特に「女性の居心地が良いように」というのが大事、女性がいれば男性は勝手に集まってくるので。

出会い目的の文章はNGワードシステムで止めたり、画像に関してもシステムでのチェックに加えて目視チェックを24時間やってます。

万が一NGワードのチェックから抜けてしまっても、メッセージバードのユーザーさんはちゃんと通報してくれるので、数分で違反アカウントはBANされる体制になっています。

類似サービスをみていると、炎上してしまったり、男性ユーザーだらけになって、実質サービスが終了しているサービスもありますが、これはやはり「コミュニティの質」によるところが大きいと感じます。

じゃあ「メッセージバードでリアルに会える」っていうことは実質ないと。

神初:
はい、規約違反ですので、基本的にありえません。メッセージバード内で楽しんでくださいというスタンスです。

ネットを通じて事件に発展することもあるので、うちはもう「絶対に会うな」というスタンスで運営しています。出会っちゃいけない系アプリですね。

かわいい女の子めっちゃ多いじゃないですか。ぶっちゃけサクラっているんですか?

神初:
もちろん、いないですよ。やっぱりサクラ疑惑はあると思うのですが、女子高生とかの自撮りや写真を盛る能力が上がっているのもあるんでしょうね。

そもそもポイントを使わずに遊べるので、サクラを雇っても仕方がないですし。

海外ユーザーについて

海外版のアプリは英語に翻訳・ローカライズしているのですか。

神初:
はい、英語と中国語版があります。

もう少し課金の仕組みがうまく回るようになってきたら、本格的に海外はローカライズしてやっていこうかなと思っています。アメリカと韓国とヨーロッパは、広告収入ベースでもそこそこ高いですし。

海外ユーザーの状況はどうですか?

神初:
海外ユーザーは全体の10%くらいです、いろんな国で使ってもらっています。

東南アジアは台湾やシンガポール、タイ、フィリピンが多いですね。あとは女性が少ないからか中東。ターバン姿の人がアラビア語でつぶやいてくれています。

「ねえ、Facebookやってる?自家用ジェットで迎えにいくよ」とか、ネタか本当かわからないんですけど、すごいことを書いているアラブの方もいました。

あと海外から見ると、日本はアニメや漫画の国なので、ブラジルやフランスのコスプレーヤーの方がコスプレ写真を投稿することも多い、「進撃の巨人」は海外でも超人気ですね。

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※海外ユーザーもちらほら、自動翻訳機能もついていて言葉がわからなくても会話できなくはない。

今後の展開について

今後、新たに挑戦しようとしていることはありますか?

神初:
自然言語系の解析とレコメンドですね。メッセージバードで話題になっているワードなどを分析すると、これから何が流行ってくるとか、何が今10代でウケているとかがわかるんですよ。

例えば、メッセージバードで話題になっているキーワードを見ることで、最先端の邦楽なども、世の中で騒がれる3ヶ月〜半年ぐらい前に情報をキャッチできるんですよね。これは何か次のビジネスに活かせないかなと考えています。

最後に告知などがあればどうぞ。

神初:
スタッフを募集しています、ゲームだけでなくソーシャルやコミュニティというジャンルにも興味がある方がいれば、いろいろと面白いことができるかなと思います。

メッセージバードとのコラボなどのお話も大歓迎ですので、お気軽にお声がけください。

取材協力:BTD STUDIO株式会社

メッセージバード(iOSAndroid
messagebird_icon

編集後記

200万ダウンロードもいってるアプリなのに、全然知りませんでした。最初は「出会い系のアプリかな?」と思っていたのですが、話を聞いてみたら運営体制も含めて、めちゃくちゃ健全であり真面目なアプリだった。

そして、課金収益が10%以下というのは意外。アプリ使ってみるとわかるのですが、たしかに全然ポイントなくならないですね・・・!ふつうにダラダラと使ってみたのですが、けっこうおもしろいです。

有料アプリを無料化するとどうなるの?かみあぷ速報の「24時間無料化」の宣伝効果を検証。

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先日macpeopleという雑誌で、アプリレビューサイトの7メディアのインタビュー記事を書いたのですが(macpeople10月号)、その時に「かみあぷ速報」というメディアの編集長の方に話を聞きました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
※「かみあぷ速報」の福田さん(アプリーナさん)。ググってみたらiPhone界の寿司ドルらしいです、すごい。

本題ですが、「かみあぷ速報」さんでは「有料アプリを24時間限定で無料化する企画」をやっていて、実はこれ無料で出来るということで、その効果検証の結果をまとめました。「有料アプリのダウンロードを伸ばす方法」としてご参考ください。

「24時間無料化」ってなに?

かみあぷ速報(PVとアプリあわせて月間1,000万PV)がお願いをして、アプリ開発者さんが「特別に有料アプリを24時間だけ無料にしてくれる」という企画。※iOSアプリのみ。

例:100円→無料 最強バイブで叩き起こす『強力無音タイマー』が今だけタダ
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

「実際のところどうなんだろう?」ということで、最近「24時間無料化」を実施した、アプリ開発者さん3人に、かみあぷ速報さんご協力のもとお話を聞いてみました。

以下インタビューをご覧ください。

「かんたん顔文字登録 顔文字+」のRivawanさん

kamiapp_kaomoji

「24時間無料化」で、ダウンロード数はどのくらい増えましたか?

Rivawan:
かみあぷさんの「24時間無料化」を実施してみたところ、約25,000ダウンロード増となりました。

無料化を終えてどんな「良い影響」がでましたか?

Rivawan:
無料化が終わり有料に戻ったあと、無料化を行う前よりも良い順位にランキング入りしました。無料化前後で、カテゴリランキングで6位⇒2位、有料総合で圏外⇒70位という結果になりました。

そのため無料化終了後も、以前より1日のダウンロード数が倍以上となる日が続き、検索順位も上昇しました。期待以上の効果を得られたと感じています。

また無料セールがフックになり、AppBankや男子ハックなどのサイトで取り上げていただきました。特にこちらからアプローチは行っていません。

顔文字アプリの決定版『かんたん顔文字登録』が100円→無料!(AppBank)
100円→無料!顔文字アプリ「かんたん顔文字登録 – 顔文字+」(男子ハック)

今回の「無料セール」の経験を踏まえて、アドバイスなどあればお願いします。

Rivawan:
メディア側で取り上げやすいアプリであれば、有料アプリの無料化は大いにオススメします。

App Storeでは日々たくさんのアプリがセールを行っているため、ただ無料にするだけでは埋もれてしまい、あまり効果は望めないと思います。

かみあぷさんのような大手メディアの「無料企画」などに乗っかるか、メディアにプレスリリースを送るなどしてアピールはすることは必要だと感じます。

告知などありましたらお願いします。

Rivawan:
iOS8リリースに向けて使いやすい顔文字キーボードIMEの準備を進めています。またリリースの際はよろしくお願いします!

かんたん顔文字登録 顔文字+
kaomoji_icon

「Likeカメラ」NTTレゾナントの吉永さん

kamiapp_likecamera

「24時間無料化」で、ダウンロード数はどのくらい増えましたか?

吉永:
約32,000ダウンロード増えました。無料化して総合ランキングに入ってからは、ランキング経由のダウンロードがかなり増え、無料総合28位・カメラカテゴリ2位まで上昇しました。

無料化を終えてどんな「良い影響」がでましたか?

吉永:
実施前の30日と実施後の30日を比べると、アプリの売上本数は約1.7倍になっています。無料化終了の翌日は、通常の6倍ほどの売上がありました。正確には計測していませんが、他の自社アプリも多少ダウンロード数が伸びていると思います。

今回の「無料セール」の経験を踏まえて、アドバイスなどあればお願いします。

吉永:
メリットもデメリットもあるとは思いますが、有料アプリがランキング圏外に入ってしまい、沈黙している場合は試してみる価値はあるかもしれません!

告知などありましたらお願いします。

吉永:
カメラアプリとは全く違うジャンルですが、LINEスタンプで人気が出た「エヅプトくん」のカジュアルゲームをリリース予定です。ぜひよろしくお願いします。笑

eduputokun
※吉永さんは「エヅプトくん」LINEスタンプの作者さんでもある。

Likeカメラ
likecamera_icon

強力無音タイマーの黒住さん

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「24時間無料化」で、ダウンロード数はどのくらい増えましたか?

黒住:
計36時間(24時間+自己判断で12時間)無料化していたのですが、ちょうど50,000ダウンロードくらいされました。

無料化を終えてどんな良い影響がでましたか?

黒住:
一時的に、総合無料ランキングで15位までいったのは良い記念になりました。笑

あとは、ランキングがかなり安定しました。無料化前は、有料カテゴリランキングの10位以内-60位を行ったり来たりしていたのですが、無料化終了後は有料のカテゴリランキング7-9位くらいで落ち着いています。

今回の「無料セール」の経験を踏まえて、アドバイスなどあればお願いします。

黒住:
「アプリの知名度向上」や「ユーザーからの口コミ」を考えたら、やらない手はないかと思います。既にめちゃくちゃ売れているアプリでなければ、やった方がいいと思います!

告知などありましたらお願いします。

黒住:
通勤、通学必携のアプリ「強力無音タイマー」ぜひつかってみてください、宣伝ですみません!笑

強力無音タイマー
kyouryokumuon_icon

考察

kamiapp_kenshou

上の画像の左側のグラフは、ここ最近かみあぷさんで「24時間無料化」した9アプリの、かみあぷ記事⇒AppStoreクリック数をグラフにしたものです。77%(9分の7)が10,000クリックを超えていますね。この10,000クリックのうちの30~50%くらいはアプリをダウンロードすると考えて、数千ダウンロードは送り込めるパワーがあるのかと思います。

この数値から考えると流れとしては、かみあぷさんの効果で数千ダウンロードくらいされる⇒これがブーストのような効果を発揮⇒無料ランキングで上昇⇒自然ユーザーの獲得。という感じでしょうか。

そして、他メディアで紹介などのアシストもありつつ「うまくいけば25,000-50,000万ダウンロードにつながる」という効果が見込めるのかなと思います。

まとめ

結論として「24時間無料化」するメリットとしては、以下のようなことが言えそうです。

・セール実施でメディアに掲載されるかもしれない。
・無料ランキング入りして目立つことで、メディアに掲載されるかもしれない。
・無料化終了後、有料ランキング順位がプラスに。(アクティブユーザー増加など要因?)
・検索順位が上昇する可能性がある。(DL数増加、アクティブユーザー増加などが要因?)

既にランキング上位の有料アプリには必要ないと思いますが、手詰まりになっている有料アプリ開発者さんは、一手としてありじゃないでしょうか。

かみあぷさんへの問い合わせは以下から。アプリの審査とかもあるのかも(?)しれませんが、その辺も聞いてみてください。(むしろ、無料化してくれるアプリを探すの困っているらしいです)

App Store有料アプリの「24時間無料化企画」にご興味のある方へ(かみあぷ速報)

「RPGアプリと広告収益モデルはマッチしない」ハンマーズクエスト開発秘話と、カジュアルゲームの収益事情。

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「ハンマーズクエスト」を開発している株式会社オリディオのori takuyaさんにお話を伺いました。カジュアルゲームを中心に累計500万ダウンロードの実績がある会社さん。カジュアルゲーム開発者の方は特に参考になると思います。

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※株式会社オリディオのori takuyaさん。

「ハンマーズクエスト」について

hammers_ss

「ハンマーズクエスト」について教えていただけますか?

ori:
ワンタップで遊べるハンマーアクションRPGです。8月にリリースして約20万ダウンロード(iOS16万、Android4万)という状況です。現在は一日1,000ダウンロードくらいユーザーが増えています。

ゲームシステムが斬新ですが、企画はどのように立てたのですか?

ori:
オリディオはカジュアルゲームをメインでつくっているデベロッパーなのですが、実は当初「ハンマーズクエスト」はハンマーでブロックを壊していくカジュアルゲームとして企画していました。

「ストリートファイター2」で車を壊すボーナスゲームがあるじゃないですか、あの「破壊していく爽快感」を再現するようなハンマーゲームを考えていたんです。

sireetfighter_car

どうして、そこからRPGになったのでしょうか?

ori:
つくっていく中で「ハンマーが進化したほうが面白い」ということで育成要素を追加したんです、そうこうしているうちに「もうそれならドット系のRPGにしてしまおう」と流れで今のRPGになりました。

操作感としては「ワンボタンでタップして進んでいく」という意味で変わらないですが、ビジュアル面や育成要素などを加えて、アプローチを変更した感じですね。

hammers_sheet
※「ハンマーズクエスト」の企画シート。ゲームをつくる際はこのシートにメモしてつくっている。

ゲームバランスがめちゃくちゃ良いと思うのですが、手間をかけた部分ですか?

ori:
そうですね。何十回もテストを繰り返して、ゲームバランスを調整をしました。何度もやっていると感覚が麻痺して、難しいゲームをつくってしまいがちなので「ちょっと簡単すぎかな」というレベルに合わせるようにしています。

スマホのゲームで大事なのは、とにかく「不快な要素をなくして離脱させない」こと。ハンマーズクエストの場合はステージがクリアできなくても、経験値やお金が入る仕組みにしたり、「簡単なRPG」に寄せてあります。

結局、1-2ヶ月で出す予定だったのですが、開発に約4ヶ月かかってしまいました。自分はけっこう完璧主義でこだわりきらないと気が済まなくて、クオリティーが満足する水準を超えるまではだしたくなかった。

他にこだわったところはどこでしょうか?

ori:
「あ、これ昔のドット絵RPGだな」とビジュアルですぐ伝わることを一番重視しました。スーパーファミコン時代のドラクエやFFをかなり意識しています。

最近だと「棒人間ゲーム」がレビューサイトで紹介されることはほとんどないですし、メディアに紹介してもらうにもビジュアルは重要です。結果的に「ハンマーズクエスト」はAppBankさんで紹介してもらえたり、4gamerさんなどゲーム系の媒体も反応がよかったです。

ダウンロードを伸ばすためにやったことはありますか?

ori:
今回初めてブーストを2万ダウンロードほど(1ダウンロード20円くらい安いサービス)実施しました。AppStoreの総合10位くらいまでブーストで上げて、そこから総合6位くらいまで伸びました。

結果的に「ダウンロードを伸ばして認知度を上げる」という意味では、やって良かったと思います。ランキングが上がるとメディアでも紹介されやすくなります。

「ハンマーズクエスト」は広告収益モデルだと思いますが、収益はどうでしょうか?

ori:
1ダウンロードあたりの収益性は10円程度です。ただ、開発費が250〜300万程度かかっているので単体でみると赤字です。

今後のアップデートと、他の自社アプリへの送客効果も含めて、なんとかプラスという感じですね。これはビジネスモデルのミスマッチが問題です、RPGと広告収益モデルはマッチしないと感じました。

【追記】:一部誤解を招きそうな表現があった図を削除しました。

具体的にはどういうところがミスマッチなのでしょうか?

ori:
RPGはスタミナがなくならない限り、ずっとゲームに夢中になり続けるので、広告がスルーされて全然クリックされないんです。これは明らかにカジュアルゲームとは違うと感じた部分でした。

課金要素(ダイヤ購入・スタミナ無制限など)についても、今更ではあるのですが次のアップデートでいれる予定です。やっぱりRPGは「課金で稼ぐのが王道」という気がしています。

どの種類の広告が一番稼いでいますでしょうか?

ori:
なんだかんだ画面下のバナーが一番ですね、単価感が高くて安定しているのでnendさんをメインで使っています。

インタースティシャル広告に関してはi-mobileさんを使っていますが、クリック単価が40円以上とすこぶる良い結果がでています。ただ「トップに戻る」を押した時にだけ出しているのでimp(表示回数)は少ないのですが、クリック率も2%弱はでています。

単価が高い理由については、ゲーム広告との相性が良くて広告主に効果を返せているようで、単価が通常よりも上がっているからのようです。

リワード広告も導入されていますが、どうでしたか?

ori:
新規ユーザーの母数が継続的に増えている状態じゃないと収益につながりにくいと感じました。理由は一人のユーザーにつき1〜数回くらいしかリワードを使わないと思うためです。

Androidのほうがリワードの収益性はやはり高い。Tapjoyさんを使っていますがAndroidでは一日30−40ドルの広告収入があります。(iOSはAppleのリワード広告への規制が激しく「報酬を得てアプリをダウンロードさせる」のがNG)

iOSのリワードは「動画視聴」で1円くらいしかもらえませんし、「ウェブサービスの会員登録」などはハードルが高い。Androidは「無料アプリのダウンロード」をしてもらえれば30円くらい入ります。

hammers_ad

リリース後に、ユーザーのリアクションで想定外だったことは?

ori:
コアなゲームユーザーが多くて、レベル99まで上げる人がたくさんいた。かなり余裕をもってレベル上限をアップデートしても、すぐにやり込んで上限まで追いついちゃう。

課金してくれるのはこうしたユーザーだと思うので、今考えると課金を最初から入れておくべきだったと思います。

棒人間のカジュアルゲームは稼げるのか?

オリディオさんではいわゆる「棒人間系のカジュアルゲーム」を多くつくっていますが、収益単価はどのくらいなんでしょうか?

ori:
少なくとも1ダウンロードあたり10円以上の収益性はでますね。一番うまくいった「壁蹴りジャンプ」は累計115万ダウンロードされていて、累計2,000-3,000万円の収益が出ています。

2012年の10月にだしたゲームですが、未だに少なくない売上が出ていて、1ダウンロードあたりでいうと平均30円の収益性があります。

「壁蹴りジャンプ」をリリースした時は、「棒人間ゲーム」が駆け出しの時期で、宣伝しなくても自然にAppStoreの総合6-7位までいけました。カジュアルゲームでもランキングさえ上がれば食えるくらい稼げますが、いまはランキングの競争が激しくて難しいですね。

kabejump

他のゲームの収益性を可能な範囲で教えていただけますでしょうか?

ori:
カジュアルゲーム「天空ブランコ」は1ダウンロードあたり10円くらいです(最近は単価が上がって20円前後と好調)。放置系ゲームはやはり単価が高くてあつめて!ベアビィ」の収益性は1ダウンロードあたり約50円だった。ただダウンロード数が累計15,000ダウンロードくらいまでしか伸ばせなかった。

branko_bareby

昔(2012年頃)と今(2014年)で変わったところはどこ?

ori:
いまとにかく難しいのは「ユーザーの目に触れる」という部分。ソーシャルゲームなどが広告をうって上位を独占しているので、ランキングの競争が激しくなった。

昔は個人アプリが話題になって、ランキング一位を獲得することもあったけど、今はもうなくなった。「アプリが飽和している状態」といっても過言ではないです。

あと広告の種類も増えたり、ノウハウも複雑化してきている。初心者にとってはきびしい環境かなと感じます。

初心者のアプリが「ユーザーの目に触れる」にはどうしたらいいのでしょうか?

ori:
Androidアプリの場合は「新着ランキング」に載らないと話にならないので、それは絶対必要です。うちもAndroidアプリはアイコン広告などに出稿して、新着ランキングには無理してでも入れるようにしています。

あとは、最近だと「ぼくらの秘密基地」「みつけて!おじぽっくる」のようなずば抜けたセンスで「バズるアプリ」をだせればいいですが、ノウハウ・経験・センスが必要なのでハードルが高い。つまらない話ですが、収益性がよかったらブーストかけちゃうのが手っ取り早いですね。

ブーストを使うときの基準、例えば「1ダウンロードの収益性がこのくらいなら広告費を回収できる」のような目安はありますか?

ori:
1ダウンロード20-30円の収益性があれば元がとれると思います。10円代だとやってみないとわからないという感じ。

そのアプリ自体の面白さでランキングを上れるかどうか、AppStoreページのアイコンやスクリーンショットの善し悪しもあるし、一概にはいえないとは思います。

つくっている時の「このアプリはヒットしそう」という感覚って当たりますか、つくっている時の予想と結果は比例する?

ori:
完全に読めないですね、出してみないとわからないです。「バウンドラン」というゲームは自分ではおもしろいとおもったのが全然ダメだった。

星を割れ!」というアプリはビジュアルが良かったのか、想定外に南米やヨーロッパなど海外で順位が伸びました。

海外は収益性が低くて1ダウンロード1円を切っていたのですが、AdMobのインタースティシャル広告を入れたところ(元々AdMobのバナー広告のみ入れていた)、1ダウンロード数円くらいまで改善しました。

AdMobのインタースティシャルは海外ではおすすめですけど、それ以上にChartboost(チャートブースト)の収益性が良いという話も聞きますね。

最後に、告知したいことがあればお願いします。

ori:
ハンマーズクエストのアップデートを近々行いますので、ぜひ遊んでみてください!

取材協力:株式会社オリディオ

ハンマーズクエスト(iOSAndroid
hammersquest_icon

編集後記

オリディオさんは普段、岐阜でアプリ開発されているそうですが、地方で困ることはあんまりないとおっしゃってました。

ハンマーズクエストの操作性とゲームバランスはとても秀逸だと思うので、ゲーム開発者は遊んでみると参考になるはず。課金入れてたらもっと収益上がっていたかも?仮に20万ダウンロードの1%のユーザーが1,000円課金したら+200万円。

「壁蹴りジャンプ」のようなカジュアル1本で2,000-3,000万円稼げることもあるのか(しかも長期で収益が続いている)、ゲームが面白いのは前提だけど、黎明期に思い切って飛び込むとチャンスがあるんだな。

「1アプリの広告収入は平均40,000円」アドネットワーク「nend」が生データから語る激変のアプリ市場。

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国内最大級のスマホアドネットワーク「nend」を運営する株式会社ファンコミュニケーションズさんにお話を伺いました。前後編に分けてお届けする予定ですが、前編では「nendのデータからみたアプリ市場」のお話をまとめています。

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※左からnend事業部の中野さん、マネージャーの浅見さん、執行役員の二宮さん。

「メディアサイド(アプリデベロッパー)」のデータで見るアプリ市場

データから見たアプリ広告市場を「メディアサイド」と「広告主サイド」で、大きくふたつに分けて解説いただきました。まずメディアサイド(アプリデベロッパー)側のデータからです。

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※nendはスマホ(アプリ&WEB)のアドネットワークですが、今回はアプリに絞ってのお話。

「広告収益」はiOSとAndroidどちらが稼ぎやすい?

浅見:
アドネットワーク「nend」を導入しているアプリさんの「売上に占めるOSの比率」を見てみますと、1年前までは「ios55%:Android45%」という比率でした。

それが、直近では「ios65%:Android35%」と広告売上がかなりiOS寄りに変化しています。要因としては「AppStoreとGooglePlayのランキングロジックの違い」がひとつ考えられます。

AppStoreは短期的にダウンロード数さえ稼げればランキング上位にあがれる傾向にありますが、GooglePlay(Android)は「ユーザーのアクティブ率」「継続的なダウンロード数」なども複合評価されます。

そのためGooglePlayはランキング上位にあがるのが難しく、個人開発者さんに多い「広告収益モデルのアプリ」にとっては厳しいマーケットだと言えます。

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※あくまでnendの広告収入の話(端末シェアの話ではない)ではあるがiOSが大きくシェアを伸ばした。(図は編集部作成)

ドコモiPhoneの影響がでたのは4月の新生活シーズン。

二宮:
あとiOSが伸びたのはドコモがiPhoneを販売開始した影響もありますね。ただ、ドコモからiPhoneがでた当初(ドコモは2013年9月にiPhone販売開始)は、そこまでデータ上の動きがなかったんですよね。

それが今年の4月にデータが大きく動いたんです。やはり「新生活シーズン」ということで、このタイミングでiPhoneに乗り換えた人が多かったのかなと思います。

最近は「ios65%:Android35%」というバランスで安定しているので、今後はiPhone6でどうなるかなというところです。

「月100万円以上稼ぐアプリ」の数が2倍に。

浅見:
最近デベロッパーさんの間でも「なかなか厳しい時代になったね」と言われていますが、実はnendのデータからもそうした傾向が出ています。

まず「1アプリあたりの収益性」に関しては、一年前と比較しても実はほとんど変わっていなく、1アプリあたりの平均の広告収益額は約4万円です。(※報酬額で1000円以上のアプリが対象)

(【追記】:質問がちらほらあったので補足です。「nend導入の1アプリあたりの広告収入の平均が月4万円(※報酬額で1000円以上のアプリが対象)」になります、生涯収益ではなく月ですね。後述されている通り、二極化が進み「稼いでいるアプリ」が大きく引き上げているとのこと。あくまで参考値としてご覧ください。)

一方で大きく変化したのが「月100万円以上稼ぐヒットアプリの数」です、ここ一年で2倍くらいに増えました。

本来、ヒットアプリが増えたのなら、平均の収益額も増えるはずなのですが、そこが変わらないということは、「稼げるアプリと稼げないアプリの二極化」が進んでいるということです。

つまり月1,000万円も稼ぐアプリがある一方で、まったくヒットしないアプリもたくさん出てきてしまっています。

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アプリ広告の種類が一気に増えた。

浅見:
以前は「320×50」の通常の広告サイズをいれておけばOK、というところだったのが、アイコン、インタースティシャルなどの、広告フォーマットの数が増えてきています。

nendでも「320×50」以外のサイズのシェアが伸びています。特に「300×250」のレクタングルサイズの大きい広告をうまく導入できているアプリは、高い収益性をキープできていることが多いです。

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「広告主サイド」のデータで見るアプリ市場

海外アプリの広告出稿が伸びている。

浅見:
海外クライアントさんの出稿がここ1年でかなり伸びていて、nendへの出稿額で言うと2倍に増えています。特に勢いがあるジャンルとしては「パズル」「ストラテジー」「スロットゲーム」です。

日本に入ってくる順序としては「北米とヨーロッパを制覇して、そして最後に日本」という感じで、海外(欧米)で大きくヒットしたアプリが、課金率の高い日本ユーザーを狙って進出してきています。

国内のアプリだと短期間で広告を出稿してみて、ユーザーからの課金額が見合わなければ撤退というパターンが多いですが、海外アプリは長いスパンで広告出稿を続けている傾向があります。

これは、グローバルで既に大きな売上がある状態で日本に進出してくるので、長期的に資金面でも勝負ができるということだと思います。

二宮:
海外のお客さんは「効果が合えば、今の10倍くらい広告費を使いたい」というニーズがとても強いです。

日本のトップレベルのアプリ企業と比べても、大胆に広告費を投入してきている印象がありますね、今後も海外アプリさんからの出稿額は伸びていくと思いますよ。

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日本のソーシャルゲームは縮小しているのか?

浅見:
一昨年くらいから「ソーシャルゲームはバブルだ、すぐ縮小するだろう」と言われ続けていますが、実は最近でも広告の出稿額は安定的に増えている状況です。

ひとつ変化があったこととしては、「一人のユーザーを獲得するための単価(CPI単価)」が伸びていることです。感覚値ではありますが、平均で1.5-2倍くらいに上がっています。つまり1人のユーザー獲得にたくさんのお金をかけるようになった。

昨年あたりまでは1ユーザーの獲得に300-700円というレベルだったのですが、「1ユーザーの獲得に1,000円以上の広告費をかけても良い」という会社さんも珍しくなくなっていて、我々も驚いています。

理由としては「ユーザーの課金慣れ」が進んでいて、ユーザーの課金に対する感覚が変わってきているというところ。

私自身もゲーマーですが、数年前は「課金はダサい」「課金は甘え」というイメージがありましたが、パズドラが大きくヒットしてからソーシャルゲームに課金するのが当たり前になってきた。

「ゲーマーから一般へ」多様化するソシャゲ。

浅見:
ソーシャルゲームのジャンルとして多いのは「アクション・RPG」です。よく言われるカードバトル系ゲームがやはりメインですね。

最近増えているジャンルとしては、女性受けを狙った「乙女ゲーム」、そして女性アイドルを育てていく「アイドル育成×萌えゲー」、「街づくり系シュミレーション」なども増えています。

課金ユーザーの裾野が広がったことで、いわゆる「ゲーマー層」が遊ぶようなゲームから、ジャンルの多様化が進んでいるのだと感じます。

ニュース・フリマ・マンガも勢いがある。

浅見:
ゲーム以外のジャンルで広告出稿が増えているのが、「ニュース・キュレーション」「フリマ・オークション系」「マンガアプリ」です。

いずれも今年に入って一気に広告出稿額が伸びていて、1年前はこの3ジャンルを足してもnend全体の5%程度しかなかったのですが、直近では13%まで伸びてきている状況です。

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取材協力:株式会社ファンコミュニケーションズ(nend

編集後記・まとめ

貴重なデータ満載でとても興味深かったです。

nend後編(来週公開予定)の記事では、「どんなジャンルが広告収益をあげやすい?」「稼げるゲームと稼げないゲーム」「今年ヒットしたアプリの3つの共通点」などnendさんに聞いたお話をお届けする予定です。

【後編公開しました】⇒「長く稼ぐアプリはゲームバランスが絶妙」nendが語る「稼げるゲームの条件」と2014年のヒットアプリ3つの傾向。

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「長く稼ぐアプリはゲームバランスが絶妙」nendが語る「稼げるゲームの条件」と2014年のヒットアプリ3つの傾向。

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国内最大級のスマホアドネットワーク「nend」を運営する、株式会社ファンコミュニケーションズさんにお話を伺いました。

本記事、後編では「どんなジャンルが広告収益をあげやすい?」「稼げるゲームと稼げないゲーム」などのお話をまとめています。

【前編はこちら】⇒「1アプリの広告収入は平均40,000円」nendが語る激変のアプリ市場。

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※左からnend事業部の中野さん、マネージャーの浅見さん、執行役員の二宮さん。

最近、どんなアプリが流行っているのか?

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※nendはスマホ(アプリ&WEB)のアドネットワークですが、今回はアプリに絞ってのお話。

今年に入って、どんなアプリが流行っているか「トレンド」のようなものはありますか?

二宮:
歴史を見るとやっぱり「2ちゃんねらーに支持されるもの」って、爆発的にヒットする傾向が強いですよね。例えば最近だと「生きろ!マンボウ!」などもそうです。

今年の4月以降に流行ったアプリにはパターンがあって、「Youtuberに取り上げられやすい」「2ちゃんねらーに支持される」「放置系でうまくブーストを使った」この3つなんです。そういうおおまかなトレンドはあると感じますね。

あとは、女の子に受け入れられると息は長くなります、女性は男みたいにいろんなアプリを試さないので。

「だーぱんシリーズ」などもそうですが女性向けでヒットすれば収益が安定する可能性は高いですよね。

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※図は編集部作成。「激ムズイライラ棒」はAppBankの「マックスむらいチャンネル」で紹介されてランキング上昇。「こんな息子に~」は1,000万円以上の収益がでた(詳細はこちら参照

前回の記事で「アプリ開発者の収入が二極化した」という話もありましたが、いわゆる「コレクション(放置系)ゲーム」が稼げるようになった影響は大きいですか?

浅見:
それは大きいと思います。

ただ以前のように「コレクション(放置系)ゲームを出しただけ」では通用しなくなっていて、アプリの質やtwitterで拡散するようなソーシャルマーケティング戦略など、総合力が重要になってきています。

ユーザーの継続率が高くて、マーケティング戦略のうまくいったアプリが、広告モデルで数千万円の収益をあげるケースも出てきています。今後1億円以上稼ぎだすアプリが出てきてもおかしくはないです。

※なお、放置ゲームは「収益性が高い」という情報が出回り、プレイヤー自体もかなり増えていると思われる。

他に「増えているジャンル」はありますか?

中野:
今年に入ってからの「放置系ゲーム」の新ジャンルとしては「クッキークリッカー」タイプの、「マネーファーム」「ボクと契約してマンションを買ってよ」「ネズミだくだく」などのゲームです。

この手のゲームはゴールがないのでユーザーがあまり減らない傾向にあるようです。

あとは「激ムズ系ゲーム」も明らかに増えましたよね。「激ムズ系」がどうしてランキング上位にあがってくることが多いのかというと理由があるんです。

それはYoutuber(ユーチューバー)に取り上げられやすいから、やっぱり「激ムズ系」はYoutuberもリアクションがしやすいから取り上げやすいのでしょうね。

cookieclickergame

「長く稼げるカジュアルゲーム」と「ツール系アプリ収益化のコツ」。

この前、海外で発表されてた「世界のデベロッパー収入」のデータでは上位10%の人たちが月100万円以上稼いでる、というような傾向だった。このピラミッド構造はnendでも一緒ですか?

二宮:
そうですね、nendに限らずA8(アフィリエイト)なども含めて、全部そうなんですよね。よく「2:8の法則」って言うじゃないですか、まさしくあの通りで一部の稼いでいる人が大きい金額を稼いでいる。

ここ2年間でアプリデベロッパーの数も、ものすごく増えているので、全体を俯瞰するとピラミッドのような構図になっているでしょうね。

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※Vision mobileの「Developer Economics」によると、月100万円(1万ドル)以上稼いでいる開発者は上位12%。

「個人アプリで月20~30万円稼いで暮らしています」ってレベルだとどのくらいなんですか、「準トップランカークラス」っていう感じですか?

中野:
月20~30万円ですと、たくさんいらっしゃると思いますね。

というのも、1個1個のアプリは小さくても、それを積み上げて月50-100万円稼いでいる人も多いためです。そういう「中間層」のデベロッパーは、すごい増えてきてると思いますね。

先日、オリディオさんの「壁蹴りジャンプ※」という2年前にだしたミニゲームが、いまだに稼いでるという話を聞いたのですが、長期で稼げるカジュアルゲームって何が違うんですか?

※「壁蹴りジャンプ」は累計115万ダウンロード、ロングセラーで2,000-3,000万円の収益が出た。(過去記事参照

浅見:
それはゲームバランス(難易度)だと思いますね。オリディオさんのゲームは正にそうで、バランスが絶妙なんです。

「ゲームバランスが絶妙なゲーム」っていうのは、ゲームオーバーになったときに「自分のせいだと思えるかどうか」だと考えています。

「ゲームバランスが悪いゲーム」は、操作感が悪かったり、「これは無理だわ」というゲーム設計だったりして、すぐ僕みたいなゲーマー気質な人間はやめちゃうんですよ。

僕自身もカジュアルゲームは熱く語っちゃうくらい好きなんですけど、オリディオさんのゲームや、capsule+さんの「とどけぇぇえ」、スパイシーソフトさんの「チャリ走」など、ゲームバランスが良いとやっぱり飽きられにくく、収益も継続して稼ぐことができていると感じます。

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「ツール系」のアプリで広告で稼いでるジャンルはありますか?

浅見:
ツール系は「メモリ解放系」「QRコード」「ミラーアプリ(鏡)」「目覚まし」「カレンダー」などは、継続的に収益を得ているケースが多いですね。

中野:
あとは「まとめサイト系アプリ」「バッテリー・通信量」あたりのトップシェアがとれると、すごく収益も安定します。

ツール系は集客は難しいですが、一度ユーザーをつかめれば離れにくいので、クオリティーの高いものがつくれればチャンスはあります。

「メモリ解放」「バッテリー」みたいなアプリって「広告を押さないんじゃないか」と思うんですけど、そんなことないんですか?

浅見:
「起動回数」が多いのでそこはカバーできるんです。例えば「メモリ解放アプリ」のいいところは、広告を見るタイミングができてることなんですよね。

「メモリ解放」ってパッと一瞬で終わらなくて、だいたい10秒くらい待たされますよね。

その間に広告が出ていると、自然に視線がいっちゃいますし、広告主側としても効果が高いんです。

二宮:
これって多分、スマホユーザーが「暇な時間」を許容できなくなってるんだと思うんですよね。

「数秒の何もしていない時間」が耐えられなくなっていて、何かしらアクションをしていないと落ち着かない。

そういう「暇な時間」を意図的につくってあげることも、ひとつの視点として重要なのかもしれないですよね。

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ブースト広告をうつときはここに注意。

「ブースト」はやっぱり今でも通用しているのでしょうか?

浅見:
今のところはそうですね、ただ「格安ブースト」をつかうときは注意が必要ですね。安いブーストを使って、失敗してしまったアプリとかもあるんです、全然ランキングが伸びなかったり。

中野:
ブーストに失敗する理由はふたつあって、ひとつが少量すぎてランキングがあがらずに失敗するパターン。そしてもうひとつがブーストの質ですね。

「ブーストの質」ってどこで変わるんでしょうか?

浅見:
一般的にはやっぱり「ユーザーの重複率」ですね。

同じユーザーによる(違うポイントアプリ経由での)ダウンロードが入ってしまうと、効果が薄くなってしまうんです。「発注したダウンロード数の半分以上が重複ユーザーだった」なんてこともあります。

実は、格安ブーストと普通のブーストをつかって、同じ日に同じ件数で検証してみたこともあるのですが、片方が10位以内に入って、もう片方が30位までしか伸びないという結果になりました。

中野:
あとは「タイミング」も大事ですね。例えば、金曜日にブーストを実施する企業は多いので、ランキング上位の競争率が激しくなる。

なので、競争率の低い木曜日にブーストをかけて「週末土日にランキング上位の状態」で突入させるというのもテクニックかなと思います。

とくにカジュアルゲームはソーシャルゲームと比べて、ブーストをしてランキング上位にあがった時に、自然流入ユーザーを多く獲得できるので、うまくいけばランキング上位をキープできます。

海外展開は今が「先行者メリット」を得るチャンス。

海外系でのトピックは何かありますか?

中野:
一部の放置系ゲームが台湾や香港でもヒットしはじめている。

「アルパカにいさん」はアメリカで人気が出ましたが、「ようとん場」「昭和駄菓子屋物語」「ネズミだくだく」などは、香港・台湾で人気が出ました。

台湾の収益性もかなりあがってきていますよね。台湾のユーザーが育ってきて、それに合わせて広告単価も伸びているのだと思います。

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海外、アジアのほうだとnendって使えるんでしたっけ?

中野:
はい、英語圏と中国語圏に関しては対応していますので、つかっていただけます。

二宮:
意外に知られていないのかもしれないですが、たぶん収益性に関しても、海外で展開しているアドネットワークよりも高い数字が返せると思います。

もう少し在庫が整ってきたら積極的に告知もしていこうと考えていますよ。

今後は、やはり海外も積極的に狙っていくべきでしょうか。

二宮:
そうですね、あと1-2年すると当然日本のスマホユーザーの伸びも天井を迎えるという状況で、アプリデベロッパーが狙うべきは、日本のコンテンツが受け入れられやすい市場に、ローカライズしていくというところ。

日本市場が飽和状態になることは明らかなので、今海外にチャレンジすることが、先行者メリットを得やすいタイミングであることは間違いないと思います。

2010年から色々なデベロッパーさんとお付き合いさせていただいていますが「先行者はやはり強い」という印象です。

最後に、告知などがあればどうぞ。

二宮:
nendでは2-3年後を見据えて、グローバルでチャレンジをしてくれるデベロッパーさん、特に個人デベロッパーさんを支援していきたいと考えています。

日本のデベロッパーさんが世界で活躍することで、僕らとしてもビジネスチャンスになりますし、パートナーとして一緒に頑張っていきたい気持ちは強いですね。

特に市場の成長率、コンテンツの親和性から考えて、台湾などはチャンスがあると思うので、ぜひ海外進出や海外でマネタイズする際は、ご相談いただければ嬉しく思います。

取材協力:株式会社ファンコミュニケーションズ

編集後記・まとめ

アドネットワーク側からみたアプリトレンドも面白いですね。

たしかに調べてみたら、Youtuberに取り上げられてランキングが伸びたアプリはけっこうありました。

テレビと一緒で公開されたタイミングで動画を視聴している人が多いため、短期間でアプリがダウンロードされて、ランキングが伸びるということですね。

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